マガジン9

憲法と社会問題を考えるオピニオンウェブマガジン。

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みんなのこえ

vol.258

101027up

10月20日から26日に届いたご意見から

■雨宮処凛がゆく! について

sakusakuさん(42才・男性・北海道)

『誰かが楽・得しているっぽい』

今回の雨宮さんの記事には、とても共感しました。私が普段感じていたことを、雨宮さんが論理的に分かり易く解明してくれて、すごくスッキリした気分です。特に、最後にあった「“条件反射”や“気分”がこの国の政治をグダグダにしてきた」というのには、「そうだったのか」とその要因が明らかになって、とっても腑に落ちました。
「意味のない2項対立」に「条件反射」し、それがマスコミを通じて国民全体の「気分」になっている。アジるおじさんが出てきても不思議ではありません。
労働力不足にしても、これから先、生産人口は減るわけですから、国は将来的な「この国のかたち」を示し、その方向性で教育・労働・産業が動かなければ、いずれ空中分解してしまいます。今の世の中、不安や不満を持っている人たちが多いのですから、そこにつけ込んで票を集めるのは容易ですよね。

■雨宮処凛がゆく! について

ドグラ☆マグラさん(27才・女性・東京都)

お年寄りの貧困

年寄りこそ仕事がないから、本当に悲惨ですよ。
うちの祖父母は自営業で年金を積んでおらず、貯金もろくになかったので、老人ホームに入るにも3か月分位の利用料しか払えないため、「入るんだったら3ヶ月以内に死ななきゃ」と焦ってました。夜も電気をつけないようにしたり、おしっこ3回分位ためてからトイレの水流したりして節約してました。
親戚の伯父さんは戦後の極貧時代に育ったので、貧乏な人がいると見ていられず、飯や酒をおごりまくったりしているうちに借金まみれになって一家離散し、糞尿まみれ、煙草のヤニまみれのアパートで孤独死しました。愚かな生き方ではありますが、全ての人が賢い消費者だったら、日本の経済はもっと冷え込んでいたはずです。このように、借金してでも生活を犠牲にしてでも他人に尽くしたような人がいて社会は成り立ってきたんだということを、忘れてはいけないなあと思います。

■雨宮処凛がゆく! について

天ぷら山さん(39才・男性・埼玉県)

ポピュリズムの弊害

今回の「雨宮処凛がゆく!」を読ませて頂いて、
日本に余裕が無くなり、「立ち止まって冷静に考える事」が益々出来難い世の中になってしまっていると思いました。「弱い者が更に弱い者を叩く!」みたいな風潮でますます社会がギスギスしてる感じがします!

■雨宮処凛がゆく! について

usuさん(46才・男性・千葉県)

「自分より得してそうな誰か」に、怒りが集中する。

同感です。

議員削減もそう思います。公務員と同じく、議員もヨーロッパに比べ、日本は国民比、議員の数が少ないそうです。
乱暴に言えば、社会に関する活動もしたことないし、デモにも参加したことないし、議員と話したこともないし、投票にも行かない人が「議員をへらせ、公務員を削減しろ」と言っているなら恐ろしいことです。
ますます政治が遠くなるし、自分の暮らしが困ると思う。
それと新聞の世論調査とかも、世間というのは“自分より得してそうな誰か”に、怒る、というのを知っていて(計算して)やっているようにも感じます。

■時々お散歩日記 について

森正樹さん(47才・男性・東京都)

何故僅かの差で九条を支持するか

軍事の理屈だけなら改憲派の言うように長距離攻撃力・対地攻撃力を保持するべきだし、非核三原則を崩して核持ち込みまでは認めてもおかしくない。北朝鮮への予防的先制攻撃は国際法違反でも、万が一本当に北が暴発しそうなら自衛的先制攻撃は認められる。
『世界』ですら、中国への抑止力は自衛隊・安保の堅持と、日本が中国にとって敵に回したくない魅力のある国になることだという趣旨の論文が載る時世で、改憲派は前者に、護憲派は後者に力点の違いがあるにすぎない。共産圏崩壊後左翼の言説のかなりが無効になったように、一度でも他国と武力衝突があるか、安保が解消されれば九条は簡単に改正され、護憲派の言説のかなりは無効になるだろう。九条とはそのように危うい存在なのだ。
それでも九条がある方がよいと思うのは、過大な軍備がない方が外交で問題を解決しようとする力が働き、鈴木氏の言うように振り上げた拳の落とし所を探ろうとすると思うからだ。

■時々お散歩日記 について

十文字(衆愚代表)さん(35才・男性・沖縄県)

「憲法と社会問題を考える」人々は、先週の鈴木耕氏のコラムのように、金子秀敏編集委員の評論に感心してよいのだろうか?

『木語:どこが外交敗北だ』の全文(http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/
20101014ddm003070115000c.html)を読むと理解できる事だが、「外交の本質は、対外関係に関する高度な政治判断であり、政府の統治行為である。」という金子秀敏氏の主張を簡潔に言えば、『統治行為是認論』である。

最近の民主党政権の外交政策を『統治行為』という視点で見れば、対中外交も対米外交も「敗北」ではない。
つまり中国には廊下懇談等を通じ、戦略的互恵関係を強調し危機回避外交を展開する一方、日米の摩擦となった諸問題を一気に解決し、日米関係の緊密化を示し、緊張状態の継続は親米保守路線を加速させる事を暗示して見せた訳である。
また、統治行為が有力な状態は、普天間問題にも反映される。たとえ普天間基地が閉鎖されたとしても、日本は対外関係に関する高度な政治判断により、必ず米国を満足させる対米外交を展開する筈である。

それで良いのだろうか?

■時々お散歩日記 について

kurotoriさん(40才・男性・兵庫県)

平和を守る為の覚悟

今回の尖閣の問題に関しては船長を起訴し、裁判を行い、判決結果に従い対応するべきでした。中国が文句を言っても「日本の領土内の問題である」と押し切ればいいのです。もし、中国が軍事行動に出ようとした場合は、軍事衝突を恐れず、毅然とした対応を取らなければいけないのです。
「いかに相手が理不尽とはいえ、武力衝突は“絶対に”避けなければいけません」と書いていますが、そんな態度を日本が取れば日本の領土、資源、権益は他国に奪い取られます。軍事力は外交の道具の1つなのです。外交を行うのに軍事力を否定するという事は「グー」を使わずにジャンケンをするのと同じで絶対に負けます。負ければ領土、資源、権益を失うだけではなく、ゆくゆくは今の平和な暮らしすら奪われかねないのです。
だれだって平和がいいのです。ただ、口先だけでは平和は守る事は出来ません。平和を守るためには「覚悟」が必要となる事を考えて頂きたいものです。

■今週のマガジン9 について

Lさん

額の大小が問題じゃないについて 発想が新自由主義的でびっくり

経営が左前になったら、経営者・株主が責任を取るのが当然じゃないの。日本では社員は逆らえないから「敗戦責任」を問われてはたまらない。それに、TBS労組はちゃんとストを打って賃金を決めている。無関係者が経営者目線で下請けをダシに「額の大小ではない」「高すぎる」なんていうのは余りに醜悪。

本当にムダはないのか、「当たり前のこと」を切に思います。
デフレ下で、しかも国家予算規模が過小な中で、誰が何を無駄と決めるのかをまじめに考えれば、この発想は弱者虐殺、自殺が10万人に増えちゃいますよ。金持・大企業増税で『奴等』に責任取らせないと。

『「自分より得してそうな誰か」に、怒りが集中する。
実はこれって、労働問題にとどまらない、
いろんな場面にいえることなのでは? 
本当に批判すべき/されるべき対象は何か?
冷静に考え』て。そんな「当たり前のこと」を切に思います。

■みんなのこえ について

TY生さん(70才・男性・三重県)

日中関係の現実に向き合うとは

「みんなのこえ」に《今回の尖閣問題、護憲派の方々の言説は「中国は過渡期」「今回は軍事行動とはいえない」から「冷静に冷静に」といったあたりで、現実に向き合う努力を放棄しているように聞こえます》という意見があった。
現実に向き合うということは国益と不可欠な経済関係を直視すること。今年上半期の日中貿易額は前年同期より34.5%増え、2008年下半期以来3半期ぶりに半期での過去最高を更新。日本からの輸出は47.1%増えている。庶民の購買力が拡大出来ない日本にとっては貿易輸出は重要だ。
また《その根底には全共闘世代に未だ残る「中国幻想」があるのでしょうね》という意見もあったが、文化大革命で中国国内が大混乱している時期(1960年後半〜1970年代後半)と全共闘運動の1965年〜1972年は重なっており「中国幻想」は持ちようがない。安保の守備範囲は今や地球規模で、尖閣列島が入っているから安心どころかむしろこの「地球規模」に警戒だ。

■その他、感想、ご意見、ご要望 について

マングースさん(男性)

現在の労働環境の改善のために

派遣労働を規制して労働者保護を図ると企業は人を雇おうとしないから却って失業者が増えるので、むしろ正規労働者の雇用保護を削減して非正規労働者を雇える環境をつくるべきだとする意見がある。
それは経営者の側にとっては、雇った労働者に不満な時はいつでも他と交換できて好都合であるが、労働者はそういった「商品」とは違う生身の人間である。今より更に悪い労働環境にして、全員を単に雇用が「ないよりはまし」の状況に追い込んでいくというのでは現状の改善になるまい。 
労働者には当然の権利を与えたうえ、失業者は国家で救済する(仕事を与える)。その財源は、国民の余裕のある側の者皆が幾分かの負担をすることで乗り切るべきだ。それも現在の不当に偏った格差社会の是正を兼ねて、上位の層ほど多くを税金還元してもらうシステムとする。それを嫌って日本から逃げ出したり財産を外国に移すような者は「国家侮辱罪」を新設して罪に問うのだ。

■その他、感想、ご意見、ご要望 について

にむさん

非正社員の正社員化。広島電鉄の場合

広島市内などで路面電車や路線バスを運行している広島電鉄という会社は、労組の主導で契約社員の正社員化を行いました。その方法は、正社員の賃金水準を下げて非正社員の賃金水準を改善するというものです(同時に定年の延長でベテラン社員の生涯賃金水準を維持しています)。
今までの日本における正社員の待遇は、経済と人口の高度成長を前提としたものだったのではないでしょうか。低成長と人口減少のなかで、正社員の待遇を従来の水準と形で維持しようとすれば非正社員の比率を増やすしかありません。広島電鉄の労組が採用した方法は問題の核心をついていると思います。

日本人の生涯所得に影響を与える最も大きな要因は、新卒時の景気という指摘もあります。正社員の賃金水準を下げることで正社員の採用枠が増えれば、雇用形態間の格差と世代間の格差を同時に縮小することができるのではないでしょうか。
広島電鉄の方式が日本中に広まってほしいと思います。

先週の「マガ9学校」にご来場いただいたみなさま、
ありがとうございました!
ご意見・ご感想も、まだまだお待ちしております。

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