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みんなのこえ
vol.269
110202up
1月26日から2月1日に届いたご意見から■Kanataのコスタリカ通信 について
衆愚代表さん(35才・男性・沖縄県)
大変興味深い、日本とコスタリカ、二つの平和憲法国家の差異
Kanataさんのコスタリカ通信は、実直な文章がとても良かったです。
さて、ご指摘された日本とコスタリカの平和主義の差異ですが、コスタリカは良く言えば尊厳に満ちていて、悪く言えば利己的。日本はよく言えば利他的で、悪く言えば自虐的・贖罪的と言うべきでしょうか?
何れにせよ、「イデオロギーや平和への考え方はいつも第二次世界大戦につながっている」という贖罪意識が無ければ、ロシアや中国、北朝鮮といった軍事大国に隣接した日本は平和憲法を維持できなかったでしょう。言い換えれば、「わたしたちはわたしたちの生きてきた歴史の上にしか生きられない」というKanataさんの率直な言葉にある通り、日本人という民族性や日本国というナショナルな存在に依存しなければ、憲法9条は存続できないのです。
ところで、あなたがもし反ナショナリズムの立場だとしたら、日本とコスタリカのどちらに永住したいですか? 私だったら断然コスタリカなのですか(笑)。
■B級記者どん・わんたろう について
クレヨン伯爵さん
白状しますが
第29回の指摘が私も当たってて、「愚民思想」は言い過ぎだけど「大衆不信」、同じか?
ニュアンスが少々違いますが、鈴木耕さんも昔「デスク日誌」でバッシング報道→厳罰化を懸念されてて、私も賛同メールしたことがある。当時はTVでタレント弁護士がある被告への憎悪を煽り、ネットは「金のため犯罪者に味方する弁護士は許せない」とかいう人たちで一杯、そういうリスクの警戒は必要と今も思います。が、現実はもう少し大丈夫かという気も最近。
さらに袴田事件や、その他数々の冤罪(らしき)事件、それらも紛れなき現実で、切実度はむしろ高いか? 冤罪のご本人にすれば、そりゃ切実。「冤罪事件専門誌」なる雑誌まで出てて、何なんだ。フロッピー改竄程度じゃもう驚きません。
完全に本末転倒ですが、現実に職業裁判官が当てにならん以上、まだ問題点いろいろあってもハカリにかけて「冤罪抑止」のプラス面だけでも裁判員制度を評価すべしの側に今は傾いてます。参りました。
■伊藤真のけんぽう手習い塾リターンズ について
エンセンさん(60才・男性・山梨県)
現存する世界最古の憲法
その世界的に貴重な憲法は、現行日本国憲法です。
なぜなら、1947年施行以来、改正も修正もされていない憲法は日本国憲法だけです。しかも、世界で最も実績をあげている憲法です。なぜなら、施行以来、一人の日本国民も、一人の外国国民も戦争の犠牲にしていません。
■雨宮処凛がゆく! について
雄猫ちゃんさん(男性・北海道)
若者ホームレス
最底辺の世界で激しい仕事の取り合いが始まってる。最底辺の人はそこから上がれない。バブルまではほとんどが生活できてたが、今の日本のシステムでは、どうしていいか私もわからない。
自分も喜んで100円ショップや家電量販店に行く自分が、此処に意見をいう立場ではない。
世界経済の基準の波の中で、日本に生まれ、日本で働き、日本で死んでいくのは難しいのでは? 一部の選ばれた人だけでなく、皆にお鉢が廻ってくるんでしょうか?
■雨宮処凛がゆく! について
佐々木聡さん(41才・男性・東京都)
若者ホームレスとパチスロ
人を人として肯定し続ける雨宮氏の発信には、毎回、勉強させられる。
紹介著作について、タイムリーに私も読後であった。貧困ビジネス、派遣業者、大企業らの、若者の人生を金稼ぎのパイとしか思わない待遇に、改めて怒りを覚えた。しかし、「やはり」と思わざるを得ない点も看過できないと思い、投稿している。
貧困層の殆どの証言から汲み取れるパチスロ体験。これもまた、貧困ビジネスとなんら変わりが無いのではないか。貧困の負のスパイラルの一要因だと決め付けるのは早計であろうか。私自身にさえ、1日に5万円勝ち、また負けた体験があるし、この金銭感覚鈍磨を見過ごしてよいのだろうか。
店員という就労の場がなくなるデメリットより、投入される兆単位の金銭が正しく流通する方が、この国の全ての貧困問題には有効なのではないだろうか。そこで、雨宮氏には、国民パチスロ依存状態にも声をあげて欲しい。切に願う。
■松本哉ののびのび大作戦 について
ドグラ☆マグラさん(27才・女性・東京都)
集団心理
フランスのファシストは、なんかマヌケみたいで良かったですね。
私はどうも、労組でも右翼でも創価学会でもスポーツやミュージシャンのファンクラブでも、集団の形を取っているものは全て信用できません。世の中には「労組に入って仲間が出来た」とか「デモで不満をぶちまけるとスッキリする」とか感動的になってる人もいるようだけど、結局は一種のマスヒステリアでしょう。そういう不満や熱狂が為政者に上手いこと利用されて、戦争とかファシズムに結び付いていくんだと思います。
国民が感情に流されてばかりいるから、政治も腐っていくのだと思います。世の中が悪いからといって無節操に騒ぐのではなく、民衆の側にこそ知性が必要ですね。
■マガ9レビュー について
かぜさん(57才・男性・鳥取県)
最後に上映された映画愛好グループの作品がこれです。
都会生活ではたまに「岩波映画」をみていたけど、故郷でも映画愛好家のグループが約15年の活動の幕を引くにあたって、最後の作品として、この「オーケストラ!」が上映されました。
その会は1ヶ月に一度映画を上映していて、私が以前鑑賞したのは、話題になった「靖国」です。その上映会後、感想を地方で活動している「九条の会」主催で語ったことがあります。
そのときに比べると、「最後」と新聞で紹介されたためか観客が4倍くらいいて、翌日の地方新聞でも、見た人の「最後の作品にふさわしかった」というコメントが紹介されていました。
わたしも感動し、最後の演奏が終わったとき、映画作品であることを忘れて拍手してしまいました。ああはずかしい?
■みんなのこえ について
森正樹さん(47才・男性・東京都)
TY生さんへ
以前ほど九条を積極的に評価できないというのが正直な気持ちだ。
二度と戦争はしたくないというのが多くの日本人の願いだが、それには日本だけ軍備を放棄して軍事的空白を作るのは方法論として最悪で、平和憲法どころか侵略を招くものだ。改憲派の言うようにいざというときは戦争も辞さない姿勢が戦争を防ぎ、事なかれ平和主義が戦争を招くのだ。
どう見ても軍隊であるものを軍隊ではないことにしているのでいろいろ無理が生じていて、例えば湾岸戦争で護憲派はアメリカを批判し、自衛隊の派遣に反対したが、非武装を唱える護憲派ほど日本有事の際は国連に頼る傾向があるから矛盾している。大半の国民は安保とセットで九条を支持しているだけで、その結果アメリカの属国化という代償を支払っている。
現行憲法のまま東アジア共同体に加われば、今度は中国の軍門に下ることになる。米軍がアジアから撤収した時、護憲派はどういう論理で九条を擁護するのだろうか。
■みんなのこえ について
多摩散人さん(64才・男性・神奈川県)
TY生さんへの反論
確かにTY生さんの言うように世論調査では護憲派が優勢である。しかし、その護憲派の大部分は「戦争放棄」ではなく「戦争不放棄」、「戦力を保持しない」ではなく「戦力を保持する」という主張をしている。
例えばTY生さんは、防衛予算ゼロ、自衛隊員ゼロ、日米安保破棄、非武装の日本を主張するのでしょうか。それでどうやって国を守るのか。護憲派の大部分は、9条は今までも破って来たし、今後も破ってもよい、だから、9条を守っていてもよいと考えているのではないか。私は改憲派だが、それなら強いて改憲する必要を感じない。9条は悪法だが、誰も守る気がないなら守っていても実害はないからだ。
アメリカとの集団自衛権の行使、武器輸出三原則の廃止も、改憲しなくてもやがて実現できる。今まで通り、9条を守りながら9条を破ればよいからだ。それでも護憲派は、9条を守っているから多少世界と日本の平和に貢献していて安心だと考えるだろう。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
今井一さん(大阪府)
憲法の議論
発売中の『AERA』が、仙谷由人氏へのインタヴュー記事を掲載。民主党の「都合」で事実上立ち上げられないまま放置されている〈憲法審査会〉について私が訊いたところ、仙谷氏は「(立ち上げるべきだと)そう思っているし、強く言うつもり」と注目すべき発言。「熟議の民主主義を実現するにはあのような場があったほうがいい。…憲法論というとすぐ9条問題とか再軍備の是非という旧来型の議論になるが、これをどこかで切り替えて日本の統治機構の在り方として議論することが必要。…党の憲法調査会を民主党はなくしてしまったが、これを復活させたい…」と言い切った。
この発言の重要性を理解できない新聞テレビは、まったく触れないが、マガ9はきちんと取り上げて議論を深める役割を果たしてください。期待しています。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
マングースさん(男性・東京都)
既得権について
最近、「既得権」を批判する論説をよくみかける。では「既得権」がすべて悪いのか。
例えばバスの中で先に乗って席に座っているのも「既得権」である。あとから来た客が「お前、その席どいて俺にゆずれ」と言ったら喧嘩になるし、それは無茶だろう。
新自由主義者は、よく「正社員の雇用保護という既得権をなくして、若者に就労チャンスを与えるべきだ」という。しかし、雇用されていることは生活の基盤であり必要条件であるからこれを「ゆずれ」というのは先の、バスで「お前、立って席を譲れ」というに等しい無茶な要求だろう。そういう要求をしてもよいのは一人で多人数分の席を占めている客に対してである。
小泉構造改革以降、企業は労働コストを下げるため多くの人を仕事から排除し、その結果、一部の者が富と仕事を独占する偏った社会が生まれたが、いまこそそれらを分配するべきである。誰かと誰かを戦わせて勝った者が幸せになれという発想はNGだ。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
KYDさん(男性)
分断統治
米軍基地移転問題に対する米国の「地元の意見を尊重する」という宣言は「米軍基地は減らさず日本に置き続ける」という本音とセットです。
「地元意思尊重」という美名のもと、基地問題はあくまでも日本政府の国内負担調整の問題だと突っぱね、沖縄と本土の分断によって不満が日本政府に行くよう画策する…良いように分断統治されているわけですね。
沖縄差別の声が上がるたび、米国の嘲笑が聞こえるような気がします。このまま国内対立が進めば基地は永遠に固定化されることでしょう。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
向かい火さん(41才・男性・東京都)
誹謗中傷について
日本のインターネット空間ではやたらに他者を見下す(バカにする、蔑視する)ような御意見が多いのですが、そういった現象の背後には、自尊心的快感・充足感・優越感を得ようとする、自己不全感や無力感や不安感や欲求不満を解消しようとする、延長された(共同)自意識にとって異質な(思い通りにならない)者(達)を否定・排除したい、といった無自覚的心理があると思います。
こういった心理はイジメや差別の根底にある心理と同じものです。
倫理的な観点は全く無視しても、例えばAさんがBさんを見下した場合、AさんはBさんに対する誹謗は正当なものであると信じていても、大概はBさんにAさんに対する反感や敵対心を、Aさんとは異なった価値観を持つ人々には不快感を抱かせるだけでAさんが得られるものは精々優越感くらいなものです。
他者を見下したいという心理は私も含めて誰にでもあると思いますが、可能な限り他者を見下さない方が良いと思います。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
めらにーさん(38才・女性・千葉県)
どうしても許せないことだらけ
許せない。許せない。許せない。
何がって若者たちがホームレス状態化していく現状が。彼らが一体どんな罪を犯したというのだ。なぜ飢えて路上生活を強いられなければならないのか。生存権という言葉が完全に消え去ってしまったみたいだ。
彼らの姿を知ろうともしない無能政治家どもが許せない。彼らが寒空で凍えている姿をあざ笑う“市民”どもが。そしてたまたま運よく屋根の下で暮らしている奴ら(私も含む)が。
なぜ現実から為政者どもは目を背けるのか。自分たちのポストと体面だけしか考えていない連中の姿はあまりにも醜い。マニフェスト一つ実行できないくせに政権にしがみつくな。この国には大勢の逼迫した人間と苦しんでいる人間がいることを忘れるな。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
TY生さん(71才・三重県)
企業減税しても雇用拡大や内需拡大は不可
2010年12月14日、菅内閣は来年度の「税制改正大綱」を閣議決定した。この大綱の中に法人税の5%減税が盛り込まれた。その夕方、菅首相と米倉日本経団連会長は次のように述べた。
菅首相 (減税分を使っての)雇用拡大や国内投資の拡大を一歩踏み込んで約束してほしい。
米倉日本経団連会長 約束することは出来ない。
帝国データバンクの企業アンケートの調査結果によれば、法人税減税の使い道のトップは「内部留保」25・6%、「借入金の返済」16・8%となっている。
中小企業の7割は赤字のため、法人税を払っていない。恩恵を受けるのは大企業ばかりです。庶民には家計を圧迫する消費増税が待ち受けており、内需は増えず景気は拡大しない。
■その他、感想、ご意見、ご要望 について
にむさん
強すぎる雇用保障が失業を増やしています
雇用を促進するためには雇用保障を弱くする必要があります。雇用保障が弱ければ企業は人を雇い易くなります。企業が恐れるのは過剰な人員や設備を抱えることです。能力や適性の不足している人材を、不明確な雇用ルールのために数十年にわたって抱え続けなくてはならないとなると、企業は採用に慎重にならざるを得ません。
日本の労働市場では雇用保障が強固なために過剰な選抜が行われており、学生の負担も大きくなっているのではないでしょうか。企業も求職者も、一度一緒に働いてみないとお互いの相性や、適性、能力が分かりません。「出口」が整備されていないために、「入口」が狭くなって、若年者や未熟練者の就労機会が減少しています。
強すぎる雇用保障は現在仕事のある人には有益でも、仕事を探している人には不利益になります。雇用保障の弱い「試用期間」を設けて、能力や実績に応じて雇用保障が徐々に強化されていく仕組みを作ってはどうでしょうか。
2月になりました。
チュニジアで、エジプトで、世界が大きく動こうとしています。
その中で、日本はどうなるのか?
「私はこの人を都知事に推薦します」企画も、
まもなく締切です!
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