3月15日に開かれたマガ9学校(「自由」か「安全」か)、そして5月25日に予定されている次回(集団的自衛権と自衛隊)とも、会場は新宿NPO協働推進センター。ここは、旧新宿区立西戸山第二中学校の建物を改修してできたところです。同校は2011年に西戸山中学校と統合し、新宿西戸山中学校としてもとの西戸山中校舎に移りました。
5月5日のこどもの日を前に、毎年、子供の数(0~14才)が発表されます。今年は32年連続減少で1649万人だった昨年をさらに下回るでしょう。
一方、高齢者は急速に増えています。国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、首都圏(1都3県)における65才以上の人口は、2010年の730万人から2020年には930万人へ。すなわち首都圏だけで、1000万人近くが「高齢者」になるといわれています。マスコミは少子化や高齢化というと、地方の過疎地を取り上げる傾向にありますが、むしろ大都市の方で状況はドラスティックに変化しているのです。
社会保障に関する議論で、しばしば「将来世代にツケを回すな」と言われます。しかし、回したくとも回せないのが現状です。これから高齢者になっていくあなたや私──おそらく団塊ジュニアくらいまで──は、自分で自分の面倒をみなくてはならない。限られた富裕層や、競争社会を突っ走る人々以外は、高齢者同士、お互いに労わりあいながら、支え合って生きていくしかない。それって悪いことばかりじゃないかもしれません。
高齢者というと、私たちは「穏やかで優しく、周りから言われたことに『はいはい』と従うおじいちゃん、おばあちゃん」のようなイメージを描いてしまいがちです。しかし、彼ら、彼女らはだてに60~70年も生きていません。わざと相手を喜ばすようなことを言ってみたり、にこにこしながら相手を値踏みしたり、強かな面もある。
そして会社など組織のしがらみがないので、働き盛りの現役世代よりずっと自由。住宅ローンや子供の教育費に頭を悩ますこともない。怖いもの知らずの面々ともいえます。
こうした「無敵の集団」が首都圏だけで1000万人になるのです。高齢者たちが後に続く世代のため、日本の将来のために声を上げれば、世の中は動くでしょう。
高齢者、女性、子供、障がい者など「社会的弱者」は「組織に守られていない」がゆえにそう呼ばれます。しかし、「組織に守られていない」は「組織の論理から自由」ということでもあり、社会的弱者のもつ「強み」は、高齢者が多数派になる社会でこそ発揮されるのではないか。
こどもの日を前にそんな想像を巡らせています。
(芳地隆之)
>これから高齢者になっていくあなたや私──おそらく団塊ジュニアくらいまで──は、
>自分で自分の面倒をみなくてはならない。
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ここまでは「ふんふん、なるほど」と思って読んでおりましたが、その後の「そして会社など組織のしがらみがないので、働き盛りの現役世代よりずっと自由。住宅ローンや子供の教育費に頭を悩ますこともない。あとは死ぬだけ。命知らずの面々ともいえます。」とおっしゃり、それを「無敵の集団」とされる論理展開がよくわかりません。
これからは「自分で自分の面倒をみなければならない」ということは、高齢者、女性、子供、障がい者も働かなくてはならず、それらの人々の大半は必然的に会社組織に組み込まれることになるのではないでしょうか?
住宅ローンに頭を悩ますこともないとおっしゃる芳地隆之さんは、安定した老後を営めるほどの貯蓄を準備できたのかもしれませんが、借家住まいで老後も働いて自分の衣食住をキープさせるのが精一杯という、これからの日本の大半を占めると思われる貧困層にとっては、自身が「無敵」であるという自覚は決して持てないでしょう。
ところで憲法記念日を前に、「こどもの日を前にそんな想像を巡らせています」とは、これいかに?
とはいえ今週のマガ9、「マガ9タイムズ」の紹介以外、全てのライターが憲法を論じてはいないのですが…。