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2010-08-11up
松本哉ののびのび大作戦
第29回:なんとかフェスがまたやってくる!
やいやい、こんちくしょー、このやろー!!
最近は相当この連載をサボっていたが、ついに連載が終わったかとホッとしているボッタクリ金持ち階級の諸君、残念ながらそうは行かない。最近やっと時間ができてきたので、また再開してしまおう。
ってことで、早速、いま進行している史上最大の祭りを紹介してみよう!
昨年、突如開催された謎のイベント=「なんとかフェス2009」! 長野のリサイクルショップとたまたま知り合ったことに端を発し、なんだかよくわからないうちにイベント開催が決定し、その勢いで祭りは開催された。いやいや~、いい祭りだったね。っと思ってるのも束の間。今年の春ごろから急速に「当然、今年もやるんでしょ?」という声が急浮上し、そのまま開催が決定してしまった!!!
巷では、相変わらず野外音楽イベントなどの夏フェスブームは続いており、この夏もいたるところでイベントは開催されている。ところが、大きいイベントなどはやたらと商業化しているものばかりで、街で消費するのと何ら変わらないようなイベントが多い。
街にはびこる金もうけのボッタクリ連中は、低賃金で職場でコキ使い、街でも金を吸い上げる罠ばかり作ってる上に、今度は我々貧乏人の最後の砦である遊びの領域にまで、金もうけが進出してきている。う~ん、こいつはけしからん!!!
ていうことで、こうなったら自力で遊んでしまうしかないっていうのが、大バカイベント「なんとかフェス」! 去年は東京や関西、北陸などから100名ほどが参加し、ライブやDJ、映像やトーク、各種出店などもでて、なかなか盛り上がった。ところが、今年は去年の祭り情報を聞きつけた連中が続々と参加を表明するなど、もっと賑わいそうな気配が漂っている! なんだなんだ、どうなってるんだ!?
夏が近づいてくると、どいつもこいつも「なんとかフェス、なんとかフェス」と騒ぎ出し、やたらとテンションが上がって、準備も急ピッチに進められ始めた! 去年も事前に2回ほど東京や関西から現地入りして草を刈ったりステージを作ったりしたが、今年もすでに4回も現地入りして、今週末にも最後の調整に5回目の現地作戦が計画されている。おかげで、現地の会場整備も相当進み、荒れ果てた山もだいぶきれいになってきた。
去年は第一回目だったので、完全に謎のイベントということだった。山の中なので、キャンプ場ですらなく、不用意に参加者が集まってトラブルがあったらいけないので、「水もないし食料も自炊しなきゃいけないし、宿泊もテント張ってキャンプで。マムシにも注意」のようなことを事前に行って少しハードルを高めにしていた。おかげでみんな必要以上にビビりはじめ「本当に何もないらしい」「野グソしなきゃいけない」「風呂は川で」「クマとの戦いもありうる」「餓死の危険もあり」などと、妙な噂が立ち始め、サバイバル力に自信のない人たちは参加を控えたりしていた。ところが!! それが実際には仮設トイレもあるし、共同で食事も作ったりもするし、最終手段には30分ほど山を下れば国道に店もあったりして、どうも意外に快適だということが判明し、今年は参加希望者が続出。
今年の開拓により、新エリアを発見! この岩山の下に第2ステージを建設予定!!
そしてさらに、今年は「なんだか面白いことになってるらしい」っていうことで、全国各地からも参加表明が続々と相次いでいる!! 東京や関西も噂を聞きつけたいろんな人が「遊びに行くよ~」と言い出していて、去年よりもだいぶ幅広い連中が長野に向かうらしい。広島からは、行友ブラザーズという市内の大マヌケなレコード屋をやってる奴らや、フードジョッキーと称してあらゆる食べ物を作りまくる東琢磨氏(音楽評論家)がやってくる。仙台からもバンドやら謎のスペースづくりをやらかしている大アホ若手勢力も登場! 沖縄からも勝手な物を作ったり勝手な店を開きまくったりっして、生き方全体でパンクを体現する総合パンク集団=チャンネルシックスが駆けつけるとのこと!! さらには、北陸やら四国なんかからも集まってくるし、すごいことになってきている!
街は窮屈になってくるわ、貧富の差は拡大するわで、やたらとせせこましくなってきているなか、ここ数年で急速に勝手なスペースを作っている連中が急増している。当然、そういう生き方をしている連中からすればそれは、まさに遊んでるだけ(素人の乱もそうだが)!! ところが、この勝手に遊んでいるということ自体が、この窮屈社会への最大の抵抗になってるところがまたいい感じだ。この連載でもたびたび紹介しているが、そんなとんでもない奴らが一挙に集まってくる祭のような感じになってきた。まさに勝手な奴らのフェスティバルだ!!
さらには、そんな各地に勃発しまくっている謎のエリアの人々によるトークショーなんかも開催がもくろまれたりもしている。こんな、各地の連中が結託しようもんなら、世の中相当面白いことになってしまうぞ!!
っていうことで、今年のなんとかフェスは、ちょっと目も離せなくなってきた!
夜は焚火をしてキャンプ! 準備中にもかかわらず、早くも遊び始める!!
・8月14日(土)
第5次長野準備作戦
なんとかフェス準備!!!
なんとかフェス2010
8月19日(木) 準備日
8月20日(金) 第1日目
8月21日(土) 第2日目
8月22日(日) 第3日目
8月23日(月) 片付け
詳細はなんとかフェス公式ブログを!
http://nantokafes.blogspot.com/
松本哉ブログにも詳細あり
http://ameblo.jp/tsukiji14/
・8月30日(月)
杉並区長集会
Asagaya LOFT/A OPEN18:30/START19:30
前売り¥1,500/当日¥1,600(共に飲食代別)
→詳細はこちら
※「区長就任記念」となってるけど、今のところ応援する気はさらさらない。
*
2ヶ月間の沈黙をやぶっての松本さんのコラムは、
2010年「なんとかフェス」の告知でした!
「自分たちの遊び場所は、自由に自分たちで作る」というシンプルな
欲望が、かなえられなくなっている昨今。
「なんとかフェス」の魅力には、全国だけでなく全世界から注目が
集まっています。これは行くしかないね!
松本哉さんプロフィール
まつもと・はじめ「素人の乱」5号店店主。1974年東京生まれ。1994年に法政大学入学後、「法政の貧乏くささを守る会」を結成し、学費値上げやキャンパス再開発への反対運動として、キャンパスの一角にコタツを出しての「鍋集会」などのパフォーマンスを展開。2005年、東京・高円寺にリサイクルショップ「素人の乱」をオープン。「おれの自転車を返せデモ」「PSE法反対デモ」「家賃をタダにしろデモ」などの運動を展開してきた。2007年には杉並区議選に出馬した。著書に『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)、『貧乏人大反乱』(アスペクト)、編著に『素人の乱』(河出書房新社)。「素人の乱」公式ホームページ
「松本哉ののびのび大作戦」
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- 2010-12-22日本で韓国で「のびのび大作戦」
【この人に聞きたい】
松本哉さんに聞いた
- 2008-01-09その1:路上を僕らの解放区に!
- 2008-01-16その2:消費するだけの街から文化は生まれない