|
6月11日(日)
カイザースラウテルンの悲劇
(シュツットガルト発)
オーストラリア戦で。俊輔の左足から初得点が生まれた。
これから何回かにわたって、ドイツよりW杯観戦記をお送りします。パソコンを持ち込んだものの、思ったよりもホテルのネット環境がよくなく、タイムリーに遅れるかどうか・・・ですが。いくつか感じたこと、見たことレポートいたしますね。
さて今日は、カイザースラウテルンの惨敗を、見てまいりました。何せ、暑かったんです。日差しが強いのなんの、日本人選手、後半は、ばててるなあという感じでした。けがをしている選手も多かったのではないでしょうかね、動きがイマイチでしたよ。さて試合の内容については、皆さんもテレビ中継をご覧になっているでしょうから、『マガジン9条』的なリポートをしなくてはなりません。これは、むずかしい。だって、サッカーを見に来ているのですから。
でも、感じたことをひとつ、ふたつ。試合の前日、カイザーの町にはオーストラリアサポーターが大挙して押し寄せ、日本のサポーターはまばら。もうすでにサポーターの勢いで負けていました。つくづく思うのは、サッカーは本当に国威発揚、愛国主義の危うさと紙一重だなあということです。オージーたちも、国旗を背負い、チームカラーの黄色のユニフォームを着て、町のあちこちで「カモン!オージー」と叫んでいます。カンガルーの人形を振りかざしたりもしています。ナチスが国威発揚にサッカーを利用したというテレビのレポートをみたことがありますが、さもありなんです。
当日になると、日本人サポーターも増え始め、やはり日の丸を身体にまきつけたり、顔にペインティングをしています。中には侍の格好をした人や浴衣姿の人も。競技場ともなれば、旭日旗まで見られます。(でもね、日本のサポーターの平均年齢はかなり高かったです。おじさん、おばさんばっかりでした)
私はサッカーを見るのが好きです。一瞬の攻防で展開するスピーディさ。そして、浦和レッズの例をあげるまでもなく、みんなで連帯して応援する楽しさ。まったく知らない人ともチームの話でもりあがれるのは(サッカーだけではありませんが)、スポーツファンの醍醐味です。特にサッカーはなぜか老若男女、みんな語る、語る!それが楽しいですよね。
ワールドカップが国の代表であるかぎり、そのシンボルや文化を象徴するもので、自国の代表を応援するのは自然な感情でしょう。だからこそ、ちょっと悲しいのです。旭日旗の意味も知らずに振り回したり、国歌斉唱のときも「がんばろうぜ」と素直に思える歌ではない。もっと心から、日本を誇れる歌や旗があってもいいのにな、と思います。だって、ドイツでハーケンクロイツの旗を振り回したら、どんなことになるでしょう。考えてみてください。第1戦、競技場で日本を紹介するVTRでは、どーんと富士山が映ります。富士山マークとかいいかもしれませんね。
ワールドカップのいいところは、いろんな人と触れ合えることです。前のシートには、ブラジリアンらしきおじさんが二人、アレックスがボールをもつと、「行け!」と叫び、俊輔が得点すると、私たちとハイタッチ。試合後、地元のドイツ人も「残念だったね」と言いたげに、ジェスチャーで表現してくれます。もちろん、蹴散らしてくれたオージーたちも「ソーリー」とか言ってきたり。
面白かったのは、日本人のおじさんに、試合直後になぜか握手を求められたのです。全然知らない人なのに・・?! なんか、「お疲れ様」という感じでした。日本人ぽいなあと思ったものです。オージーはそこかしこで抱き合い、奇声を発したりして、身体中で喜びを表しているのですが・・。お疲れ、遠くまできて、みんながんばったよね・・・そんな握手でした。
カイザーの町中の公園でビールを一杯。敗戦分析をしているときです。ユニフォーム姿のいかにもサポーターの私たちに、写真を一緒にとりたいと近づいてきたかわいい女の子がいました。話をすると、マケドニアからドイツに来ている留学生でした。
「かわいい町ね」とほめたら、「小さくで退屈なの。カイザーの町の近くには、米軍基地があってね、アメリカ人が多いのよ」・・と教えてくれました。『マガジン9条』のシールをあげて、私は9条について説明したのですが、「う〜ん、英語のサイトじゃなくちゃ、読めないわ」と言われてしまいました。やっぱり、サイトの英語化を考えたほうがいいみたいです。でもきっちり、アピールしましたよ〜。
さ、今日はこれから、韓国を応援してきます。アジアのチームが、イランも負けたし、韓国にがんばってもらわないと、アジア枠が減っちゃうよ〜〜。
マケドニアからの留学生とマガ9シール
|
|
|