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6月17日(土)
世界各国サポータウオッチもまた楽しい
(シュツットガルト発)
オランダのサポーター。 とにかく騒ぐ騒ぐ、オレンジ軍団。
ドイツの各都市は、いろんな人種がいます。今は世界中からサッカーサポーターが押し寄せるワールドカップ開催中ですから、いろんな顔だち、いろんな肌の色の人がいるのは当然ですが、観光客とは別に町のあちこちで、タクシーで、ホテルで、駅で、いろんな装いのいろんな文化を背負った人たちが自然に暮らしています。
もちろん私たちは単なる旅行者ですから、彼らがこの社会の中で、どんな待遇にあり、権利が認められているのか、差別があるのかどうかはわかりません。それでも、ソマリア人のネットカフェの店員に「日本はおしかった。でもサッカーなんてそんなものさ」となぐさめられたり、トラムの隣の席にイスラムのいでたち(すごく蒸し暑いのに、髪を隠して、身体の線がでないようにコートをきてました)の少女が座ったり、そんな風景が日常なのです。日本もこんなふうになるほうが、自然の流れなのではないかと思ったりしました。
さて、3回目はサポーターの話。シュツットガルトでオランダ人サポーターに遭遇しました。ともかくすごいんですよ。騒ぎ方が。私たちはオランダ対コートジボワールを見に行ったのですが、前日からそこかしこで大騒ぎ。歌は歌うは、旗は振るわ、早朝から深夜まで、町中がオレンジだらけ(オランダのチームカラーはオレンジなんです)。大男たちがいろんな扮装をしたり、オランダのビールメーカーがオリジナルの帽子(メガホンにもなる。でも自社のネームは一切なし)を誰かれかまわず、バンバン配ったり。本当にサッカーを楽しむ姿勢が満ち溢れています。勝利のあとも、大騒ぎ。少々はめをはずそうが、ドイツの人たちは、寛容です。「それがサッカーを応援するということさ」とでも言いたげです。
対するコートジボワールも数は少ないながら、フレンドリーさはピカイチ。オランダ人の集まりに近づいていっては、にこにこ握手を求め記念撮影をしています。敵も味方も関係ありません。誰もが楽しそうです。
オランダ対コートジボワール戦ですが、大応援団に後押しされて、オランダが2対1で、からくも逃げ切りました。スタンドには、コートジボワールを応援するドイツ人もけっこういました。強い国を困らせる新人に、ドイツの人たちはやさしいです。いや、早いうちにライバルを蹴落としたいだけかな。
日本の第2戦の前日、今さっき、ニュールンベルクの町で出会った日本人たち。もちろん、どっちがいいとは言い切れないのですが、なんかなあ、ちょっと暗い感じなんです。騒いだりしてはいけないと思っているようです。それから、日本人同士が避けている感じ。同じお店で会っても、みんな知らん顔。どうしてかなあ。ここまで来たんじゃないか、挨拶くらいかわしませんか? 一緒に歌おうよ! あれ、日本のサポーターの歌って何? もっとみんなに知られている歌がほしい! 他の国は替え歌がいっぱいあるようです。日本人ってまだ応援なれしてないのかなあ、と自分も含めて思います。
日本戦になると、サムライ・ブルーのユニフォームを着たドイツ人を見かける。「ありがとう!」と手を振ると、カタコトの日本語で「ガンバッテ!」と答えてくれる日本語学習者が多い。クロアチア戦の川口のPKセーブには大きな拍手とともに、近くにいたおじさんに「ナイスセーブ!」と声をかけてもらった。いいプレーに国境はない。(c)(nao tomita)
一方で、他国のTシャツやユニフォームを着た日本人にもよく出会います。地元ドイツ人は、大人気のブラジルのTシャツを着ていたり、その都市で試合がある国のサポーターを歓迎する意味でお店の人が自国以外のユニフォームを着ていることはあります。
だけど、イタリア、フランス、イングランド・・よく着ていますよ、日本人はこの3カ国を。そういったこだわりのなさで、日本人は国際調整役にむいているのかもしれませんね。好きな国は好き、と臆面もなく表現できるのですから(こじつけ?)。でも、アフリカやアジアの国のものは、あんまり着ないですよね。だめかな。
午後3時、6時、9時の全試合がテレビ中継されているドイツ。どこの町に行っても、テレビの前で、ビールとソーセージ。あちこちで歓声があがります。アメリカ対イタリアの試合をビール飲みながら見ているとき、隣のおじさんに「どっちを応援しているの?」と聞いたら、「私はドイツ人だ」と言われました。苦笑。
「日本の次の試合はいつだ?」「ジーコはいい選手だったけどね・・」「タカハラ、ナカタ、ナカムラ」いろんなことを話しかけられながら、今はニュールンベルグで、明日を待っています。 |
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