マガジン９

　台風１５号が関東を直撃した先月末、ともに北上しながらも上映会準備のため再び下北に帰省してきました。８月の帰省時には主にチラシを、そして今回はポスターを貼って回り、すでにむつ市内で動いていただいている方が回ってくださった上映会場の下北文化会館やコミュニティー会館（のような場所）以外に、市内のスーパー数か所、図書館、書店等にお願いをしてきました。持ち込んでお願いして了承を得て預けた、だけなので、忘れずに実際に貼ってくれるかな…よろしくお願いします！

　さて、８月９月と帰省して当然のことながら家族に会い、友人に会い、そして映画上映会の広報のために市内のいろんな場所やお店に行き、８月には事務的な用件のため市役所にも足を運んできました。その際、不思議に過去の記憶が道々で思い出されてきました。何気ない街並みの行く先々に思い出があって、あのとき東京に来る前にここに家族とごはんに来てお店のひとがこんなこと言ってたなあとか、部活帰りに友人と時々ここでクレープ食べたけどおばちゃん元気かなあとか、市役所に勤めているらしい同級生の当時の姿を思い出したりとか。ちょっと笑いたくなったり気まずく思ったりしながらも、いろんな顔や景色が浮かんでは消え浮かんでは消えしていく。そんな場所で自分はいま『ミツバチの羽音と地球の回転』を上映しようとしているんだなあと、ただ単に「映画を上映する」ということだけなのですが、そこに血が通ってくる思いを改めてもちました。

「今度こういう映画やるんだけど」
「おめえ原発さ反対なの？」
「反対とか賛成とかじゃねくて、まずはみんなで考えてえのさ」
「わいは原発は賛成だで。だってよ、東通で食堂やってら友達が工事止まって全然ひとこねぐなって大変だって言ったったで」と言っていた友人はこのとき「でも別に映画はみるけどな。おめえがやるっていってらんだし」と付け加えてくれました。

　誰にとっても「誰も悪者にしない」ようにしたいのはなんの論理があるでもなく、「誰も悪者にしたくない」し「なってほしくない」からで、ひとのつながりで支えられる共同体全体のなかで、自分たち自身の豊かさを失いたくない、あるいは築きなおしたいからでもあります。福島県三春町の武藤類子さん（ハイロアクション福島原発40年実行委員会）が「どうしたら原発と対極にある新しい世界を作っていけるのか」と９月１９日のスピーチのなかで問うていましたが、私にとっての新たな世界への一歩はまずはそこからなのです。

…いよいよ来週です。

（Y子）

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いよいよ来週末になりました。スタッフもドキドキしております。　
『ミツバチの羽音と地球の回転』は今、全国各地で自主上映されています。
その輪があちこちでつながり、広がり
「あの映画良かったね」との声となって聞こえてきています。
青森県では、これまでに青森市、八戸市などで上映さてきましたが、
むつ市では今回初めての上映となりますので、まだ見ていない方、ぜひこの機会に！
大勢の人と一緒に、この映画を下北文化会館で見たいと思います。

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