なにしろ、この松岡利勝農林水産大臣、身内の自民党議員たちからさえ「なぜあんな危ないヤツを閣僚なんかにしたのか。安倍首相の危機管理意識を疑う」とまで酷評されてきた、極め付きの人物だったのである。
このコラムの第37回(1月31日付)で、佐田玄一郎規制改革担当特命大臣のスキャンダル辞任について触れたあと、次のように書いた。
「このほかにも、数々の疑惑情報が今、永田町を飛び交っている。いずれそれらが一斉に火を噴くはず。知人の週刊誌記者によれば『あと3名の閣僚の疑惑を追いかけている。そのうちの1人は、確実に進退問題に発展するネタだ』とのこと。多分、2〜3週間のうちに、ある週刊誌から発火するだろう」
もちろんその記者から、今回の松岡疑惑の内容までは知らされてはいなかったが、彼の情報は正しかったことになる。であるとすれば、あとの2人の閣僚とは誰なのだろうか?心配で眠れない大臣がもうふたり、いることになる。
松岡大臣に対しては「もう守りきれない」との声が与党内部でも日増しに強まっている。本人も「オレ、辞めなきゃいかんかなあ」と弱気の発言をしたとの噂もある。
どんな言い逃れをしようとも、やはり電気水道代で500万円超とは、ひど過ぎる。やりすぎである。いかに同僚議員たちといえども、弁護するわけにはいかないだろう。へたに弁護などすれば、自分の事務所費も疑われかねないからだ。
野党にとっては千載一遇のチャンス到来。民主・社民・国民の野党3党は「松岡大臣の証人喚問」を要求している。共産党も独自に証人喚問を打ち出した。ここを徹底的に攻めて、4月に迫った統一地方選挙や7月の参議院選挙を有利に戦おうというわけだ。
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