毎年8月になると、先の戦争のことについて考えるテレビ番組や新聞の特集を見る事が多くなります。今年はネットでも「未来に残す戦争の記憶・未来への手紙」という企画が、yahooで始まっていますね。
考えてみれば、私自身、マガジン9にスタッフとして関わる以前には、戦争体験者からじっくりと戦争体験を伺う機会はありませんでした。私の親戚には戦地に行った人がいない、とずっと信じていましたが、どうやらそれは、話したくなかった、ということだったのかもしれない、と今、思っています。
マガジン9のインタビューでは、元沖縄県知事で19歳の鉄血勤皇隊として沖縄戦に巻き込まれた大田昌秀さん、32歳で下級兵士として召集された映画監督の故新藤兼人さん、軍医として広島に赴任中に被爆した肥田舜太郎さんなどからお話をお聞きしました。また、戦場での体験ではないですが、母親と離れての疎開生活の辛さを語ってくれた故愛川欽也さんや、軍国少年が終戦をどう捉えたかを半藤一利さんが、克明に語ってくれました。
言うまでもなくこれらの話は、非常に大きな衝撃と影響を私に与えました。大げさでなく、平和に生きるための礎にもなりました。何がどうあっても、戦争に近づいてはいけない。為政者というのは戦争になったら、国民を守らない、そんなことをやはり考えざるを得ないようになったのです。
体験者から直に話を聞くことができる時間が、残り少なくなってきています。この夏そのような機会を作り出して、是非、実際にお話を聞いてみてはいかがでしょうか? 子どもを連れて、孫をつれて、友達を誘って。憲法9条についても、率直に聞いてみてはいかがでしょうか。憲法9条は、先人たちにとって何だったのか、そしてこれからの私たちにとって何なのか、考えるヒントになるのではと思います。
みなさま、どうぞ良い夏休みを。次の更新は、8月19日(水)になります。
(水島さつき)