松本哉ののびのび大作戦

　いやー、こんちくしょう頭に来る！　この期に及んで原発再稼働したいだって？　どうなってんの、ホントに。原発が大爆発して「あぶねえよ、おい！」となって、約８０％もの人が原発いらないと思うようになったまではよかったけど、政府はほとぼりが冷めて来た頃に再稼働しようとし始め、そのタイミングも全原発が停止するからって大慌てで動かそうとしてるだけ。それって本当に安全性のこととか、原発周辺の人がどう考えてるかとか、何も考えてないでしょ。う〜ん、しかもほとんどの人が反対してるのに押し切って動かすって、もう民主主義が機能してないって言ってるようなもんだよ。いやー、民主党政権がここまでヒドイとは！！
　もう、政府がこんなみっともないことばっかりやってたら、外国行った時に「日本から来ました」なんて恥ずかしくて言えないよ！　まったく！

　さて、そう頭に来ながらも香港（外国！）に行くことになった！
　何を隠そう、東アジア各地の連中が一堂に会するという、なんだかすごいイベント！　この連載でもたびたび紹介して来たように、最近、やたらと韓国だとか台湾だとか、近隣エリアに遊びにいきまくっていた（ま、単純にその辺から呼ばれることが多かったってのもあるけど…）。そうすると、出てくる出てくる、これまで気づかなかった面白い奴らやとんでもない場所が！　これまで、なんだかんだ言って欧米の情報は入ってきやすかったけど、意外と近隣の東アジア圏のことってかなり死角だった。経済や観光の話や、近所の国の悪口ニュース（←いつも思うんだけど、これなんで多いんだろ？）はよく聞くんだけど、謎のオルタナティブシーンのことは結構未知だったし、お互いに知らなかったりもした。こりゃ、もったいない！　せっかく近いんだから、交流しない手はない！！　そう、やれ北朝鮮のミサイルがどうとか、中国の軍艦がこうとか、色々文句言ったりして、金持ち連中のもめ事に巻き込まれてる場合じゃない。どこのミサイルが上空をかすめようがケロッとして大バカなことをやって面白い場所作りをやってる奴ら同士の繋がりこそ、本当は重要なはずだ！！　世界平和近し！！！
　そういえば学生の頃、旅行が好きで毎年、必死にバイトして金を貯めて海外へ遊びにいった。で、１日でも長く旅行に行きたかったから、場所は近場にして、崩れる寸前のボロ宿に泊まったり、野宿したり、食中毒必至の貧乏食堂に入ったりしていた。今から思えば、いろんなところに行ったけど、どうしても頻繁に行くのが、まさにこれが今回集まる東アジア圏。もちろん様子や雰囲気は地域によって違うんだが、やはり近いってのは面白いもんで、ある場所は日本と酒の飲み方が同じだったり、またある場所は笑いのツボや怒るポイントが似てたりと、感覚の近さの発見が面白い。漢字を書けば通じるところも多いし、何かと近い。そんな国々をウロチョロしてる時、将来的にこの辺の連中が行ったり来たりするようになって、変な奴らの交流圏ができたらいいのになー、と思ってたが、まさにそれが実現しつつある感じがして、なんだか最近やたらと嬉しい！！　

　そして、せっかくなので、今回集結してしまう奴らもちょっと紹介してみよう。まず韓国は釜山最強スポットでもあるＡＧＩＴというスペースの人たちで、全ジャンルのアート系の奴らをごちゃ混ぜにしてしまうというすごいプロジェクトと場所作りをやってる人たち！　そして、台湾はこの連載でも紹介している直送珈琲の人たち。学生や外人から謎のヒマ人までいろんな人が集まって各種イベントが行われてたり、時にはサウンドデモの中心になったりもする奴ら！　続いて中国からは、中国屈指のパンク都市＝武漢から登場！　ヨーロッパのスクワットのような場所を作っていて、そこにバンドマンやら若い奴らが集って遊んでいるんだが、そこの人が来てしまう！　で、ホスト役の香港は街の真ん中にアートギャラリーを作って、意義ある展示やマヌケな展示を連発している人たちで、なんと北中通りのイベントにも出演したことがある連中！　そして日本からも、素人の乱はじめ数人が香港入りしてしまう！　う〜ん、これはすごいことになりそうだ！！！！

　で、集まるだけ集まっていったい何をやるのかというと、これがまた面白い。メイン企画はまさに東アジア裏サミット。まず、それぞれの地域の人たちが場所作りやら現象やら、自分の地域でいったい何が起こってるかとか、「いま一番これがヤバい！」みたいなのを紹介し、とんでもない場所作りや、思いもよらないイベントの作り方を教え合ったりする。で、つぎに「じゃあ、いま何をやったら面白いか！？」っていう作戦会議をやる。ずっと同じ所にいると勝手に価値観が固まって来ちゃいがちだけど、よその人からみたら結構見方は違うはず。「おいおい、オマエの国はそこに隙があるから、これやったほうがいいよ！」みたいなアドバイスも多発すると思われる！　それも、おそらくは飲みながらって感じになると思うので、これは間違いなく盛り上がってしまう！
　また、日本からの出し物と言うかワークショップとしては、移動式「なんとかＢＡＲ」の香港店を製造！　香港到着後、みんなで廃材を探したりホームセンターに行ったりして、移動式屋台を勝手に建造！　そして、あたかも昔からいましたという顔をして、どれだけ街にはびこれるかを実験！　そう、いま日本は放射能も拡散し、原発もまだ動かそうとするなど、もういつまでのんびりしていられるかわからないような不安列島と化して来ている。これはいつでもピャッと場所を移して溶け込んでしまうようなスキルを身につけておいて損はない。…しかし、屋台に顔は同じなのに多国籍な外人集団が群がってるって言うのはなかなかいい光景に違いない！！
　その他にも、『貧乏人の逆襲（中国語版）』の出版イベントや、映画の上映会など、いろんな作戦が計画中。

　日本は今、かつて原爆を２個も落とされたのに、大喜びで原発を開発して活断層の上に建てまくり、それが祟って大爆発したのに「安全です」といいながらまた動かそうとしている。もう、完全に自分達の力で自分らのことを解決することができませんと言ってるようなもので、完全に恥さらし状態。このまま日本終焉を迎えるのはちょっと腑に落ちないので、こうなったら海外のとんでもない連中と交流しまくって、謎の化学反応に期待するしかない！！
　第１回東アジア大バカサミット、２３日から開始！！！

招待してくれている香港のスペースの名は、活化庁」