千曲市九条の会では、九条の会事務局長小森陽一さんを講師に、学習と交流のつどいを開催しました。集会は、190名のみなさんがつめかけました。
講演に先立つアトラクションでは、憲法9条と新しい憲法の話の朗読とギター演奏があり、会場を盛り上げてくれました。
小森さんは、講演の冒頭で、教育基本法が、日本国憲法の理想を、国の命令ではなく、一人一人の国民が自ら進んで自発的に実現するために、教育の力に「まつべき」ものとして、つくられたものであることを指摘したうえで、教育基本法と日本国憲法の関係の密接な関係を断ち切り、戦争ができる国づくりをすすめるたの改悪だと、政府・与党のすすめる教育基本法改悪のねらいを明らかにしました。
また、憲法9条改悪のねらいは、石油エネルギーをめぐって、極めて緊張した中国とロシアとの関係にあるアメリカの世界戦略のなかで、日米安保条約にもとづいて、文字通り集団的自衛権を行使できるようにするための、強い要求にもとづくものであると指摘。 自民党の新憲法草案は、文字通り「改憲」ではなく、今の日本国憲法が前文で禁じている、「人類普遍の原理」にそむく、まったく別物の「憲法」をつくろうとする、 憲法クーデターであると、その本質を明らかにしました。
そのうえで、小森さんは、現憲法の掲げる「戦争放棄」が、国連憲章との関係で、広島・長崎の被爆体験を経たうえでの人類の到達であり、21世紀の世界は、まさに今その原理で動き始めていると指摘。その時に、9条を捨てるのではなく、もう1度選びなおして、日々それを使い、子どもたちに手渡していくことこそが、私たち大人の役目であること。ちょっとした勇気をもって、今どこでどのように自分自身として憲法が大切なのか、その言葉を発していくことができれば、この草の根の運動を大きく広げていくことができるはずだ。小さな学習会でも何でもいい。私たちが主権者として憲法について、語る。この一点がこの運動のいのちだと締めくくりました。
参加者からは、「分りやすく、楽しく、すばらしい講演でした。頭をたたかれたような、目の覚めるような時間でした。憲法が詰め将棋のように、あらゆる方面から国民主権、平和主義を守っていることがわかりました。ありがとうございました。」「学校でこのように憲法の大切さを学びたかった。」「一人の力は小さいけれど、皆で力をあわせ、9条を死守していこうと強く思いました。」との感想がでました。
閉会では、有志のみなさんに、小森香子(小森さんの母親)さん作詞の「青い空は」 の合唱を披露していただきました。また、会場では、この日にあわせて作られた、トレーナーやTシャツなどの9条グッズや小森さんの著作が販売され、購入を求める参加者で賑わいを見せていました。
*千曲市九条の会
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