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みんなのこえ
vol.394
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8月8日から20日に届いたご意見から■この人に聞きたい 三上智恵さん について
河野憲司さん(40才・男性・千葉県)
押しつけられた基地と憲法
改憲論者は、日本国憲法はアメリカからの押しつけであるから、自主憲法を! ということを改憲の論拠に使いますが、彼ら彼女らは、アメリカに押し付けられた在日米軍基地・日米安保条約はありがたがるし、米軍に出て行ってもらおうということは決して言わない。そして沖縄は今なお国家の都合に、権力に踏みつけられている。今もアメリカは日本に様々な押しつけをし続ける。1972年には「沖縄が返還」されたのではなく、「日本全体の再占領がはじまった」のではないか、という気さえする今日この頃です。
■この人に聞きたい 三上智恵さん について
ピースメーカーさん
「歴史認識」が私や三上智恵さんや海月ちゃんを「戦犯国民」とし、70年近く前の戦勝国の意向に永続的に従わせ続ける
「70年近くも前の戦勝国の意向に今も唯々諾々と従い、一方で民主主義の手続きに従って正当に要求し続ける国民の方ばかりを説得しようとする。これが主権を持った独立国家の姿と言えるのか」
琉球新報の社説ではそのように批判するが、近年の「歴史認識」を追及する風潮の中で、唯々諾々が永久化しそうな兆候がある。
最近、韓国人が「平和の少女像」と称して従軍慰安婦像を米国のあちこちに建てているが、それを米国が了承するのには日本が先の大戦では100%悪いという証拠を残し、悪と正義を規定し、対日外交を有利に運ばせる為と考えるのが妥当であろう。
オリバー・ストーン監督のように「戦争犯罪を謝罪すれば近隣諸国から信頼されて日米協定から抜け出る」という考えは神話に過ぎないし、逆に米国の国益に逆説的に貢献する。
私も三上さんも海月ちゃんも戦犯国民として、100%の善である米国の意向に従って永続的に人権が規制されるだろう。
■この人に聞きたい 川崎哲さん について
まるみなしさん(74才・男性・山形県)
川崎哲さんに聞いた
私は自衛隊を持つ事自体、そして米軍基地を置く事自体を憲法違反と思っている。
新憲法で「前文と9条」を決めた事によって全世界に、「日本丸腰宣言」を行ったのだ。
『憲法九条を世界遺産に』という本が出ている。私も大賛成だ。しまっておくのではなく、全世界に輸出する「世界遺産」とすべきだ。
■南部義典「立憲政治の道しるべ」 について
額賀晋治さん(49才・男性・埼玉県)
事故を起こした時点で憲法違反
すでに大気汚染、海洋汚染、帰宅できない避難者が存在し、何の解決もできていない状況をみれば、憲法違反は明らかであると思います。
■川口創弁護士の「憲法はこう使え!」 について
御在所ミドリシジミさん(72才・男性・三重県)
原発訴訟の論理について
裁判官は、憲法、法律および憲法76条に規定された裁判官の良心に基づいて裁きをする。この原則は絶対であると思います。
であれば、現状の54基の原発を含む原子力発電所の運営システムにおいては、その構築、運転、廃棄(廃炉)の各工程の危険を防護する、いわゆる安全基準が確立実証されていない。廃棄物処理の方法が最終決定されていない、そのために危険源である高濃度廃棄物が原発施設内に保管され、中間貯蔵施設さえ決まっていない。一般の製造物については、安全のシステムが厳しく規制されているのに、原発システムは危険状態を放置ないし承知して運用されていることは憲法違反である。この趣旨で裁判官の良心に照らして、違法であるという判決を求める。
■川口創弁護士の「憲法はこう使え!」 について
さかとさん(73才・男性・奈良県)
国家安全保障基本法の必要性はあるのか
戦争の準備をするというが、アメリカも中国も韓国も誰も戦争はしないのではないか。安倍の右翼派閥が一人騒いでいるだけだろう。アメリカはイラン、アフガンから撤退しようとしており、アフリカからも逃げ腰だ。日本の一部が戦争だ戦争だと煽っているだけなのに。全く判らない。
■伊藤真のけんぽう手習い塾リターンズ について
多摩の寅さんさん(東京都)
96条について
初めまして、多摩地区に在住する一市民です。「96条の改憲手続について」拝見しました、高卒の私なりに考えた改憲についての疑問にお時間が有りましたら答えて頂けたら幸いです。
1、権力者が権力者を縛る草案を起草する矛盾、本来なら国民(有識者等、非権力者)から憲法草案を起草すべきではないか。権力者側の都合の良い物しか起草されないのではないか(誰でも自分で自分の首は絞めたくない)
2、発議後国会での審議する時間はどのくらいかけるのか
3、国民投票の有効投票率は不問でよいのか
4、仮に発議のために必要な議員の賛成数を2分の1にした場合国民投票での可決要件は3分の2にすべきでは
5、1が出来ないのであれば一党だけではなく国会で改憲案を創るべきではないか
■伊藤真のけんぽう手習い塾リターンズ について
正義実現党さん(50才・男性・宮崎県)
犯罪被害者の人権
犯罪被害者の人権が憲法によって保障されていると伊藤先生は言われるが、現実を見ると保障されているどころか、逆に侵害されているケースが多いと思わざるを得ない。被害者のプライバシーや人権に対する世間や警察やマスコミなどの態度の多くは被害者を「守る」よりも「攻める」方である。いわゆる二次的被害、三次的被害と言われるものである。これは、司法、行政、マスコミなどの人々の意識や行動の問題である。被害者への対応が改善されつつあるとしても、難しい点があるにしても、もう少し司法や行政などによる血の通った努力に加えて、社会全体が協力しあって犯罪そのものを無くす体制作りも必要だと思う。
■伊藤塾・明日の法律家講座レポート について
上野俊一さん(63才・男性・福岡県)
憲法の急所と創造力 〜法律家の先を読む力
国民投票の「二回投票」とはデルファイ法ですね。投票結果をフィードバックして再投票する、熟慮を要する案件には有効だと思います。
振り幅の大きい最近の国政選挙を見ても、導入検討が必要かも。浮動票が雪崩にならず、本来のバランス調整機能を果たせるように。
■柴田鉄治のメディア時評 について
平和を愛するゲーム・アニメおたくさん
「加害責任への追及が『正戦論』の肯定をもたらす」という、前回紹介した名古屋市立大の別所良美教授の指摘、その実例について。
イスラエル政府高官のダニエル・シーマン氏は、今月6日に広島で原爆犠牲者を追悼した平和記念式典に対し、「ヒロシマとナガサキは日本の侵略が招いた結果で、自業自得だ。追悼式典は独り善がりでうんざりしている」「日本が追悼すべきなのは、日本の侵略や虐殺の犠牲者の中国人や韓国人らだ」と主張し、中韓のネットでは「心の声を代弁してくれた」「これはイスラエルさんが正しいです」などと好意的な意見が多数寄せられている。
とはいえ、「イスラエル自身がイランやイスラムテロ組織による『正しい核攻撃』でエルサレムが煉獄と化すことも自業自得」だという考えが、ダニエル氏や賛同者には無い。
「(米国人として)被爆者に謝罪したい」と述べ、「日本はまず中国に謝罪することから始め、米国との安保や地位協定から脱却すれば、日本は再び偉大な国になることができる」と主張した、オリバー・ストーン監督の信念を見事なまでにぶち壊す現実がここにある。
■時々お散歩日記 について
松宮 光興さん(73才・男性・神奈川県)
集団的自衛権
「ナチスに学べ」と発言した副総理を解任しないということは、失言ではなく、安倍内閣の統一見解だからでしょう。
その証拠に、国民投票の必要な改憲ではなく、「だれにも気付かれないうちに、憲法を変える」、つまり、解釈改憲をするために、小松一郎という人物を内閣法制局長官に就任させました。
それにしても、歴代の長官が「違憲」と言い続けたことを、たった一人の見解だけで「合憲」に変えられるのでしょうか。こんなことが許されるなら、もはや「法治国家」とは言えないし、世界から軽蔑される国になるでしょう。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
Tassaさん(女性・海外)
「原爆が戦争を終結させた」論はアメリカだけでない
「原爆投下は戦争を終わらせるためにやむを得なかった」と米国で教えられていることは有名だと思います。その説明が「世界の常識」なのは知っていますか。
例えばスウェーデンの歴史教科書には「原爆投下で狂信的になった日本人との戦争を終わらせた」といった短い表記が載っています。スウェーデンは第二次大戦に参加しておらず表面上では中立な立場ですが、ヒロシマ・ナガサキがアウシュビッツのようには人道に対する罪として語られることはありません。歴史は戦勝によって作られるという一例です。
同時に、なぜ世界が核兵器廃絶に踏みきれないのかという理由の一端がこの歴史観(ホロコーストは完全悪、ヒロシマは長短あり)にあります。原爆投下が戦略的には無意味で、実験を兼ねた戦後レジームを有利にするための威嚇だったことを、日本はもっと真剣に世界に訴えるべきだし、私もこれからそう言います。黙っていても人道的で公平な世界にはならないので…。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
鳴井勝敏さん(72才・男性・青森県)
新聞社に対する不信
「真意が伝わっていない」。これは、政治家が暴言を批判された時の常套句だ。最近はさらに「読解力が欠けている」「国語力が弱い」が加わった。謙虚さを見失い物事が見えなくなってしまった様だ。政治家の言葉が軽くなってしまった。だから「撤回」も早いが、「撤回」をさらに「撤回」する早さだ。
新聞各社はなぜ「真意が伝わる言語力を身に付けろ」と反論しないのか。また、安倍首相の福島駅前の街頭演説で起こった、ある女性が掲げていた「質問を記したボード」を警察が没収したという事件。報道各社がいたにも関わらず「表現の自由」という重要な人権侵害をなぜ報道しようとしないのか。
3・11以降、憲法改正、原発問題は勿論のこと、権力を監視し、批判し、改善を要求する類を新聞に投書しても全く採用されなくなった。それまでは投書のほとんどが採用されていたのだ。地方紙での話だが、新聞社の急激な変わりようは何を示唆しているのか。 新聞社に対する信頼は揺らぐばかりだ。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
たんぽぽさん
沖縄で墜落したヘリコプターの件
沖縄で落ちたヘリコプターは、部品にストロンチウムやウランが使われていた可能性があると聞きましたが本当ですか。しかも落ちた所は水源の近くだと聞きましたが本当ですか。本当なら非常に問題だと思います。オスプレイの話題でおしまいとせず、幹線道路まで1キロしかないのに事故現場に日本の消防隊が入れないことも含め、追及すべきことではないでしょうか。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
匿名希望さん
国旗はただの布。
こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、国旗はただの布。国歌はただの歌です。日本だけじゃなくてどこの国でも同じです。大切にしないといけないのは、その国に住んでいる人だったり、自然だったり、歴史や文化だったりします。
そしてそれは自国だけじゃなくて相手の国の人や自然や歴史や文化も、尊重しないといけないと思います。日本も中国も韓国も、いったん冷静になってみたらいいと思います。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
マングースさん(男性)
白い猫だろうと黒い猫だろうと
「白猫だろうと黒猫だろうと、鼠をとる猫がいい猫だ」と、かの故・鄧小平氏が言っていたが、憲法も同じである。アメリカ人が作ったものか日本人が作ったものかは関係なく、日本国民のためになる憲法がいい憲法なのである。
改憲派は現憲法を「押しつけられた」ものだというが、「押しつけ」というのは抑圧的で歓迎できないものに対して言う表現であって、明治憲法にくらべて大幅に国民の自由と権利が増した現憲法を「押しつけ」というのは当たらない。むしろアメリカからの「いいプレゼント」であったと思うべきなのである。
何も欠点が指摘できないから成立過程のところでイチャモンをつけて「改正すべし」だの「一からつくりなおすべき」だの言ってもまるで説得力がない。 なお、一部月刊誌に「憲法改正に反対する反日分子を許すな」などと書かれていたが、憲法改正(改悪)反対がなぜ反日になるのか、まるで意味不明なロジックだ。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
TY生さん(73才・男性・三重県)
解釈改憲にも国民投票を要求する
「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は、集団的自衛権行使を容認する報告書を年内に提出する。この懇談会は安倍首相の考えに近い者同士が集まった安倍首相の私的な諮問機関であり、公平性も法的な根拠はなく、従って国民的な権威はない。
内閣法制局は今まで現行憲法では集団的自衛権は行使出来ないとしてきた。この見解の一貫性から国民的権威はあった。しかし、安倍首相は内閣法制局長に集団的自衛権行使を容認する小松一郎氏を充てた。今までと違う集団的自衛権行使の容認の見解を打ち出せば整合性が取れなくなり、内閣法制局の権威は大きく失われるだろう。
安倍首相が権威のないお手盛り手段で憲法解釈を変更し実質的な改憲をする。こんなことがまかり通るならば法治国家や民主国家と言えない。私は違憲審査権を持つ裁判所に提訴するとか、国民投票を要求する請願運動をしなければならないと考える。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
向かい火さん(44才・男性・東京都)
経済学的な論理について
P・ブルデューの受売りですが、経済学の致命的な欠陥は効率性(生産性)と収益性(利潤)のみを崇拝し、人々の苦しみや痛みのコスト(うつ病、過労死、自殺、貧困、大小の暴力、公害など)、社会的費用を計算に入れてない点だと思います。
社会の幸福度や民度は効率性と収益性のみによって決定するわけではありません。経済学的な論理、つまり効率性と収益性を絶対視するような価値観が人々の暮しの隅々(社会全体)にまで覆い尽くすと、人は人を目的【尊厳を持った人間】とは見ずに、手段【道具としての人間】として見るようになります。例えば、ホームレス狩りやブラック企業の繁栄や様々な切り捨ての問題などは、そういった経済学的な論理の影響も大きいように思います。
また、米国には世界的にトップレベルの経済学者が大勢いらっしゃいますが、米国は貧困大国です。経済学を否定はしませんが、経済学的な論理に洗脳されないよう気をつけた方が良いと思います。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
森正樹さん(50才・男性・東京都)
日中戦争の歴史に学ぶ
日中戦争は日本が一方的に中国を侵略したというよりも、熱くなりやすくまた軍事強国だという奢りのあった日本が、中国の挑発に乗せられて内陸に引き摺り込まれ、勝っているつもりが泥沼に陥っていたというのが真相に近いと思います。
現在も尖閣問題で中国はレーダー照射等で挑発してきて、日本に先に手を出させようとしています。気になるのは改憲派には嫌中の人が多く、憲法を改正して中国をやっつけろという、昔の「暴支膺懲」みたいな論調が大衆向けの新聞雑誌に見受けられることです。日中戦争の歴史に学んで同じ失敗を繰り返さないためには、中国の挑発に乗らないことはアメリカを味方につけることに劣らず重要だと思います。
尖閣問題の答えがないことが護憲派の立場を苦しくしているので、日中韓台等の知識人が大挙連名で、東アジアの領土問題等を武力を用いず平和的に解決するよう声明を出すべきです。
福島第一原発の汚染水や作業員被ばくの問題、
沖縄・普天間基地へのオスプレイ追加配備、
集団的自衛権行使をめぐる政治家の発言…
一週お休みをいただいていた間にも
いろんなことがありました。
コンテンツへの感想とともに、
気になるニュースについてのご意見などもぜひお寄せください。
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