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その37
今週のネタ↓
2005年11月28日の毎日新聞より

改憲案
公明、「自衛軍」明記反対
9条1、2項維持を強調

公明党は27日、自民党がまとめた新憲法草案に盛り込んだ「自衛軍」保持の明記に反対する方針を固めた。公明党は来年秋をめどに独自の改憲案をまとめるが、現行9条1項、2項の条文を維持する「加憲」を前提とする以上、新条項を追加しても自衛軍の明記とは整合しない、と判断した。
「自衛軍」は自民案が目玉と位置付けていたものだけに、公明党の方針は今後の9条見直し論議に影響しそうだ。
自民案は9条1項の戦争放棄はそのまま維持する一方で、戦力不保持を定める2項を改定し、現在の自衛隊を「自衛軍」と明記した。公明党の太田昭宏幹事長代行(党憲法調査会座長)は27日、NHKの討論番組で、自民案について「わが党は『自衛軍』には賛成できない。現憲法での平和主義は、大事な項目だと思っており、憲法9条は1項2項とも堅持する」と明言した。
これに対し、自民党の舛添要一・新憲法起草委員会事務局次長は「(憲法改正の)一番大きな眼目は9条。最新の戦闘機や、イージス艦を持つ自衛隊はやはり軍隊であり、現状を追認し、歯止めがなくならないよう、国会できちんと(安全保障基本法などの)法律を作る」と説明。「自衛軍」を含む9条改正は重要部分、との認識を示した。

久しぶりに、「うん、ちょっとは希望が持てるかな」という記事を見つけました。このコラムで、幾度か批判や提言をしてきた公明党の、「憲法九条に関する見解」についての報道です。
「憲法9条1項2項の維持」を、公明党の幹部の一人である幹事長代行がはっきりと表明した、というのですから、これは友党である自民党にとってはかなりの痛手でしょう。 ここで、もう一度、「9条」を確認しておきましょう。

[第二章 戦争の放棄]
第九条(平和主義) 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


つまり、もう言わずもがなのことですが、この9条は変える必要がなく、もし何か足りないものがあるなら、これに「付け足せば」いいのではないか、というのが公明党の「加憲」という考え方なのです。 それなりに理屈が通っています。

もし、公明党がこの路線を変えずに突き進むとすれば、いずれ、公明党は自民党との連立を解消しなければならないことになります。 いくら政権与党という立場が美味しいといっても、国家の根本に関わる「憲法」の、そのまた根幹である「軍隊保持」でこのように明確に対立するならば、決して一緒に政権を維持していくことなどできないでしょう。 そうですよね、公明党サン。

しかし、この発言をすんなりと素直に受け取っていいのでしょうか。

これまでも、公明党はかなりの「変節」を繰り返してきました。最もいい例が、あの「通信傍受法(盗聴法)」です。あの大幹部のマドンナ浜四津サンが反対集会にまで出席して、絶対反対!をぶち上げたのに、いつの間にやら賛成に回っていた。で、自民党と一緒になって、稀代の悪法といわれる「盗み聞き法案」を通しちゃったのでしたよね。 まさか、お忘れではないでしょうね。

最近でも、「障害者自立支援法」という美名の、(当の障害者たちの団体ですら、涙ながらに反対していた)実際は「障害者生活破壊法」でしかない法律を、自民党に協力して通しちゃったのです。弱者の味方だったはずの、あの公明党が、ですよ。 さらに、「甦る治安維持法」とまで言われる暗黒の法律=「共謀罪」の新設に反対する気配もないのです。どこかで、首を傾げざるを得ないのが、公明党という政党です。

しかし、いくらなんでも「幹事長代理」の発言です。そう簡単にひっくり返すことはないはずです(と、思いたい)。

自民党は相変わらずの改憲路線ひた走りです。上の記事でも、あの舛添サン、「最新の戦闘機や、イージス艦を持つ自衛隊はやはり軍隊であり、現状を追認し、歯止めがなくならないよう、国会できちんと法律を作る」と発言しています。
自分たちで憲法を破り軍備を増強しておきながら、「現状追認」などと白々しくおっしゃる。「法律は破ったけれど、破られた法律が悪いのだから、法律のほうを変えるべき」というのは、どう考えても論理矛盾でしょう。このリクツが通るとすれば、この世に犯罪者はいなくなります!
この矛盾を解決する論理をまず作り出さなければ、何を主張しても空しいのですよ、自民党のみなさん。

そんなみなさんと、いつまでくっついているのでしょうか、公明党は。 とにかく、公明党がブレずに太田発言を守り抜くよう期待して、今回のツッコミは幕を閉じることにいたしましょう。
チャンチャンっ!

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