12月1日付の朝日新聞に、興味深い記事が掲載されていた。
新右翼の欧州
右翼支持拡大 深層は
停滞に不安、政治を拒絶
というタイトルの海外ニュース面の記事だ。
この中で、パスカル・ペリノー氏(現代フランス政治研究所長)という方が、ヨーロッパにおける右翼の台頭の原因を、次のように3つに分析している。
(要約)
欧州で右翼が存在感を増しつつある理由は次の3つ。
(1) |
既存の政治に対する拒絶反応、政治家への不信。政権が右でも左でも大差なく、目に見える部分に違いがない場合、不信の受け皿は野党に向かわず政治そのものに向かい、政治全体が見放された。政治家は腐敗し、口先ばかりという政治不信が蔓延したヒトラー台頭の1930年代によく似ている。
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(2) |
社会、経済の停滞。安定雇用の崩壊と失職の恐怖。教育を受けても人生設計が描けない社会の閉塞感。その恐怖や閉塞感のゆえに、多くの労働者や失業者が右翼支持に流れた。
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(3) |
アイデンティティーの危機。アメリカ一極中心という世界情勢に対するある種のあきらめ。そして中国やインドの台頭で、自国への自信喪失。そこで、神話的な過去の栄光にすがりたい気持ちを右翼は利用する。 |
以上がパスカル氏の分析の要約だが、私たちの国にも概ね当てはまるような気がする。 |