今年最後の更新です。2012年も様々な出来事がありました。たぶんいいこともあったと思うのですが、直近に行われた衆議院選挙の結果があまりにも衝撃的でしたので、全てそこに回収されてしまった感があります。
思えば「マガジン9」の前身である「マガジン9条」が立ち上がったのは、2005年3月1日。時の首相は小泉純一郎氏。イラクに自衛隊が派遣され、イラク人質事件をめぐる自己責任論が巻き上がるなど、憲法改正への動きや世の中がどんどん右傾化していくことを警戒して、「9条の理念を啓蒙すること」を軸としたオピニオン webマガジンを作ろうと、有志らが集まり立ち上げたという経緯があります。
その後、2006年に安倍内閣が誕生し、教育基本法の改正や靖国神社の国営化問題などいっきに、右傾化へと舵が切られた感がありました。そのときの状況は、高橋哲哉さんインタビュー「安倍首相は、小泉元首相よりもさらに踏み込んだ形でやってくる」(2006/10/25)を読むとよくわかります。
しかしそれらの空気は、安倍さんの体調不良と突然の辞任によって、尻切れトンボのような形で終息していきました。そして民主党による政権交代。鳩山由紀夫氏が掲げた「友愛」という言葉に、なんとなくほっと安堵したのを覚えています。
あれから3年。私たちは再び安倍さんを首相にしてしまいました。前回よりも世の中はさらに右傾化しているように思います。というよりも、私たちが「右傾化」だと感じているこの空気は、民主党政権の時にあっても、ずっと消えることなくあり、今や日本社会のベースになっているのではないか、とさえ思うのです。
となると、我々は6年もの間、いったい何をしてきたんだろう、との無力感にもさいなまれます。
さて2013年、どういう戦略でいくべきなのか。何ができるのか。悩みながら新しい年を迎えたいと思っています。
2012年度もたくさんの方にカンパのご支援をいただきました。報告はこちら。敗北感はありますが、ここで止めるわけにはいかない、とも強く思っています。それは「9条の理念がやはり大事」だと私自身が信じているからです(しかし今後は「9条の理念は大事でない。自国の平和や安泰のためには 軍事は必要である」と信じている人たちの話も、聞く機会を持ちたいと思っていますが)。
どうかマガジン9のそんな活動を支えてください。よろしくお願いします!!! 2013年もご支援ください。
(水島さつき)