朝日新聞は、7月13日の夕刊の三面記事の三分の二ほどを使い、ジダンがはじめてこの事件について、仏のテレビ番組で語った内容について、テレビ画面に映るスタイリッシュなカラー写真と共に、次のように紹介している。
ジダン、「頭突き」TVで釈明
テロリスト発言「まあそうだ」
<リード>
サッカーW杯の決勝で相手のイタリア選手に頭突きし、退場処分となったフランス代表主将のジネディーヌ・ジダン選手は、12日夜、仏テレビで「母や姉を傷つける言葉を繰り返され、耐え切れなかった」と釈明した。真相解明は国際サッカー連盟(FIFA)の調査に委ねられる。
<本文>
「言葉はしばしば(暴力)行為よりきつい。それは、私を最も深く傷つける言葉だった」
どんな言葉だったのかについては、「とても口には出せない」と伏せた。
英紙がマセラッティ選手の挑発として奉じた「テロリスト売春婦の息子」との発言の真偽を問われると「まあそうだ」と答えた。ジダン選手はアルジェリア系移民2世。
<以下略>
沈黙したまま、私たちの前から姿を現したジダンは、その試合から3日後、テレビのインタビューで答えた。その模様は録画され、日本のテレビ番組でも編集され伝えられた。各紙新聞でも、大きく取り上げられた。私たちの多くはここではじめて、ピッチの内外に存在していた「人種差別」について、知ることになったのではないだろうか?
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