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その7
今週のネタはこちら↓
●毎日新聞2005年4月8日付から
ポイント憲法9条
自衛隊追認の改正
<略>現行憲法が他国の憲法と際立って違うのは、9条に(1)侵略戦争を含めた一切の戦争と武力行使の放棄(2)戦力不保持(3)交戦権否認──の3点セットがあることだ。ドイツ、フランスなども憲法に侵略戦争の否認規定があるが、戦力の不保持や交戦権の否認まではなく、現実に軍隊を持っている。
 では、なぜ9条があるのに世界有数の装備を持つ自衛隊が存在するのか──。この矛盾が9条論議の焦点の一つだが、政府は国内外の情勢の変化に伴い、憲法解釈によって自衛隊を認め、その活動を広げてきた。
<略>自民党も含め改憲論議に欠けているのが自衛隊を軍隊に格上げする意味合いだ。自衛隊は外見上軍隊そのものだが、9条の3点セットによって「自衛のための必要最小限度の実力組織」にとどめられ、運用に制約のない諸外国の軍隊とは決定的に違う。これが自衛隊を軍隊と呼ばない理由だが、仮に軍隊になれば「敵を追いつめて(敵の)本国も全部やっつけてしまう」(政府答弁)ような交戦権の容認につながり、専守防衛の基本方針も崩れかねない。半面、現憲法でも認められている自衛隊を明記するだけなら、改正の必要性は乏しくなる。
 今週は、ツッコミというよりは、ちょっとお勉強モードです。
 この記事は、いわゆる解説コラム的なものですが、とてもうまくまとまっていると思います。「9条と自衛隊」という最重要論点が、分かりやすく書かれています。
 最近、「自衛隊という軍隊と同じような組織をすでに持っているのだから、妙な理屈を言わずにすっきり自衛軍と名称を改めるべきだ」とする意見がテレビ討論などでも多く聞かれるし、もっと根本的な議論をしなくてはいけない立場の国会議員たちの中にも、
やたらあっさりと「軍隊への格上げ」を主張する不勉強な若手が増えています。心配です。
 この記事にあるように、自衛「隊」が自衛「軍」に名称変更するだけで、とても大きな差ができてしまう。政府答弁のように「敵を追いつめて(敵の)本国も全部やっつけてしまう」ことも可能になる。それが、「隊」と「軍」の決定的な違いだということです。政府だって、そこんところは分かっているからこその答弁なのです。
 それに待ったっ!をかけるための歯止めが、この「3点セット」です。いわゆる「9条歯止め論」と呼ばれるものですが、この歯止めを、「隊」を「軍」に変えることによって、あっさりと捨て去っていいものでしょうか。
イラスト
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