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2011-06-24up

おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」

第7回

週間報告☆
(その3)

 そのあと、文科省坪井審議官に宮城県のモニタリングポストについての質問。あのねぇ、昨日の資料で気付いたんだけど、宮城県で空間線量測ってるところは地上80mのところなの。た、た、高すぎない?
 けど、その資料の下に宮城県は可搬型のモニタリングポストを使用とあったし、坪井審議官がヘリで計測することもある、と以前言ってらしたから、宮城はヘリで測ってんのかしら? と前日のぶら下がりで坪井さんにお聞きしたんです。

マコ:「坪井さん、宮城県のモニタリングポストは地上80mですけど、これはヘリで測ってるんですか? 可搬型って書いてありますし」

坪井さん:「いえ、ビルの上ですよ」

マコ:「ビルの上? 宮城県にそんな高いビルあるんですか?(宮城の方ごめんよ!)どのビルですか?」

坪井さん:「さぁ、どこだったかな…君知ってる?」

近くの方:「宮城のモニタリングポスト…ちょっと今すぐわかりません。」

マコ:「はぁ、わかりました…」

 で、帰って調べたら、宮城県庁の屋上にあることがわかりました。地上80m!
 宮城はもともとのモニタリングポストの地点が壊れて、なかなかデータが出なかったの。5月の頭に私たちが宮城に行ったとき、まだ出てなかったんじゃないかな。心配だねーとか言ってたの覚えてるもの。で、やっとできたと思ったら80m! これは変でない?
 もともと、各都道府県のモニタリングポストは国内の原発事故なんか想定してなくて、世界の水爆実験や、チェルノブイリ事故などを意識して、大気中の放射性物質の測定、フォールアウトを意識して設置されてるの。だから高い位置にあることが多いのね。東京は新宿に地上18mのところにあります。
 で、ご存知のとおり、線量は地表のほうが高くなるので、国内の原発事故があった場合、地上数十mの値なんかより、地表や地上1mの値が重要! 実際、東京も、都が地表18mで測ってる「これでござい!」と出してくる値より、公園やら道路やら、地上で測った値のほうがずっと高いので問題になってる。
 なぜ、福島事故後に可搬型のモニタリングポストをわざわざ地上80mにおくの? 宮城は福島の隣の県だよ? ちょっとおかしいんでない? と質問しました。

坪井審議官:「細かい経緯は確認いたします。県のほうで場所を選ばれたんだと思います」

 文科省でアドバイスとかはしないの?

坪井審議官:「特にしていません。県庁のほうにお任せした形です。」 

 ふうん、じゃ県にまたお聞きしてみよ。

 続いて安全委員会加藤審議官に!

マコ:「6月10日に日本物理学会シンポジウムがあり、物理学者の取り組みについての発表がありました。そこで3月30日に飯舘で行われた小児甲状腺サーベイによるスクリーニングと恐らく、同じ調査ではないかというものがありました。しかし、多少人数に違いがあり、5月12日付けの安全委員会のものでは299人でした。そしてこちらの資料では312人でした。これは成人が含まれているという事でしょうか。
 あと、安全委員会の調査ではスクリーニングレベル(緊急被曝医療対応が必要かどうかを判定するために、避難所等で行われる住民に対する指標)が0.2μ㏜/hだったのに対し、こちらの資料では2μ㏜/hでした。この違いはどこから出たのかもしご存じでしたら教えて下さい」

加藤審議官:「人数については、安全委員会の資料をまとめる際に以前現地対策本部が発表した人数を再精査したら、年齢が不明な方が含まれてましたので、そういった方は落としております。(年齢不明なかたってどういうことやの?!)
 それと、スクリーニングレベルが2μ㏜/hであったという件ですが、今回の小児甲状腺スクリーニングをやるきっかけになったのは3月23日に発表したSPEEDIの試算結果ですが、直後に報告した時のスクリーニングレベルは2μ㏜で行いました。しかし、よく調べてみると2μ㏜がスクリーニングレベルとして正しくなかったため、すぐさま0.2μ㏜に直して最終的には1000人を0.2μ㏜というスクリーニングレベルで行っております。最初に2μ㏜で行ったデータは正しくないという事で棄却したと認識してます(この件はのちほど、NHKの石川さんがきちんと追及してくださいました)。
 それから、先ほどのヨウ素が半減期が過ぎていて、今さらデータが出ないのではというお尋ねがございました」

 これは私が保安院の被災者支援チームに健康調査について質問したんだけど、わかりません、専門家に聞きます、ということでお答え頂かなったの。加藤さんはね、私がそういうお答えを頂いたとき、どなたもお答え頂かなかったとき、加藤さんにお聞きしたわけじゃないのに、答えてくださいます。以前、愛媛の伊方原発がストロンチウム漏れ漏れだったのでそれについて質問したとき、どなたもお答えしてくださらなかったんだけど、他の方が譲り合いをしているのを見た加藤さんが突然立って答えてくださいました。で、翌日、伊方原発についてもっと詳細を調べてくださったのも加藤さん☆

加藤審議官:「確かに今の段階から検査を行ってもヨウ素の検出は非常に難しいと思います。これは身近にいた専門分野の方から聞いた話ですが、ヨウ素と共にセシウムも出てますので、むしろ体内被曝を調べるのであればセシウムに着目をして行った方がいいと。そしてヨウ素とセシウムの比率は過去のデータから推測する事ができるのではないかと伺ったことがあります」

 過去予測をするということなんだよね! 私も飯舘の方とそう話していたんだけれど、会見での公式なコメントが欲しかったんだよ…。

その4→

【今週の針金】
会見中に「う〜ん悩ましい」の言葉が出てくると僕とマコちゃんは必ずメモります。
内閣総理大臣補佐官 細野豪志氏

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地上80mのモニタリングポスト!
その計測結果、ほんとに意味があるの? と突っ込みたくなります。
そして次回、「ぶら下がり会見」で、
さらなる驚きの事実が明らかに。

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おしどりプロフィール

マコとケンの夫婦コンビ。横山ホットブラザーズ、横山マコトの弟子。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2003年結成、芸歴は2005年から。
ケンは大阪生まれ、パントマイムや針金やテルミンをあやつる。パントマイムダンサーとしてヨーロッパの劇場をまわる。マコと出会い、ぞっこんになり、芸人に。
マコは神戸生まれ、鳥取大学医学部生命科学科を中退し、東西屋ちんどん通信社に入門。アコーディオン流しを経て芸人に。

ブログ:
 http://oshidori.laff.jp/
twitter:
 マコ:@makomelo
 ケン:@oshidori_ken
その他、news logでもコラムを連載中。

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