いよいよ来週末は、参院選の投開票日です。テレビや新聞でも連日この話題ですが、それらによると今回の選挙の争点は憲法、原発、TPP、景気回復…。そして「ねじれの解消」という言葉を、安倍首相はさかんに言っていますね。しかし、「ねじれ」を争点に有権者に訴える、ということには、違和感があります。それは選挙結果がもたらすことであって、「党の主張」やマニフェストとは違うはず。またここに、言葉のトリックがあるように思います。
さて、もう一つの大事な争点を忘れてはないでしょうか? 「平等」や「ジェンダーバランス」についての視点です。安倍首相は「女性の活用や女性役員の登用」ということも、しばしば口に出してらっしゃいますから、その辺りはきっちり考えているのかと思いきや…。自民党の候補者における女性の割合を調べてみてびっくりです(選挙区/7.69% 比例区/16.13%)。このあたりのことについては、「全日本おばちゃん党」のfacebookに「女性議員、出せよ増やせよプロジェクト」に、詳しく紹介してあります。
それによると、このバランスの悪さは、自民党だけでなく、民主、公明、共産、維新も、選挙区も比例区も30%に達していません。日本政府は、「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30 %以上にする(通称:2030にいまるさんまる)」という政策を進めているのに…です。政治という国や社会のあり方を決めるところは、男性の牙城だから、渡したくないとでも思っているのでしょうか、とでも勘ぐりたくなるような数字です。
ともあれ、現在の日本の国会議員の女性の割合は、8%(衆議院)、13%(参議院)という現実があります。これは、女性が人口の半分ということを(実は日本においては女性の方がやや多い)考えたときに、きわめて不自然な数字です。そしてこのことは、今の日本社会の閉塞感や、原発事故に関するデタラメがまかり通っている感じなどと、無関係とは思えないのです。もちろん、女性がいつも正しい選択をする、という意味ではないですが。
ということを考えていたところ、先日来日して話題になっていたfacebookの最高執行責任者、シェリル・サンドバーグさんのインタビューがテレビから流れてきました(「クローズアップ現代」7/9放送)。「女性の内なる障壁――自己評価の低さや罪悪感が、女性リーダーを作ってこなかった」。彼女のこの発言は、アメリカで大激論になったそうです。
「ジェンダーバランス」の問題は、日本だけの問題ではなかったわけですね。3年後に予定しているという、全世界「おばちゃん党」サミットに向けて(!?)、私たちは、まだまだ、挑戦しなくてはならないことがたくさんあるようです。まずは、今度の選挙で誰に一票を投じるか、いつもと視点を変えて、じっくり考えて出かけていきたいと思います。
(水島さつき)