安倍首相は、何が何でも今国会中(会期は6月22日まで)に憲法解釈によって集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定を行いたいようです。連立を組む公明党が、かなりの難色を示してきたにもかかわらず、協議に入るよう強く指示を出したというニュースが、今朝の朝日新聞の一面トップでした。
今の憲法9条のもとで、武力で他国を守る集団的自衛権の行使が容認できるわけがないのは、多くの専門家や歴代の法制局長官が断言してきたことであり、国民もその過ちとおかしさに徐々に気がついてきました。その結果が、先日発表された安倍政権の支持率が4ポイント下がって52%になった、という世論調査にもあらわれていたと思います。→2014/6/11 NHK NEWS WEB
「集団的自衛権」という言葉だけでも難しく、またとっつきにくい安全保障の領域ですが、それでも丁寧に説明をしていけば、国民世論においても関心と理解は深まる、そんな手応えも少し感じていたところでした。
例えば、ただ「反対」を言うだけでなく、「集団的自衛権の行使容認」とは、どういうことなのか、との問題提起をしているこんな企画も進行中です。
通販雑誌『通販生活』(カタログハウス)誌面及びサイト上での、各論者の意見を読んで自分と近い考えの論者に一票を入れる「通販生活の国民投票」企画は、単に「賛成」「反対」と二者択一で答えるだけではなく、論者のさまざまな意見を読むことで、この問題の重さと複雑さがよくわかります。
手続き的におかしい、立憲主義の崩壊だというのは言うまでもないのですが、近現代史が専門で、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)の著書がある加藤陽子東京大学大学院教授の「近隣諸国との関係を悪化させひいては国益を損ねる」という指摘を読むと、戦後の国のあり方を変える事の重大さを深く考えざるを得ません。例えば、ここに紹介された専門家や識者たちの考えを材料にして、主権者である私たちが、「集団的自衛権」について、理解を深め考える、そんな「勉強会」などもできそうです。
しかし今、そういう「国民議論の芽」も、安倍政権の強引な閣議決定によって、失われてしまう…そんな危機感もあります。ここまできてしまった以上、私たちは次に何ができるのか? 暗澹たる気持ちになるばかりですが、主権をまだ放棄するわけにはいかないので、次の手を考えたいと思います。
(水島さつき)
古今東西の先人達が、「人間は間違う」「権力は暴走する」「ポピュリズムの危険性」という事実、そこから引き起こされる悲劇を体験してきて、権力を縛るというシステムを何とかつくられねば、と考えられたのが近代「憲法」だ。戦後、我が国の人々もそのことを痛感して憲法を頂いた。自民党は改憲をず~と試みてきたが、国民の支持が得られず今日にきている。それなのに、それだからか、権力者側が、自分たちの都合のいい解釈で、「憲法」をなきものにしようとしている。何百万という犠牲を払った先人達の嘆きはいかばかりか…。私達はこの暴挙を許してはならない。これは国民主権を放棄することに他ならない。あらゆる方策を駆使して止めなければなりません。そうでなければ、私達は何もできない立場に抑え込まれてしまうでしょう。
>「集団的自衛権」という言葉だけでも難しく、またとっつきにくい安全保障の領域ですが、
>それでも丁寧に説明をしていけば、国民世論においても関心と理解は深まる、
>そんな手応えも少し感じていたところでした。
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そのようにおっしゃりながらも、あくまで私見ですが、マガジン9さんに「心の余裕」を感じないのです。
「暴走する安倍政権」に加え、ヤフーニュースコメント欄に中韓に敵対的で好戦的な投稿を繰り返す様な所謂ネットウヨクに、そのような有様に批判どころか何も関心を持たないような多くの一般市民……。
そのような現状に対抗する為、「私たちは研ぎ澄まされ、権力者や排外主義者を打ち倒し、真の立憲主義をもたらす闘士とならなければ!」といったイメージの印象が今のマガジン9のライターさん達から感じてしまうのです。
さて、水島さんがご紹介された「通販生活の国民投票」企画は、私もとても良いものだと思います。
一方、マガジン9がかつてマガジン9条という名だった頃、9条に関するのネット投票を実施した過去があります。
通販生活と同様に、平和主義における9条の役割を問うネット投票を、今一度行うことができないでしょうか?
もし不能だと思われるのでしたら、ご自身の「心の有り様」を含め、客観的に自己分析をすべきだと思います。