昨年末の「巻頭言」には何を書いていたんだろう…そう思いバックナンバーをクリックしてみると、「動き出した市民からの野党共闘」というタイトルで、夏の参院選に向けた野党統一候補擁立の動きへの大きな期待について書いていました。そこには、今の安倍政権下では改憲をしてはならない、そのために改憲勢力の議席を2/3以上取られてはならないし、もし取られたらとんでもないことになってしまう、という悲痛な叫びのような思いが滲んでもいました。そして、翌週にはそのためにもマガ9は頑張りたいから、ご支援をお願いします、と呼びかけていました。
さてそんな2016年を振り返ってどうなったのか…。それについては、連載執筆陣の雨宮処凛さん、柴田哲治さん、鈴木耕さんらが、今週、それぞれに書いてくれています。
私たちマガ9編集部は、あれほど意気込んで期待をした市民主体の野党共闘が、「勝ちきれなかった」ことへの、リベラル側のきちんとした総括がなかった、ということにモヤモヤ感を抱えていました。特に東京に住む人にとっては、大きな「トラウマ」のようなものさえ残した都知事選挙についても、マガ9自身も含め、何も言及してこなかったのは、反省すべき点だったと思います。ということで、年末に急遽2本の企画を作りました。それが、「マガ9対談:井戸まさえさん×北原みのりさん」と「マガ9ぶっちゃけ座談会」です。語り合ったのが全員女性で、しかも首都圏在住という偏りが出てしまったのですが、それぞれ違う立場で「選挙」を総括しつつ、「よりよい社会」にするためには、自分たちには何ができるのか、真剣に考えて日々暮らしている、女性たちの生の声が聞け、意見交換が出来たのではと思っています。
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ここ数年、政治の状況は変わらず、国会議員を入れ替えることに成功していないという現実があります。しかし市民たちがデモに行き、勉強会を開き、ネットワークを作り選挙を自主的に応援する、という行動は以前にも増して確実に増えている、と感じています。実践は積み上がっているのです。あと足りないのは何なのか? ということを考えつつ、来年のマガ9は、新しい試みにチャレンジしたいと思っています。
ではみなさま良いお年を! 次の更新は、2017年1月11日(水)です。
(水島さつき)