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松本哉ののびのび大作戦:バックナンバーへ

松本哉ののびのび大作戦

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これまで「高円寺一揆」や、「クリスマス粉砕デモ」など、
数々の脱力系にして最強の「運動」を繰り広げてきたカリスマ店主、松本哉のコラム連載です。
高円寺から世界へ「のびのび大作戦」、日本のみならず世界各地でも増殖中!
翻訳ツールもつけました。

まつもと・はじめ 「素人の乱」5号店店主。1974年東京生まれ。1994年に法政大学入学後、「法政の貧乏くささを守る会」を結成し、学費値上げやキャンパス再開発への反対運動として、キャンパスの一角にコタツを出しての「鍋集会」などのパフォーマンスを展開。2005年、東京・高円寺にリサイクルショップ「素人の乱」をオープン。「おれの自転車を返せデモ」「PSE法反対デモ」「家賃をタダにしろデモ」などの運動を展開してきた。2007年には杉並区議選に出馬した。著書に『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)、『貧乏人大反乱』(アスペクト)、編著に『素人の乱』(河出書房新社)。「素人の乱」公式ホームページ

『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)

※アマゾンにリンクしてます。

第24回:インターネットラジオ「素人の乱」

 高円寺で「素人の乱」という名の店舗がたくさんあったり、数々のデモや騒動が巻き起こったりしているのは、この連載を読んでいる人はすでに知っていると思う。ところが! 実は、その素人の乱の元祖はインターネットラジオから始まったのだ。ってことで、今回はネットラジオ『素人の乱』の紹介!!

 じつはこのネットラジオ、小笠原慶太という奴が始めた番組で、初の店舗である「素人の乱1号店」がオープンする1ヵ月前、2005年4月にスタートしている。最初の1カ月は、その小笠原慶太が週7日、つまり毎日パーソナリティを務めて、毎晩毎晩くだらない話題を話し続けた! この執念はすごい。まさにヒマ人の鑑だ! しかも! 何を隠そう、この小笠原慶太は、いま素人の乱の店舗群がある高円寺北中通りのふとん屋に生まれ育った。当初は、「ふとん屋の穀潰しがなんだかよくわからないことをやってる」レベルだったんだが、いろんな偶然が重なり、まんまとその商店街でショップ素人の乱がオープンしてしまった。
 こうなってくると、もはや迂闊にやめるわけにもいかず、拍車がかかる一方。店が開いたので今度はその1号店の店内に公開ラジオスタジオを設置。そのころから、曜日ごとにいろんな人が担当して放送するようになった。それがなぜかそのまま続き、なんと今日に至るまで5年間も続けてしまっている! ちなみに、自分は木曜日に「貧乏人大反乱放送」という番組を担当している。まあ、すっぽかしたり、遅れたり延長したりと、無茶苦茶な放送なんだが、まあなんとか続けてきた。
 と、そんな時! 月曜日の放送を担当する素人の乱・シランプリ(古着屋)店主の山下陽光が「どうやら、最近は簡単にネットテレビが出来るらしい! 松っちゃん、こりゃ大変だよ!!」と、おじいさんみたいなことを言い始め、ネットラジオが5年目にしてネットテレビに切り替わることになった! 

 で、今月(2010年3月)からテレビ放送を開始しているのだが、せっかくテレビっていうことで、テレビ化してから第2回目放送の18日には、高円寺駅前に繰り出してみた!
 高円寺駅の北口には、以前はバスのロータリーがあったんだが、半年ほど前に商店街の人の提案もあって、だだっ広い多目的広場に変わった。ここがまた意外によくて、昼はサラリーマンが外回り中にサボってたばこを吸ってたり昼寝してたりするし、夜になると貧乏な若い連中がウロウロし始め、楽器を弾いてたり、スケボーやってたり。で、そんな連中が酒を飲みながら仲良くなったりと、近年まれにみるような、本当の意味での“広場”の役割を果たしていたりする、いい空間だ。
 せっかくなので、そこから放送してみようってことになり、春とはいえまだまだ寒いので、伝家の宝刀=こたつを広場に設置。とりあえず、いつものように放送を開始した!! いや~、やはり屋外でこたつを囲むのはいいね、意味がわからなくて。そして、せっかくの駅前広場なので音楽は生演奏。おお、これは気持ちがいいぞ。さらには、駅前ラジオをやっているとの噂を聞きつけた連中が、自分らで作った大量の寿司を持って登場! これはすごい! で、なんだかんだと賑わってきて、無事ラジオ(テレビ)も終わったところ…、妙な連中がやってきた! 杉並区の公園課に雇われたバイトのオッサンらしく、「ここで飲み会はダメ。寿司もダメ」だって。なんだそりゃ。「まあまあ、いいじゃないですか、法律に触れてるわけでもないし。一緒に飲みましょうよ~」などと誘ってみても、「ダメなものはダメ」とか「そのうち法に触れることになるかもしれないからここで飲み会はやっちゃダメ」などと、よくわからないことを言い出してしぶとい。まったく、また始まった。法律もへったくれもあったもんじゃない。ってことで、あまり適当なことを言われるとさすがにこっちも頭にくるので、軽く揉める。
 …ところが、さすが雇われ警備員! 一応、言うだけ言って任務を果たしたのか、だんだん雑談モードになってきて、「いや、出身はどこどこでね~」「よく飲みに行ってるよ」などと馴染んできて、夜の勤務終了の時間がきた瞬間に「よし、仕事終わり」とばかりに帰って行った。ありゃ、やっぱりお役所仕事だった!
 で、代わって登場したのは、駅前交番のおまわり。ところが、これまた区役所に輪をかけたようなマヌケ署の杉並警察署なので、とてもユルい。まず、おじいさん警官が来て「ま、飲んでるぐらいはいいけどね」と言い、遠くから孫でも見るように暖かく見守っている。そこから先は、その辺の人が寄って飲んで行ったり、ひたすら飲み会が深夜4時ごろまで続いた。
 余談だが、このとき酔っ払いすぎたため、あろうことかコタツを無くしてしまった! どこにいったんだ、あのコタツ?

 冒頭でも触れたが、「素人の乱」っていうのはラジオから始まった。で、この番組名の意味は「世の中、メジャーなものだったり、大手企業によるものだったり、有名人や権力を持ってるやつらばっかりが幅を利かせてるけど、その辺をウロついてるようなわけのわからないような連中だって、いろいろとしでかせるんじゃないの?」って感じの意味合い。
 テレビや大新聞など、誰もが目にするような巨大メディアがのさばってから数十年、いや、100年は経つかな? そんな超巨大メディアのおかげで世論も画一化しがちで、「ダメなものはダメ」とか「一般的には許されない」なんていう、誰が決めたんだかわからないようなしょうもないことが、まかり通ったりしている。
 さ~て、地デジ化で誰もテレビを見なくなる時代も来ることだし、いよいよいろんな言説が飛び交ってきている。テレビや雑誌なんか見てても、どれも無難な人気取りばっかりで面白くもなんともない。それよりはまだ「説教おやじチャンネル」とか「ヤクザラジオ」とか「今日からキミもアルカイダ! プロパガンダ映画館」なんていうとんでもない番組群のほうが魅力的に決まっている。おお、こりゃ、なんだか楽しくなってきたぞ! ついに「素人の乱」が始まってしまう!!!! 

 ってことで、こっちも手を抜いていられない! ラジオだラジオだ!!

晴れて高円寺駅前交番勤務に就任した新人巡査の山崎大地くん! ウイスキーはちょっと苦手
【スケジュール】

・4月1日(木)
ソウルより放送予定!
ネットラジオ・素人の乱
木曜日「貧乏人大反乱放送」

22:00〜23:00
http://trio4.nobody.jp/keita/

・4月5日(月)
ソウル鍋集会

・4月17日(土)
高円寺デモ&阿佐ヶ谷ディナーショウ
開場18:00 / 開演19:00
当日¥980(セレブ¥25.000)
※16:30より、高円寺ー阿佐ヶ谷間の路上にて杉並警察署のみなさんによるオープニングアクトが行われます。
Asagaya LOFT/A にて
>>詳しくはこちら

・5月1日(土)
高円寺メーデー(超大規模デモ)

・5月9日(日)
世紀の作戦会議!「霞が関かゲリラ戦か」
湯浅誠×松本哉×二木信
Asagaya LOFT/A にて
>>詳しくはこちら

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なんだかとっても心和む、
高円寺駅北口の「広場」の光景。
ますます拡大する「素人の乱」に、
ワクワクしてきます。
国境を越えた上記「スケジュール」も要チェック!

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