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オカドメノート No.004
永田町は打ち切られた暫定税率を4月末に再復活させるための自民党の巻き返し策や日銀副総裁人事で対立し、緊迫感を強めている。そんな中、4月に入り、予算の執行が空白になっていた、在日米軍のための思いやり予算に対して、民主党の武正議員や渡辺周議員らが、米兵の休日のレジャーに関する費用まで日本政府が税金を投入しているのはおかしいなどと追及。民主党として初めて思いやり予算に対して反対の立場を表明した。日米安保体制の下でなし崩しに執行されてきた「不可解な予算」を総点検すべきという意見が出たことは実に画期的なことである。しかし、衆議院外務委員会は思いやり予算(在日米軍駐留負担)を与党多数で可決した。数の論理でいけば当然だろうが、国会やメディアの上でもっと大々的な論議が巻き起こってもいいはずだが、盛り上がりはほとんどないままの可決だったことが惜しまれる。記事もほとんどベタ記事扱いだったことが象徴的である。
今後は衆議院本会議で可決され、参議院に送られることになるが、メディアは思いやり予算の使われ方に、それこそ思い切りメスを入れるべきではないのか。道路特定財源の信じがたき無駄遣い同様に、年から年中つけっぱなしにしている空調設備に代表される基地内の実態や、基地外の民間住宅借用が適正におこなわれているかどうか、徹底的に調べあげてみたらどうか。
この思いやり予算こそが在日米軍の日本に対する傲慢不遜な思い上がりの元凶になっているのだから、米軍基地内従業員の給与、地主に対する支払い、光熱費などの実態をキチンと透明化し、思いやり予算じたいの是非を論議する絶好の機会にすべきである。
思いやり予算に空白期間が生じることに対し高村外務大臣のコメントは「日本への信頼が損なわれる。米軍による抑止力も減殺される」という米国に対して完全に腰の引けたもの。さらに高村外務大臣は無駄遣いが多いという野党側の指摘に対し、「ぎりぎりの交渉でまとめたものだ」とニヤニヤしながら胸をはるのだから、国民の感覚から言えばズレまくり答弁である。おそらく、この思いやり予算は官僚に牛耳られた自民党政権には永久かつ絶対にできないことだろう。
ついでに言えば、多発する米兵の犯罪を抑止していくための前提となるのが、不平等な日米地位協定の改正である。外務省や防衛省に牛耳られた自民党には思いやり予算同様に対米交渉そのものをやる気がないのだ。そんな中、ようやく民主、社民、国民新党、共産の間で日米地位協定改定に向けた協議の動きが出てきた。遅すぎた感はあるが、やっぱり基地を抱える沖縄の将来のためには一刻も早く自民党政治に終止符を打って政権交代するしか選択肢がないということではないか。
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