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癒しの島・沖縄の深層

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おかどめ やすのり 1972年法政大学卒業後、『マスコミ評論』を創刊し編集長となる。1979年3月、月刊誌『噂の真相』を編集発行人として立ち上げて、スキャンダリズム雑誌として独自の地平を切り開いてメディア界で話題を呼ぶ。数々のスクープを世に問うが、2004年3月の25周年記念を機会に黒字のままに異例の休刊。その後、沖縄に居を移しフリーとなる。主な著書に『「噂の真相」25年戦記』(集英社新書)、『武器としてのスキャンダル』(ちくま文庫)ほか多数。HP「ポスト・噂の真相」

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オカドメノート No.048

沖縄・石垣の港への米軍艦の寄港をめぐる問題

 米海軍の掃海艇が沖縄の石垣港に寄港するために、外務省は石垣市に対し執拗に圧力を加えている。石垣市長は、民間の港に軍艦が姿をみせることじたいが観光客に対してもイメージがよくないとして一貫して反対の姿勢を打ち出している。石垣市のかたくなな姿勢のために、米軍はいったん寄港の延期を決めたものの、そう簡単にあきらめるつもりはないらしい。石垣市がダメなら奥の手を使えとばかりに、対米従属外交の牙城・外務省に直接働きかけたようだ。

 地元紙の報道によると、外務省の日米地位協定室長は石垣大浜市長に対し、「軍艦船だというだけで、着岸可能な港の使用を反対する事は、港湾利用の船を平等に扱うと規定する港湾法の趣旨に反する」と文句をいってきたのだという。笑えるへ理屈ではないか。肩書きだけは一人前だが、日米地位協定の改定など鼻っから交渉する気もないくせに,米国の使い走りだけはヤケに熱心なのだ。これが、日本外務省の戦後一貫した対米従属外交姿勢だが、まさに国辱ものではないか。亡国官僚と決め付けてもいい。

 小沢代表が辞任する事態になれば、次の総理に一番近いとされる民主党岡田克也副代表は、「政権交代が実現したら、外務省の沖縄返還の機密情報はすべて公開する」と断言した。元毎日新聞記者・西山太吉氏がスッパ抜いたいわゆる密約の内容に関して、である。何せ、米国ではすでにその密約は情報公開され、元外務省の吉野文六局長も証言しているにもかかわらず、外務省は一貫して国家ぐるみの嘘をついてきたのだ。この岡田発言に嘘つき外務省は戦々恐々だろうが、先手を打って密約文書を焼却しないように監視しておく必要もあるのではないか。大慌てで条約を交わした「在沖海兵隊グアム移転協定」も、政権交代によって白紙になる事を恐れた米国と霞ヶ関官僚の出来レースであることは明らかだ。岡田副代表は、この協定じたいも政権交代が実現すれば白紙に戻すと発言している。当然のことである。

 ともあれ、米軍はいついかなる時でも、米軍基地だけではなく民間の港も含めて日本中を「常在戦場」にしたいという思惑があるのだろう。ここ数年、沖縄のホワイトビーチへの原子力潜水艦の寄港数も大幅増加をみせており、嘉手納基地にもF22や、北朝鮮のミサイル打ち上げを監視し迎撃するためのあらゆる軍用機がやってきている。これだけ執拗に見せつけておけば、日本人の米軍に対するアレルギーも麻痺するとでも思っているのではないか。

 しかし、何事も米軍の思惑通りにはいかない。米軍のキャンプ・ハンセン内の地主会である「伊芸財産保全会」が2010年以降は賃貸契約を延長しない方針を全会一致できめた。これは、金武町の民間の駐車場の車に被弾した因果関係について、米軍側からの誠意ある回答がまったくなされないことに対する抗議の意思でもある。住民にすれば、米軍の実弾訓練で使われた銃弾が民間地まで飛んでくるというのは日常的な恐怖になる。またぞろ、沖縄防衛局あたりが、アメとムチで地主会の懐柔策に走るのだろうが、もう行き当たりばったりの手口は通用しないことにそろそろ気づくべきではないか。米国もオバマ大統領に替わったのだから、日本も民主党中心の政権が出来れば、基地と沖縄政策が大転換する千載一隅のチャンスである。そのチャンスが生かしきれないようなら沖縄は、永遠に基地の呪縛から解き放たれることはないだろう。少なくとも、北朝鮮のミサイルは沖縄やグアムの米軍基地に向けられているのだから、沖縄にとってはいい迷惑である。この際、金武町長や石垣市長は、オバマ大統領あてに直訴してみたらどうだろうか。オバマならば、こんな馬鹿げたやり方は、日本、そして沖縄の反感を買うだけだということを理解するはずである。単細胞タカ派のブッシュよりは、はるかに可能性が高いのではないか。

寄港の目的に「友好、親善、乗組員の休養」を挙げた米側に対し、
石垣市長は「米軍の船が入港しても何の親善にもならず、余計に反発を生むだけ」と指摘したそう。
「平和港湾宣言」を掲げる石垣の港に、軍艦の姿は似合わない! と強く思います。
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