[ロンドン 山科武司]
世界有数のシンクタンク英王立国際問題研究所は18日、英国の治安に関する報告書を発表し、「アフガニスタンやイラク戦争に参戦したことが、英国をテロの危険に陥れた」と結論付けた。その上で、ロンドン同時爆破テロについて「懸念が現実となった」と述べ、イラク戦争が背景にあるとの見方を示した。
報告書は、ロンドンが中東や他の地域での資金集めや計画立案の舞台となったことに、警察や情報機関は「90年代後半に気付いたが、英国の脅威とはみなされなかった」と指摘。
しかし、イラク戦争が国際テロ組織アルカイダによる宣伝、人員拡充の活動に拍車をかけた一方で、英国が米国の対テロ戦に相乗りし、英国でのテロ攻撃の危険が高まっていたにもかかわらず、有効な対策を取れなかったと批判した。
報告書について、ストロー英外相は「米国と手を切れと言うのか。今やテロは世界中にまん延している。テロの言い訳を聞く時期は過ぎた」と強く反発。リード国防相も「受け入れられない」と語り、ブレア政権に波紋を広げている。
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