フリーランスで仕事をしたり、また小さいながらも社団法人の経理業務をやっていると、所得税、住民税、法人税、消費税…と、ささやかな所得からや、収益を生まない団体にもかかわらず、よくもまあこんなに税金をとっていくもんだなぁと思います。原稿料や報酬の支払いをする時は、事業所はあらかじめ源泉徴収をし、その分を毎月納税しなくてはならないという義務があります。2013年1月に、復興特別所得税(所得税率×102.1%)を併せて源泉徴収することが義務づけられた時は、経理業務や計算が煩雑になることにため息をつきつつ、この税が本当にきちんと「復興」のために使われているのだろうかと気になりました。そして、明らかにどんぶり勘定の無駄遣いにしかみえない税金の使われ方には、「いい加減にしてよ」と怒りも湧いてくるというものです。
憲法30条 納税の義務
国民は、法律で定められた税金を払う義務を負う。〈国民は、自分たちの権利を守るための組織として国を作ったのだから、国を運営する費用も国民が負担すべきだ、とするものです。(略)国民が納税者としての意識を強くもつことは、自分の払った税金の使い道について関心をもつことにつながるので、それは同時に主権者意識を高めることにもなります。〉(伊藤真『現代語訳 日本国憲法』より引用)
「税」がどのように使われているかを監視するのも、主権者の役目。とはいいつつ「税制」というのは、そんなに単純なものではありません。あらゆる売買にかかわる「消費税」は、すべての人に公平でかつシンプルな税とのイメージがありますが、これも調べてみると、真逆だったりするわけです。それゆえに、「税」については、「わからないから専門家にお任せ」という雰囲気もあって、なかなかとっつきにくい。
森永卓郎さんの新著『老後破産しないために、年金13万円時代でも暮らせるメタボ家計ダイエット』(扶桑社新書)は、森永さんがダイエットに成功し話題になった「ライザップ式」をなぞりながら、いかに家計をスリムにし、健康的な生活と老後を送るかの実践的なプランがわかりやすく紹介されている「実用書」です。「ふるさと納税」や「個人型拠出年金」「相続税対策」など、まさに「税制」をきちんと知ってお金を使う、または備えることの大切さが書かれています。その中には、サラリーマンには通常必要のない「確定申告」についても、「一度経験すればすぐに覚えられる簡単な手続きであり、最寄りの税務署に行けば教えてもらえる」と勧めている一節もあります。たしかに毎年「確定申告」をしなくてはならない身にとっては、「面倒くさい」手続きかもしれません。しかし、冒頭に書いた「こんなに税金でとられているんだ」という実感を持つためには、とても有効です。
ジャーナリストの斎藤貴男さんもインタビューで語っておられましたが、アメリカやイギリスなどのように、日本の会社員もみんな「確定申告」をすれば、もっと税への関心が高まり、知識もつき、税の無駄遣いが防げるようになるのでは、とも考えます。
さて、そんなところから、今回のマガ9学校の企画が生まれました。消費税問題は、先送りされてしまいましたが、必ず近い将来、議論になることです。大切なことをわかりやすいトークで解説してくださる森永さんと、現場で取材を重ねてきた経済に明るい斎藤さん、このお二人のレクチャーで、「税」を身近に、そして「国」の好きにさせないぞ、という気持ちで、勉強していきませんか?
今週土曜日のマガ9学校、ご参加、お待ちしております! お申し込み、詳細はこちらをご覧ください。
(水島さつき)