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KのW杯
 
編集長K
サッカー専門のwebマガジン『football weekly』の編集長。ドイツW杯は、現地より「W杯試合レポート」を発信中。
Vol.2
W杯はサッカーだけではない!
Vol.1
行き過ぎた商業主義を問う
Vol.1
ドイツW杯の行き過ぎた商業主義を問う

オーストラリア戦

なぜ二戦続けて3時キックオフだったのか?

 負けの次は引き分けでした。

 2戦続けての3時からの試合で、結果をだせなかったわけです。1戦目はともかく、2戦目も3時というのは非常識だと思いますが、日本のテレビにとっては、好都合だったでしょう。しかし、選手にとっては悪夢です。

 1戦目に坪井が痙攣で下がったのも明らかに暑さのせいです。2戦目で日本代表は80分過ぎからまたも明らかにパフォーマンスは落ちました。中田のキックミスや中村の動きの悪さはそれです。

 もっとも中村は熱のせいという別の要素もあったのですが・・・。

 試合結果や内容に関しては私の本来の場所である、webマガジン『football weekly』の「W杯試合レポート」をご覧下さい。

 このコーナーでは、今回ドイツワールドカップの過度の商業主義を問題にしたいのです。

日本戦が3時から2試合というのも、その証左です。そのあたりに関しては、ジーコも記者会見でブラジルの記者から、3時の試合を2試合するような選手のコンディションを無視した、行き過ぎた商業主義のやり方をどう思うかと聞かれ、「ひどいと思う。どこかでキチンと行動を起こし、問題にしなくてはいけないと思う」と答えていました。

 采配に関しては疑問符がつきますが、このあたりの感覚は選手として一流だっただけに、辛さやひどさは敏感に判るようです。


フランクフルトのキヨスク

空席が目立つスタジアムの謎

 これだけではなく、誰のための大会かという点では、明らかにスポンサーのための大会です。

 サッカー場では入場者数が正確に一桁の単位まで、細かく発表されますが、今回、各会場で毎回4万8千人ソルド・アウト=満員とひどく大雑把に発表がなされるのです。

 実際には、明らかに空席があってもそう発表されるのです。こちらでも新聞が証拠写真入りで、問題にしていますが、大会組織側はスポンサーに売れているので、その席に関しては入場者がいると強弁しています。

 なんだか、東京ドームの5万5千人のようです。Jリーグを見ると判りますが、サッカーではいい加減な数字ではなく、きちんと実数を出すものです。それが常識だったのが、これで破られそうです。

 これらのことが何を意味するのかというと、全てがスポンサーありきということです。実際にスタジアムに観客が来ようと来まいと関係ないということです。

 今回の大会ではそれが如実に表れています。満員札止めにもかかわらず、スタジアム周辺には意外にも、「チケット売ります、あります」の人がかなりいるのです。

明らかにダフ屋とは違うふつうの人です。スポンサー枠で流れたチケットと思われるものもあります。すべてがそうとはいえませんが、普段の大会よりも多いように思います。

 日本戦でもかなり売っている人を見かけましたし、その値段を聞いて回った友人の話では、時間内にもかかわらず定価割れで売っている人もいたそうです。

貴重なW杯チケットの行方は?

 サッカーは世界で一番人気のあるスポーツコンテンツで、テレビにとっては重要なものです。そのために、人気のある試合だったら、同時に数億人の人間が見るといわれています。

 しかし、その試合を選手と同様の暑さや風を感じながら、彼らが発する声や音を会場で体験できる人間は、最大でも10万人なのです。今回のドイツで考えたら平均5万人弱の人間しか、それは体験できないのです。

 世界のサッカー人口のわずか何十万分の一なのです。そんな貴重なチケットをスポンサーからたまたまもらった人もいるのです。サッカーに関心や好きだという人ならともかく、話題だから、面白そうだから来たという人もいるのです。

 日本戦でも青いユニフォームを着た人は数多くいますが、これまでになく、サポーターとしての応援は力がありません。

 韓国戦での韓国サポーターの応援はすごいものがあり、明らかに韓国快進撃の後押しになっています。

 それに比べて、サポーターの応援も日本は圧倒されていて、結果に見事に反映されています。

 スポンサーの数が多い、日本のほうが弱いのです。商業主義は資本主義では大前提でしょうが、このままでは、W杯は駄目になります。  スポンサーによるスポンサーのために大会になるのは、間違いないのですから。

 それでも、W杯には楽しみがあります。次回ではその一端をお届けします。
(写真・La Strada)


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