読んでいくうちに、はらわたが煮えくり返ってきます。
ご存知の方も多いでしょうが、今月14日に参議院で可決成立した「医療制度改革関連法」も、高齢者の医療費負担を大幅に引き上げる法律です。
では、中身はどういうものか。ちょっとおさらいしておきます。
70歳以上で現役並みの所得(夫婦2人で年収520万円以上)がある人の医療機関での窓口負担を2割から3割に引き上げる。長期療養の70歳以上の入院患者は、食費や光熱費などを原則自己負担とする。
さらに、08年度からは現役よりも所得が少ない70〜74歳も窓口負担が1割から2割へ引き上げられる-------。
とにかく、ひたすらな負担増です。
高齢者は否応なく体力が落ちます。したがって、若年者よりも医療を受ける頻度は、当然のことながら増えます。その医療費を抑制するために、高齢者の自己負担分を増やすというのです。
人間は誰でも歳をとります。老化していきます。それを免れる人など、いません。当たり前の真実です。その人たちへの温かな支援こそ、国が行うべき政治の根本でなければならないはずです。そんなことさえないがしろにしておいて、よくもまあ「国を愛せ」などと言えたものです。よくもまあ「再チャレンジ」などとふざけた言葉が使えたものです。
身を粉にして働いて国の復興発展に寄与し、ようやく穏やかな老後を迎えようとする人たちへの、これが国家の仕打ちでしょうか。それが、責任ある政治家たちの政策なのでしょうか。
そんな政策を推し進めてきたのが「小泉改革」であり、それを支持することで小泉人気を引き継ごうというのが安倍幹事長なのです。
とにかく「改革」と唱えればすべてが赦されるとでも思っていた節がある小泉首相と、彼にべったりと寄り添うことで次期首相の座を狙う安倍幹事長。考えてみれば危ないコンビです。
知り合いの政治記者の分析です。
「何を考えているのか、何にも考えてなんかいないのか、さっぱり分からなかったのが小泉さん。その小泉さんよりもずーっとタカ派なのが安倍さん。でも、その安倍さんにしてからが、深い考えでタカ派的発言をしているとは思えない。右傾化する時流に乗って適当にしゃべっているだけ、という感じが強いんだなあ」
大丈夫なのでしょうか、この国は。
|