今週の「マガジン9」

 2015年最後のマガ9のイベントとして、「怒れる大女子会☆2015」が、「怒れる女子会12.1実行委員会」との共催で、東京ウイメンズプラザにて行われました。冒頭、今回のイベントへの助成をいただいた認定NPO法人WAN(ウィメンズ アクション ネットワーク)の理事長であり、社会学者の上野千鶴子さんから「怒りと女性」に関する興味深いお話がありました。

 「怒りというのは、正当な権利が侵された時に持つ感情であって、対等な相手に向けられるもの。それゆえ、女性には長らく禁じられた感情でした。女性に許されたのは、勝ち目のない相手へのねたみや恨み。しかしこのところの社会状況を考えると、理不尽なことが多すぎますね。今、女性たちが怒らなくてどうするの?」との問いかけがありました。

 「怒りの女子会」は、海外メディアにも取り上げられたことがありますがそこで、「日本の女性たちは、あまり怒らないと思っていた。だからこういうネーミングの集会が開かれるのは興味深い」との指摘を思い出したりもしました。

 ともあれ「怒れる女子会」は、特に事務局も持たず「やりたい人が企画者であり主催者」をコンセプトに、そのノウハウと著作権フリーのロゴキャラクターを、マガ9メンバーの一人も加わった有志が集まり作ったfacebook上で提供したところ、この1年間で100近くの「怒れる女子会」が全国各地で開かれていたことがわかり、改めて「怒り」と「女子会」というネーミングにピンときた人が少なくなかったことに気付かされました。

 今回のイベントでは、群馬県、愛知県、香川県、愛媛県の地方議会の女性議員に登壇いただくコーナーを作りましたが、彼女たちのトークから、各地域によってその抱える問題は多様で、「オッサン政治」一つとってもその度合いに違いがあり、ひとくくりにできないことを感じました。そんな中でも印象に残っているのは、愛媛県で女性を議会に送る運動を20年続けてきた、自らも市議である武井たか子さんが「やはり地域を変えるには、地域の人が動かないとだめなんです。だから女性候補を私たちで担ぎたいんです」というお話。

 「地域発の女性の怒り」は、今の閉塞的な政治状況を変える「地殻変動」を起す一つのキーポイントになるのではないかと思っています。それが実を結ぶのがいつになるのかは、まだ定かではありませんが…。昨日の再会や新しい出会いが、2016年の新たな何かを産み出す芽にはなったのではないか、そんなことを考えた一日でした。

(水島さつき)

 

  

←「マガジン9」トップページへ   このページのアタマへ↑

マガジン9

最新10title : 今週の「マガジン9」

Featuring Top 10/195 of 今週の「マガジン9」

マガ9のコンテンツ

カテゴリー