今、全国各地で市民の勝手連による、参院選に向けた野党統一候補擁立運動が、活発になっています。「安保法制を廃案にする」「立憲主義をとりもどす」――これをメインの「マニフェスト」に掲げ、安保法制に賛成した議員を再び国会に送り込まないために、安保法制に反対する議員をひとりでも確実に増やすための、市民主体の動きが活発になっています。いずれもそれぞれの地域にしっかりと根ざした形で、地域の人たちが主となり、ある時は水面下でじっくりと、ある時はSNSを使ってスピーディに行っている模様。そしてここにきて全国に先駆けての野党共闘候補者の擁立が、発表されました。昨日(12/15)夜、熊本発のニュースです。
勝手連のホームページには、「統一候補は、これまで女性問題、貧困問題などに親身に取り組まれてきた阿部広美弁護士です。デモや勉強会などでご一緒するわたしたちにとって親しみのある方。市民の要請に応えるという形で野党が統一候補として推す候補者として、これ以上ない方が立ってくださったと思います」と紹介されていますから、素敵な方が擁立できたことを、こちらもうれしく思います。
この数週間ほどの間に、石川県をはじめ、神奈川、群馬、静岡、広島、高知、愛媛など、勝手連の結成の報告や記者会見が予定されています。また「選挙ジョッキー」座間宮ガレイ氏の勉強会の後には、必ず勝手連が立ち上がるという、という現象も起きています。永田町や大手マスメディア主導の政局ゲームを、主権者であるはずの市民が、指を加えてじりじりしながら見ているだけの時代はもう終わりです。
しかしながら、まったくのんびりしてはいられない現状でもあります。シビアな数字としては、次の参院選で自公ほか大阪維新の会などの改憲賛成派が79議席をとれば、参議院の全議席(242議席)の2/3(162議席)に到達してしまうという現実があります。自公の参議院の非改選の議席が76議席あるためです(憲法改正の発議には衆参両院で総議員の2/3以上の議員の賛成が必要要件)。簡単な引き算でわかることですが、結構愕然とさせられる数字です。
選挙事情に詳しいある政治学者のお一人は、なるべく早く候補者を固めることがのぞましい。遅くとも1月中には、とおっしゃっていました。座間宮ガレイさんのfacebookを見ると、市民の風がまったく無風のところもあるようです。年末年始は、故郷を心配する人たちがもどってくる機会でもありますから、気になっている人は是非、「勉強会をしませんか?」と、まわりに声をかけてみてはいかがでしょうか。
そんなことを私は今、自分にも言い聞かせながら、この原稿を書いているところです。
(水島さつき)