<略>米軍文書は、沖縄を攻略した米軍の軍政司令部の45年6月29日付の「情報報告書」。沖縄県公文書館が米国立公文書館で入手、保管していた史料のなかから、関東学院大の林博史教授(現代史)が5月下旬に見つけた。
英軍文書は、林教授が昨年、英公文書館で入手。沖縄上陸作戦を行った米第10軍司令部の45年6月19日付文書を抜粋する形で、日本側からの没収文書として紹介されていた。<略>
米軍文書で報告されている「指示」は9項目。その一つに「敵占領地域の者たちについて極秘裏に捜査せよ。敵への協力者を発見した場合は殺すか、しかるべく処置せよ」とあった。占領地域の人々を利用して、敵陣営を混乱させるように指示する項目もあった。<略>
日本軍は主力部隊を本島南部の戦線に置いたため、手薄になった国頭郡にはスパイ戦、ゲリラ戦を任務とした部隊を配置。45年3月には住民を組織して秘密特務機関「国士隊」を設置した。林教授は「文書の発想は、住民をスパイ視し、摘発に住民を利用した『国士隊』にみられる軍の論理と共通する」と話す。<以下略>
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