マガジン9
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みんなのこえ
vol.370
130220up
2月13日から19日に届いたご意見から■雨宮処凛がゆく! について
うまれつきおうなさん(42才・女性・兵庫県)
尊厳死法制化の動きと、その裏にあるもの
病人や老人が野山や河原に捨てられた時代に逆戻りということだろうか。昔イエズス会宣教師は「日本人は動物を殺すのは嫌がるが人殺しは平気だ」と驚いたし、捨て子を禁じたはずの<生類憐みの令>は人間より動物が大事の悪法に曲げられてしまった。
「人は基本的に信頼できる存在か」という質問に「はい」と答えた割合が最少だったのは日本人だ。どうも私の印象では<愛国>だの<公共>だの言う人間に限って「他人という日本人」が大嫌いな気がする。右の人も左の人も乙女のように、他人を嫌悪しながら空想の「白馬に乗った日本人」を追い求めるより、まず自らの他人嫌悪の文化を冷静に認めることが最初の一歩ではないかと思う。
■雨宮処凛がゆく! について
矢吹則之さん(54才・男性・兵庫県)
福祉について
私の母が病院依存症というしかないような症状になりました。大変です。私は同居していないのですが、同じ市に嫁いだ姉が毎日、母を世話するために実家に通っています。姉は、地元の市の保健を担う責任者なのですが、養護施設に入るには予約してから3年も待たなければならないというのです。
「自己責任」という言葉を安易に使うメディアは要するに、一部上場の企業のエリートだけの繁栄を願っているのでしょう。もう、それがバレバレになってしまった。昨年末の紅白で矢沢が「It's up to you」と歌っていたので、私は長年の彼のファンを止めました。さすれば、「人間は他者を踏み台にして生きていってはならない」という真実が浮かび上がるのです。なんてね。
■時々お散歩日記 について
森正樹さん(49才・男性・東京都)
集団的自衛権への反対だけで九条を守れるだろうか?
集団的自衛権への反対が護憲の最大の根拠ですが、アメリカが財政難で国防費を減らす分同盟国に応分の負担を求めるのも無理からぬところです。
中国と小規模な武力衝突はいつ起きてもおかしくないし、北朝鮮が核の小型弾頭化に成功すれば深刻な脅威になり、体制崩壊時の暴発に備えて敵基地攻撃能力を整備する必要があります。中国との小競り合いや北朝鮮の暴発は護憲派が反対している原発の事故が再発するより可能性は高いです。護憲派はもともと非武装中立を唱えていたのに、専守防衛の自衛隊は認めるようになり、今度は従来反対していた敵基地攻撃能力も認めざるを得なくなるでしょう。
孫崎氏や丹羽氏のように尖閣が係争地だと認めれば、日本の実効支配を崩したい中国に利用されます。軍事技術の発達した現在徴兵制は非現実的だし、安保破棄後も核武装は不必要だと防衛省が結論しているそうです。伝統的な護憲論だけで九条を守れるのか心もとなく感じます。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
あさつゆさん(49才・男性・千葉県)
日米同盟に関する疑問
日米同盟と政治家は言いますが、日本に核兵器の実験として原爆を投下した国と被爆国が同盟を組むことに強い違和感を感じます。
もちろん、日米同盟は日米安全保障条約のことを指し、自衛隊の海外派兵の際に国会で土井たか子氏がしきりに口に出す場面がテレビ放映されていましたが、やはりおかしい。大震災時のトモダチ作戦に米政府内で強い異論があったこと、北朝鮮のミサイルによる領空侵犯、または尖閣諸島の問題に在日米軍が動こうとしないことを考えると、極東での有事にアメリカは手を差し伸べるでしょうか。
日本のナショナリズムが仮想敵国として近隣諸国を想定している防衛構想は大きなまやかしで、さらに、日本が独立国であるというのも大きなまやかしで、現在も日本はアメリカの占領下にあるような気がします。日本の戦後は終わっていません。日米間に「同盟」は存在しない、と考えるべきではないでしょうか。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
向かい火さん(43才・男性・東京都)
「表現」と「表出」(その2)
「人間は観念によって支配されている。そして、権力を持つ者が観念をつくりだし、それを流布させるのである。これは支配階級が長い間慣れ親しんできた(支配の)秘密である」(R・H・トーニー)
「現実は不変不動ではない。変わりうる。言葉は山を動かす力を持っているのだ」(P・ブルデュー)
言論は支配・抑圧の兵器にもなるし、抵抗・解放の武器にもなります。また、自分達の言論によって自分達がよいと考えている方向とは正反対の方向に現実が動く事もあります。例えば、話がやや古くなりますが、左派が「石原慎太郎を東京都知事に選んだ東京都民はバカ」といったような表出的な主張をすると、左派に対して反感を持つ東京都民が増え、結果、反左派的な石原慎太郎氏の人気が益々高くなり、左派がよいと考えている方向とは正反対の方向に現実が動く事になります。言論で山を動かすには表現的な主張をする必要があります。
ロシアで「過去1世紀最大」の隕石が落下。
幸いにして死者は出なかったものの、
人間という存在の小ささを改めて思い知らされます。
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