本当に「再チャレンジ」が可能な社会を再構築したいなら、再就職やフリーター対策、特に正規社員と非正規社員(アルバイト、パート)との待遇格差の改善などに、具体的にメスを入れる政策を提示しなければならないはず。
景気回復が叫ばれて久しいけれど、その回復はいったいどのようにして行われてきたのか。
大企業における凄まじいリストラと、下請の中小零細企業への締め付け買い叩き、アウトソーシングと称する派遣社員の低賃金労働に支えられた回復に過ぎないでありませんか。それが景気回復の実態であり、陰で泣く労働者や失業者には、冷酷な扱い。
ホリエモン、村上ファンド、さらにはそれに群がった福井日本銀行総裁、さらにさらに、その日銀の超低金利政策で史上空前の利益を出したメガバンク各行のウハウハ顔の下で、私たちの社会に何が起こっていたのか。
「下流社会」なる言葉さえ生んだ低賃金の人々の犠牲の上に成り立った景気回復。どこに「再チャレンジ」なる優しさがあるのでしょう。路上に暮らさざるを得ないホームレスの数をこれほど増やしておいて、何が「再チャレンジ」なのですかっ!
なのに、それらの人々への本当の救済政策には一言も触れず、この言葉を政局の武器としてもてあそぶ。とてもまともな政治家とは言えない。
さらに官房長官としての公式発言が、例の「敵基地攻撃論」。
あのかつての自民党きってのタカ派政治家と呼ばれた山崎拓氏にさえ、「なんたる暴論」「日本の国是たる専守防衛に反する重大な憲法違反だ」と批判される始末。
このいきさつを、先ほどの「サンデー毎日」は「まるで子どものギャング団だ---」と批判しています。その通りでしょう。
靖国問題では、各新聞やテレビの世論調査で、「靖国参拝反対」が「賛成」の倍以上の率を示しています。安倍氏はいったいどうするのか?
こう考えてくると、この安倍氏に私たちの国の舵取りを任せるのは、とても不安です。ちょっと育ちのよさげなお坊ちゃまぽさと、やや舌っ足らずの口調に騙され、その陰の超タカ派的短絡思考回路にうかうかと乗っては危ないと思います。
私たちは、憲法改定、特に九条の改定には反対するからです。
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