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2013-07-10up

2013参院選を前に~今、私が言いたいこと~

今、私が言いたいこと
山根 泉

 改憲を考えるとき、まず、今の憲法の成立について考えてみたい。「太平洋戦争(大東亜戦争)の敗戦により、GHQに押し付けられた憲法である。」という議論があり、「無効」との意見もあるが、無効であれば、日本国民の意思で廃止なり改憲が可能であったことを考えると、改憲等を行わなかった以上、有効であるとの立場をとりたい。
 そして、当時の米国が、日本に再び軍隊を保持させないことを目的に、第9条を作成したこともその大きな目的であったと思う。と同時に、戦力の不保持だけを押し付けると、国際的に日本支配(植民地化)の批判を避けられないため、戦争に疲弊した世界に向け、「これが近未来の理想の憲法だ」と、世界にアピールするため、当時の現実を無視し、考えられるだけの民主主義における理想をそこにちりばめたものが「日本国憲法」として成立したと考えている。 
 その後、冷戦や朝鮮戦争で日本軍を先兵に使いたい米国が、警察予備隊を発足させ、憲法第9条と自衛隊の存在というダブルスタンダード状態の日本にした。 一方、日本国民は、自己防衛の自衛隊は認めても、イラク戦争までは海外派兵に反対し、自衛隊は、災害派遣等の活躍でその存在意義を国民に認められ、今日に至っている。
 いま、戦後60年以上を経て、日本国憲法が時代に合わないというのは、時代遅れになったのではなく、軍備を持たなければ国家は成立せず、宣戦布告するような戦争はほとんどないとしても、軍事衝突は頻繁に起こり、国際的な発言力は軍事力(核兵器)を背景にしているという、第2次大戦前と変わらない世界情勢が相変わらず続いており、日本国憲法に世界が取り残された状況が続いているためだと思っている。世界を日本国憲法に近づける必要がある。    
 こうして考えると、自民党が、「普通の国になる=軍隊を保有する」との発想で改憲を進めていることは進歩ではなく後退であるし、「国家権力を縛る憲法」に、「国家権力が望む国民の義務を明記する」ということは、憲法の考え方からしておかしい。退化も甚だしい。
 改憲をするのであれば、私たちが理想とする国家像が必要だし、その国家像に向けて国家が行うべきこと、行ってはならないことをきちんと議論し、条文として築き上げてゆく地道な作業が必要だと考えている。当然、憲法の役割を理解してからの議論ではあるが。その意味では、学校教育や社会教育でも「憲法」というものを議論する必要がある。
 戦後60年以上も戦争を行ってこなかった日本は、私も含めて戦争というものを肌で感じていない。そのことは、戦争の悲惨さを理屈抜きで継承できる人が日本からいなくなっているということで、幸せであると同時に、前線に立つことのない権力者が、ある国が攻めてくるから軍隊が必要だと煽っても非難されない。そのとおりだと支持される。 
 それを私たちが許してはいけない。攻めてくるという「ある国」に対し、政治家・官僚を派遣し、交渉させ、友好関係を築き、平和条約を結び、経済関係の交流を活発化させ、友好国にする努力をさせなければいけない。そのために彼らが存在する。戦争を指揮させるために国会議員を選んだのではない。私たちを戦争に巻き込まないことが彼らの仕事だ。
 戦争を始めて、私たちの子や孫に人殺しをさせてはいけない、子や孫の命を紛争解決の手段として利用させてはいけない。

 さらに問題なのは、現在の国会議員が選出された選挙が違憲であるとの判決が下されたことである。一票の格差が違憲であるなら、国会議員は憲法違反の存在である。憲法違反の国会議員が憲法改正を行うことは二重に憲法違反である。     
 このことから考えると、憲法改正の前に国会議員を選出する選挙法を改正しなければならない。                            
 現在行われている小選挙区制の下では、どんな区割りを行っても、一票の格差は発生する。そうであれば、衆議院議員は、日本全体で選出する大選挙区制で、定数とこれ以下の得票数では定数内でも落選とする最低得票数を定め、何百人かの立候補者の中から選出すればいい。幸い、インターネットでの選挙活動も認められたことであるから、全国に向かって立候補の広報は可能だ。現実的には、出身地なりのゆかりのある地域での選挙活動が主体になるであろうし、政党の党首などは、全国遊説し、全国から票を集めればいい。
 具体的な選挙区の定数は、有権者50万人に1名とし、最低得票数は、50万×30%×50%=75,000票とすればいい。              
 さらに、比例代表(政党名で投票)の定数を、全国で100名とし、同様に最低得票数を設定し、少数政党の意見反映を可能とし、当選させたくない候補に対しては、マイナス投票となる1票を加えて、3票の投票用紙があると理想だ。出身地で人気があっても、公約と真逆の増税を解散もせず行う、TPPに反対の公約を掲げながら、国を売り渡すようなTPPに参加する、といった某国首相のような人に国会議員になってほしくない。
 ただし、マイナス投票があると、集計は大変で、当落の確定が最終集計まで不明になる可能性がある。
 参議院議員は、1票の格差の問題はあるが、都道府県単位で2名を選出し、地域代表として考える。東京都や北海道は2名で良いかとの議論があるだろうが、単純な人口割でなく、過疎なり都会なり、それぞれの地域での問題を国会議員で共通認識を持ち、問題解決に進むには、数に力に頼らない議論が必要だと考える。   
 また、最低投票率を定め、例えば、30%以上の投票率に届かなければ、該当の選挙区(都道府県)の当選者は無しとし、欠員とする。どんなに低い投票率であっても、誰かが当選するシステムには問題があると考える。       
 したがって、47都道府県×2名×2回(3年に1回の選挙、6年の任期)とするならば、188名の議員定数となる。これが問題なら、衆議院議員と同様の選挙方法とする解決案しか持ち合わせていないが。                
 なお、比例代表の当選者は、当選時の所属政党を離党する場合は、議員も資格喪失となる規則が必要であろう。さらに、国会議員の定年を、75歳後の任期満了をもって定年とし、活性化を図ってはどうだろうか。 

 当然ではあるが、議員特権や政党助成金は見直す必要があると考えている。特に第二報酬となる文書通信交通滞在費は、現金支給ではなく、議員一人当たりの年間支出上限を定め、身分証明書を兼ねたカードを作成し、国庫からのカード決済とし、現金の持ち出し分に関しては、必ず領収書を添付した報告書の提出を義務付けるべきと考える。これで、会計は透明になり、税金の不正使用防止につながると考える。

 最後に、税金の全体像をわかりやすくすべきだ。いつも一般会計についての議論が主流となるが、特別会計も含めて税収は全体でどれほどあり、特別会計にどのように配分されているのかを明らかにし、議論しなければならない。透明性を高めるために、税収はすべて一般会計に組み込み、その後に議論を尽くし、特別会計へ振り分ける作業をすべきだ。
 例えば、ODAや国際機関に何兆円も支出する一方で、消費税を増税し、生活保護は制度活用を規制し、福祉予算を縮小させるというのが現状だ。目の前の同胞を救わず、なぜ巨額の大盤振る舞いをしなければならないのか。何の説明もない。税金の具体的な使途を明らかにし、正しく使われているかをチェックする新しいシステムが必要だ。

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