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2011-08-03up
下北半島プロジェクト
映画『ミツバチの羽音と地球の回転』を下北半島で上映したい!
第7回
鎌仲ひとみ監督にお会いしました!
7月31日(日)「トーク&ライブ 未来に輝け上関・祝島 原発なくても大丈夫!」が東京ウィメンズプラザホール(青山)で行われました。そこにY子ちゃん、A子ちゃん、マガ9スタッフも参加。会場でお会いできた鎌仲ひとみさんからは、むつ市での上映会についても励まされ、一同感激! Y子ちゃんのレポートをお届けします。
「よりよく統治するためには分断せよ」は、フランスの有名な格言だそうですが、イベントでお話を聞きながら、その言葉を思い出していました。
先週の日曜日、「トーク&ライブ 未来に輝け上関・祝島 原発なくても大丈夫!」に行ってきました。そのなかで、鎌仲ひとみ監督がおっしゃっていた「なんでこんなことが起こってしまったのか。日本に54基も原発があって、それを止めることができず、こんなに不安に思ったり、こんなに膨大な廃棄物を抱えることになってしまったのか。根本的な問題は、それを進めている権力や資本がわたしたちを分断しているからだと思うんですよ」という言葉を聞いた時、「よりよく統治するためには分断せよ」が瞬間的にリンクしてきたのです。
鎌仲監督と氏本長一さん(「祝島未来航海プロジェクト」代表)の言葉を引用すると、これまで日本というコミュニティ全体が「原発を立地せざるをえなかった過疎地と電気を消費する都市とで分断」されてきて、今また新たに「福島の事故によって、(それぞれが判断基準とする)情報で分断」されているのです。
はたと気がつくとわたしたちは、原発全般の話題や今まさに進行中の福島第一原発事故の話題すら(!)互いにしにくい状況にあり、反省や将来に向けた建設的なおしゃべりすらもタブーなような状況にあります。コミュニティが狭い原発立地地域ほど分断・対立のリスクはますます大きく、話題に触れるだけでも、東京とは違う怖さを感じてしまう。意図されているのかどうなのか、これこそが分断統治にハマっているということなんだろうなと思います。
「分断統治」を手法として用いることを知ったのは、数年前にルワンダ内戦についてのドキュメンタリーをテレビで見た時でした。そこではルワンダを植民地支配していたベルギーが、それまではごく友好的に暮らしていたツチ族とフツ族の間に優劣をつけて分断させ、自分たち占領国への不満や怒りの爆発を部族間の対立に仕向けさせていく歴史が語られていました。その対立がルワンダ大量虐殺につながっていくのです。そうはならないにしろ、この「植民地支配」の手法が、私には六ヶ所村や大間町のような原発立地自治体の歴史に重なって見えてしまいます。賛成と反対に分断されることで人間関係を切り崩され、ひとのつながりによって支えられていた地域の力が弱められ絡めとられていった歴史。
正直、「原発なくても下北の生活は大丈夫!」とは、まだ私は言えません。中学の同級生が最近六ヶ所の再処理施設関係で働き始めたらしいけれど、そこで食べている人や明日の生活を委ねてる人たちの顔を見ながら、私には「大丈夫だ」と言うことはできないと思うのです。自分ができることといえば、一歩さがって一緒に考えるきっかけをつくることで、まずはそこから始めるべきなんだろうとも思います。そこには希望というヒントが必要だと思うから、だから『ミツバチの羽音と地球の回転』を観てもらいたいなあと動き出したのが、「下北半島プロジェクト」。無謀かもしれないけれど、まずはそこから、分断と対立を否定しながら、しぶとく始めていきたい。
鎌仲さんのお話のなかで「この映画はほとんど自主上映でみていただいてる。なぜかというと、自主上映によってそこにネットワークができていくから。そうすればできたネットワークからまた新しい動きがどんどん起こっていく」というようなお言葉がありました。まさにこの下北半島プロジェクトをそういうものにしていければと思っています。
最後に希望というヒントのひとつとして、氏本さんの「自然エネルギーを電気エネルギーだけでなく『地域エネルギー』として広義にとらえる。例えば、食、人とのつながり(子育て支援や高齢者介護など)、文化の継承など」という言葉が強く印象に残りました。つまり、この3.11を起点とする脱却・転換としての「エネルギーの自給」、「何からエネルギーをつくりだすか」という視点は何も電気だけの話ではなくて、自分たちのすぐそばの暮らしのなかに転がっている「生活を支えるエネルギー」の自給であり創造だということ。そうみんなが考えるようになれば、これまでの浪費型のライフスタイルの見直しに加え、地方と都市、賛成と反対に分断されてきたわたしたちの過去を再生していくこともできるんじゃないかなあ、と。
会場でみなさんのお話を聞きながら、とどきどきしながら「下北の未来の希望」のこと、考えたりしていました。(Y子)
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引き続き支援者募集中です。特に、青森県のみなさん!!
8月中旬ごろ、青森県において支援者との交流会を行う予定です。
これまで各地で自主上映会を行ってきた方たちにお話をお伺いすると、
どうしても青森県内、できればむつ市に近い方達のご協力が不可欠となってきそうです。
このプロジェクトの支援をしてくれる青森県の方、青森県にお知り合いのある方、
メールお待ちしております!!
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