これもかなり話題になりましから、ご存知の方も多いでしょう。
そうです、「合計特殊出生率」です。
これは、「女性が出産可能な年齢を15歳から49歳までと規定し、その年齢の女性のそれぞれの出生率を算出し、人口構成の偏りなどを考慮して、ひとりの女性が一生に産む子どもの数の平均を求めたもの」ということです。
つまり、調査対象の男女比が1対1であり、すべての女性が出産可能な年齢まで生きると仮定した場合、この合計特殊出生率が2であれば、人口は横ばい、2以上なら人口が増加する、ということになるわけです。
まあ、すべての女性が出産可能年齢まで生きるわけではないし、その他の要因も考えられるので、実際には、2.08以上でないと自然増にはならないとされているそうです。
そうだとすれば、私たちの国は危機的状況にあるといえます。
終戦直後に4.5以上の合計特殊出生率を示し、1975年には2を割り込んで、それ以降、この率は下がるばかり。
そして昨年、ついに1.25。
二人の男女で産む子どもの数が、たったの1.25人。人口はみるみるうちに減っていきます。
これが、年金制度崩壊につながることは、説明するまでもないでしょう。それなのに、政府(厚生労働省)は、ずさんな予測を立てたまま訂正もせず、その間違った予測を基に年金制度をいじくり回してきたのです。
「100年安心年金制度」などと、絵に書いた餅にさえならぬスローガンを振り回して、私たちを欺いてきた責任は、いったい誰が引き受けるのでしょう。
それを隠蔽するための「必殺猫だまし」が例の「郵政民営化是か非か選挙」でした。そして、有権者たちはまんまとその「猫だまし」に引っかかってしまったのです。
年金と郵政民営化、いったいどちらが大事だったのか、今考えれば、簡単に分かることだったのですが。
引退する小泉さん、その無知に付け込んで数年ともたない「100年計画」を作った政府・官僚たちは、それこそ万死に値する。
そうではありませんか?
格差が広がる中で、年金にしか頼れない老齢者たちは、すでに切り捨てられた存在なのでしょうか。
猪口邦子少子化対策担当大臣は、とにかく出産費用のばら撒きなど、お金を出せば出生率は上がるという、学者(でしたよね)にあるまじき単純なお考えの持ち主のようです。
そりゃあ違うぜ、と断言しておきます。
まず、女性が働きやすい社会を作ること、男女共同で子育てが出来る環境を企業などに義務付けること、そして何よりも、戦わない国を作ること。それ以外に女性が子どもを産みたくなる施策はないのです。
兵士として送り出すために、子どもを産みたいと思う女性がいますか? |