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2011-12-07up
「マガ9学校 第13回」
2011年11月19日(土)14:00~17:00
@カタログハウス本社地下2階セミナーホール
これからの日本はどうなっていくのか? 世代も育った背景も異なる三人による熱いトークとなりました。
鈴木邦男●すずき くにお(一水会顧問)1943年福島県に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。同大学院中退後、サンケイ新聞社入社。学生時代から右翼・民族運動に関わる。72年に「一水会」を結成。99年まで代表を務め、現在は顧問。テロを否定して「あくまで言論で闘うべき」と主張。愛国心、表現の自由などについてもいわゆる既存の「右翼」思想の枠にははまらない、独自の主張を展開している。著書に『愛国者は信用できるか』(講談社現代新書))、『言論の覚悟』(創出版)、『失敗の愛国心』(理論社)、『右翼は言論の敵か』(ちくま新書)など多数。マガジン9では、「鈴木邦男の『愛国問答』」を連載中。
藤波心●ふじなみ こころ(アイドル)1996年生まれ。兵庫県出身。ジュニアタレントとして活躍中だったが、3・11の東日本大震災と福島第一原発事故に際し、自身のブログに綴った内容と文章が大きな話題に。炎上騒ぎにもなったが、有名人らにもRTされ年代を超えて広まることに。原発撤廃を訴えて、積極的にデモにも参加。また岩井俊二監督によるドキュメンタリー作品『friends after 3.11』では、監督と共に被災地をたずねている。著書は『間違ってますか? 私だけですか? 14才のココロ 』(徳間書店)
鈴木耕●すずき こう●(編集者)1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。1999年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『スクール・クライシス 少年Xたちの反乱』(角川文庫)、『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)など。「パックインジャーナル」(朝日ニュースター)では、鈴木力として出演。ツイッター@kou_1970でも日々発信中。 マガジン9ではhttp://www.magazine9.jp/osanpo/index.phpを連載中。
第一部は、鈴木邦男さんの基調講演です。今回は11月17日に集英社新書から刊行された『愛国と憂国と売国』の出版記念トークイベントでもあります。そもそもこの本は、マガジン9で連載中の人気コラム「鈴木邦男の愛国問答」を土台に大幅に加筆、修正したもの。書籍化の話が出てから、約2年。なかなか難産だったその理由についてもお話しくださいました。
第二部は、この本の編集を務めた鈴木耕さんが聞き役となり、鈴木邦男さんと藤波心さんとの三人によるトークセッションです。藤波心さんは、以前、鈴木邦男さんがパーソナリティを務めるラジオ番組に出演した際に、ゲストで出演。その聡明さに一気にファンになった鈴木さんが、今回のトークセッションのお相手にと選ばれ、実現しました。
藤波さんは、3・11の後、自分のブログで原発について綴ったブログが反響を呼び、1週間で300万アクセスを超えるほど注目を浴びました。作家の高橋源一郎氏が絶賛したほどの文章でもありましたが、「炎上」に近い事態にも発展しました。しかしその後も、藤波さんは自身の考えを変えることなく、発信を続け、脱原発デモにも参加し、そこで鈴木邦男さんと出会い、「右翼と呼ばれている人なのに、左翼的と言われるデモに参加されている。なんて柔軟な人なんでしょう」とファンになったそうです。
第三部は、会場からの質疑に答える形で、トークセッションが続きました。 藤波さんは、鈴木さんの著書『愛国と憂国と売国』の中で、一番心に残った箇所として「傷ついた者を救うのが国家であるはずだ。人間が何のために国家を作ったのか、考えてみればいい。黙っていれば強い者だけがまかり通り、弱者を食いものにする。だから、弱者も生きられるようにルールを作る。イギリスの哲学者、ホッブズだってそう言っているじゃないか。それが国家だ。だが、その国家がうまく機能しているとは私には思えない。」を引きながら、「私はこれまで人間は、弱い人たちが守られるような社会や国であるために、いろんなルールを作ってきたと思っています。それなのに今の日本や世界の動きを見ていると、TPPの問題にしても、国際競争力をつけなければ生き残れない、などというこの流れは、私たち人間が動物にもどっていっているのではないか、そんな風に感じています。人間は、動物との差を見いだしてこれまでやってきたのに、弱肉強食の社会をつくるというのは、私たち人間がこれまで作ってきたルールや生き方に反するのではないか、と私は思うのです」と藤波さんは自分の意見をきっぱりと述べました。
最後は著書の販売とサイン会。「藤波さんのブログを読んでいる時は、14才にしてはあまりにもしっかりされているので、誰かゴーストライターがいるのかと思っていましたが、今日お話をされているのを聞いて、本当に書いているんだと思いました」という声がいくつも寄せられました。
*
●アンケートに書いてくださった感想の一部を掲載いたします。(敬称略)
原発の問題、右翼云々の話題、被災地の問題が全て入った内容で、これはこれでつながっている問題であるし、間違った方向では無いのですが、次回は各々の話題について、少し集中的な話になるイベントもやっていただければありがたいように思います。藤波心さんの真っ直ぐで何の計算も無い発言が、どんな小難しい理屈より、一番大事なものを教えてくれたように感じました。(匿名希望)
藤波心さんの考え方や受け答えなど、とてもわかりやすくて筋が通っていて、本当にスゴイです。鈴木邦男さんが孫ほどの年の差にもかかわらず、彼女の事を一人の人間として、とても大事に対応している様子を拝見し、気持ちのいい関係だと思いました。鈴木耕さんの進行も、話がよく整理されていて良かったです。(倉上良子)
参加して良かったです。鈴木耕さんの著書は「反原発日記」もtwitter も愛読しているので、お目にかかれてうれしかったです。心さんのお話にも共感。「ごくまともなこと」を言えるのが、今の日本でいかに大変かを感じました。次元が違いますが、私も声を上げ続けます。鈴木邦男さんの「言論の場がないと自分を客観的に見られない」に共感します。本、読みます。ありがとうございました。(古林恵)
色々とパネラーから、興味深い話が聞けて良かった。映像・・・特に藤波心さんの岩井俊二監督とのショットが印象的!(匿名希望)
とにかく藤波心ちゃんの考え方の筋の通り方には感心するばかりです。 両鈴木氏さんのお話もきちんと自分の言葉で語られていて、聞いていて心地良かったです。(匿名希望)
心さんに会えて、大変感激しております。9条の会も若い方の参加をと思っているのです。全国の「心さん」出でよ、です。日本人の性格なのか知れませんが、普段は恥ずかしがっているのに、突然、地震のように一揆を起こす、というのでは危険です。心さんには、自分の言葉をいつまでも出していってください、と願います。(匿名希望)
藤波心さんの周囲の人との温度差についての話が印象的でした。まともな人ほど生きづらい世の中なのだと改めて考えさせられました。(匿名希望)
一度は聞きたい! と思っていた人の話を聞くことができ、とても嬉しかったです。よい暮らしのための反原発に右も左も無いことのすばらしさと自分は右だとはっきり言える鈴木邦男さんの、いさぎ良さにも感銘を受けました。(匿名希望)
原発問題では右も左もない事が確認できました。(匿名希望)
藤波さんの意見や考えがしっかりとしていて、一言一言が聞き応えがあって、聞いていておもしろさやたくましさを感じました。(米田智彦)
若者の参加者が多いのに驚きました(私以外20〜30才代?)心ちゃんの意見が、とてもわかりやすかったです。メディアは正確に報道しないものですね。(匿名希望)
「右翼とは何ですか」という話題を聞きながら、「レッテルを貼る」ということを考えていました。人と接する時、その人との関係が浅ければ浅いほど、相手のバックグラウンド、職業や出身、所属団体などから、どういう人なのか? ということをより早く知り得ようと、レッテルを貼る行為を自動的に行ってしまいます。理解していないものほど、怖いものはなく、自分を安心させるためにそうしてしまうんでしょう。できるかぎり、素直に相手を見ようと努力をするも、そうできず、悩ましく思うことが多いです。(野口義孝)
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