戻る<<

Kanataの「コスタリカ通信」:バックナンバーへ

Kanataの「コスタリカ通信」#003 自然いっぱいのコスタリカの海!

Kanata 大学を休学して2010年2月から1年の予定でコスタリカに滞在。日本の大学では国際学部に所属し、戦後日本の国際関係を中心に勉強をしている。大学の有志と憲法9条を考えるフリーペーパー「Piece of peace」を作成し3000部配布した。

コスタリカ地図

 こちらに着いて、ようやく一カ月が経ちました。わたしが住んでいる首都・サンホセにおいては、少しずつ一人で移動ができるようになってきましたが、難しいのがバスです。こちらの交通機関は主にバスかタクシーで、市内のバスであればだいたい200コロン前後(40円前後)で利用できます。電車は路面電車のようなものが走っていますが、まだ一度しか見たことがなく、あまり本数はないようです。友人によるとバスよりも遅いので、あまり利用する人はいないようです。バスは、かなりいろいろな路線があって複雑ですが、時刻表はなく、バス停はあってもそれ以外のところで乗る人もいるし、それ以外のところで降りる人もいます。慣れないうちはとても難しく、降りたいところよりだいぶ手前に降ろされたり、降りたいところを通り過ぎてしまうこともあります。

市内を走るバス。運賃のおつりを渡すのも運転手がやっていて、とてもはやい。運転は荒いが、街中のせまいところも見事に走っている。

 最近、少しだけテレビでやっているニュースが分かるようになってきました。先日、テレビでやっていた夜のニュース番組では、DVが問題になっていました。ニュースを見ながらの食卓では、ホストファミリーから「日本にもこういう問題はあるのか?」ということを質問されて、「どのくらいの数かは分からないけれど、日本でも問題になっている」という話をしました。中南米ではマチスモという男性権威主義のようなものがまだとても強いのが現状で、家庭内で父親が母親に対して暴力をふるったり、浮気をして家を出ていくというのは少なくない、とホームステイ先のお母さんも言っていました。その状況を打開するためという目的もあって、コスタリカには「女性省」が創設されています。国会議員にしめる女性議員の割合は世界でトップクラスであっても、こういう問題を抱えているということを知ることができました。この「女性省」については、また別の回で書きたいと思っています。

海までの道にいたワニ。あまりにも普通にいるので驚いた。

 2月の終わりごろにとても強い雨が降った日があり、傘を買いました。あまりにも強い雨だったのと、傘の値段が思っていたよりも高かったため、折りたたみ傘ではなく大きな傘を買いました。そして、翌日も雨の予報が出ていたのでその傘を持って登校したところ、通りすがる人みんなに傘を見られてしまいました。どういうことなのかコスタリカ人の友人に聞いてみると、こちらでは大きな傘はフォーマルでほとんどの人が折りたたみ傘を持ち歩くのが普通なので不思議に思われたんだと教えてくれました。私にとっては普通の行動だったので、ちょっとした違いですが、文化の違いに驚いた一面でした。

ワニは、橋の下にいるので人間のそばにやってくることはない。地元の人々はワニを見に車を降りる観光客目当てに土産ものや果物を売っている。

 先週末は念願の海に行ってきました。Playa Herraduraという、首都から一番近い海岸。車で約2時間かかりました。休日ということで、コスタリカ人の家族連れや観光客でとても賑わっていました。海に行くまでの途中の川には、ワニがたくさんいました。海辺でくつろいでいると、木の上からリスにかじったアーモンドの実を落とされ、また海のそばのホテルの敷地内では野生のイグアナをたくさん見ました。つかの間ですが地球上の生物種の5%が生存していると言われている、コスタリカの一面を見られた1日でした。

賑わう海辺。奥に見えるのはリゾートホテル。

 Playa Herraduraは、太平洋に面していますが、先日のチリの地震の影響は、私が見た限りでは見られませんでした。日本にいる知人から、チリ 地震の被害はなかったか? という連絡がきましたが、わたしが住んでいる首都のサンホセまでは影響はなく、ニュースでも地震の報道は少なく、人々の話題にもあまりのぼりませんでした。しかし、遠く離れた日本でも津波が発生したということを知ってなんだか不思議に思ったのと、やっぱり地球はつながっているんだということを実感しました。

海辺と小さな島。上に少し写っているのはアーモンドの木。

 コスタリカには活火山があるので、地震は少なくありません。わたしがこちらに到着してから、すでに2回ほど地震があり、一つはかなり大きいものでした。こちらの人たちも日本人と同じように地震が起きるとかなり慌てています。この前の地震の時も、知り合い何人かに「大丈夫だった?」という連絡をもらったり、地震の後しばらくの間近所の人たちが出てきて地震について話していたりしました。
 少しずつですが文化の違いや共通点なども見えはじめてきたところです。

ホテルの敷地内を悠然と歩くイグアナ。ホテルの管理人も全く驚いた様子はなく、当たり前のような感じだったが飼っているわけではない。

←前へ次へ→

現地滞在1カ月が過ぎたKanataさん。
首都から車で2時間で、野生のワニに出会えるなんて
さすが、「環境先進国」コスタリカといったところでしょうか。
気になる「女性省」についても、
さらなるレポートが楽しみです。
ご意見・ご感想をお寄せください。

ご意見フォームへ

ご意見募集

マガジン9条