成金亭主役はジョン・グッドマンだ。以前『ラルフ一世はアメリカン』というコメディーがあって、肥満そのもののジョンが英国王に即位するというドタバタ、英国社会をおおいにからかった(一方アメリカ人も十分にからかっているが)映画に出ていて、この俳優さんの異様な肥満ぶりそのものが風刺精神に似合っているのかと妙に感服したことがある。
風刺、諧謔(かいぎゃく)は「自らを嘲笑する精神」から生まれる。だが、そんな厄介なことを詮索しないでも、グッドマンが登場すれば事足りる。そして相方に前述の美女を配する。
議会のロビイスト連中に金をばら撒いてうまい汁を吸おうという不動産屋のグッドマンがワシントンD.C.に乗り込んでくる。社交の席で、ダンサー上がりの美女メラニーが無教養をさらけ出す。超豪華ホテルの部屋に閉じ込めておくわけにもいかないので、なんとか教育してくれと、家庭教師をつけることになる。それが中年の新聞記者役のドン・ジョンソン。彼が選ぶ教材が『アメリカの民主主義』だ。そしてパーティでは、*2)First
Amendment(憲法修正第1条)やら15条やら19条をたちどころに引用、将軍を初めとして紳士淑女のど肝を抜く。見せ場は晩餐会でAmendmentを歌にして、それこそ皿小鉢を叩いて歌いまくるところ。
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