今週の「マガジン9」

 2016年もあと2ヶ月を切り、忘年会の声がちらほらと聞こえる今日この頃。今年を振り返る企画を考えるにつけ、つくづく今年は「選挙」に振りまわされた年だったと、まさに今、大接戦が報じられているアメリカ大統領選挙開票速報を見守りつつ、考えているところです。

 国内について言えば、集団的自衛権行使容認をした安倍政権の暴走を止め、安倍政権下での憲法改悪につながる国民投票の発議を阻止するためには、与党に2/3をとらせてはならない。そのためには参議院選挙は「野党共闘」しかないのではないか、という動きが2015年の年末から出始め、その前哨戦として5月に北海道5区で行われた衆議院補選では、学生と学者が一緒に立ち上げた市民連合などを中心に、市民グループが選挙応援に積極的に参加した選挙戦が展開されたのでした。

 結果、惜敗だったものの、この「市民と野党共闘による候補者一本化」は画期的で有効だとされ、6月に行われた参議院選挙でも、全国32あるすべての一人区の選挙区で野党共闘候補をたて、地域差はあるものの「野党共闘」をリベラル市民が応援する、という構図になりました。実際、マガ9もそして私も、その動きを評価し期待をし、結果、2/3以上の議席を与党に許してしまったにもかかわらず、「野党共闘しなかったらもっと負けていたはず。今回は惨敗ではない」という評価が内輪ではされていました。その後、鹿児島県知事選挙では、脱原発を掲げた候補者が勝利。さらに期待がふくらみました。

 その後、予定外の選挙が飛び込んできます。東京都知事選挙です。結果はみなさん、ご存知の通り。リベラルのメインストリームは、野党共闘と候補者の1本化にこだわり、そして惨敗しました。一方、新潟県知事選においては、野党候補者が勝利。続いて、東京と福岡でも衆議院の補選があり、野党統一候補は惨敗しました。

 もうすでに選挙は、「リベラル」対「保守」という対立構造ではないのでしょう。ニュース番組で、アメリカの選挙戦の新しい対立軸は、「資本主義」対「反資本主義」である、ということをあるコメンテーターが語っていたように記憶していますが、まさに「上」対「下」の対決の様相です。アメリカの影響を強く受ける日本においても、そのあおりを受けないわけはないでしょう。というか、現にもうそうなっている、のが今の政治状況だとも言えるわけです。

 大統領選挙の結果を受けてのコラムは、連載「鈴木ひとみの紐育日記」で書いていますが、マガジン9においても、2016年の総括をし、来るべき新しい社会をどう生きていくべきか、早急に考えなおす必要があると、今、焦りながら考えているところです。

(水島さつき)

 

  

←「マガジン9」トップページへ   このページのアタマへ↑

マガジン9

最新10title : 今週の「マガジン9」

Featuring Top 10/195 of 今週の「マガジン9」

マガ9のコンテンツ

カテゴリー