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vol.2
ウエブ上で展開する個人日記ブログの登場により、個人からの情報や意見発信が盛んです。マガ9編集部でも、ブロガーのみなさんの活発な活動に日々注目しており、パワフルなブロガーのみなさんに、レポートをお願いすることにしました!
第2弾は、第1弾にひきつづき、「お玉おばさんでもわかる政治のお話」の管理人、お玉おばさんのレポート、その2です。お玉おばさんがカンボジアを訪れた時、現地では選挙運動真っ最中だったそう。日本の外務省からは、「集会やデモが行われているところには近づかないように」との通達が出ていたそうですが、さてその実態は・・・?
カンボジアの選挙カー・・こんな車やバイクがこのあとずら~っと横を通っていきました。
今回の旅行はちょうどカンボジアの地方評議会選挙運動中に重なってました。カンボジアの選挙といえば、国連の職員だった中田さんが殺害されたことがまだ記憶に新しく、選挙のために多くの人が亡くなってきた過去を思えば、時期的には避けた方が良かったかもしれません。
なんせ、外務省
選挙といっても日本のように数多くのポスターが貼ってあるわけではなく、シェムリアップでの選挙ポスターは2種類目にしただけでした。 でも選挙運動は日本よりある意味派手かもしれません・・お玉が出会った人民党の宣伝部隊(といういい方がピッタリ)は黄色いTシャツに黄色い帽子でトラックに宣伝員を山ほど乗せ、そういう車とバイクを何十台も連ねてえんえんと行列が続きます。お玉がそれらの車を見かけたのはベトナム移民の水上生活者が多いトンレサップ湖までの道とアンコールワット内の住民居住地でしたけど、高床式の貧しい住まいの立ち並ぶ地域には似つかわしくない派手な選挙活動のいでたちに「こういうのって反発ないのかねえ・・」と勝手に思っていました。選挙活動部隊は手を振って、なにやら音楽を流しながら進んでいくのですが、周辺住民はそれほど興味もない様子に見受けられました。(といっても車越しに垣間見ただけですが・・・)
ポルポト派の残党の恐怖があり、国連のボランティアとして選挙に関わった中田厚仁さんが銃弾に倒れたのは1993年でした・・・・
1998年は第一第二首相間でもめて内戦がおこったそうで、2003年は過去最高の平和な選挙だったとの報道がなされてましたが、それでも選挙活動中に人が殺され、このときの選挙当日は王宮近くで手榴弾が見つかったりと、とにかく物騒な選挙が続いていました・・今回はどうだったのでしょうか?そんなに犠牲者は出なかった(20人程度でしたっけ)というような報道を新聞で読みましたが、やはり何らかの形で人が殺されたのですね。
シェムリアップ自体が表向き安全な観光スポットを目指していることもあるのでしょうが、そういう危険な雰囲気を感じることは短い滞在期間中一度もありませんでした。ただ、 現地ガイドのリーナさんがつたない日本語で何度も「警察や政府がお金を沢山持っていて、私たちに回ってこない」というような話を聞かせてくれました。それでもあまり人気のないらしい第一党の人民党が勝利するのかなあ。いろいろ不満がある政府だけど、平和の維持に努めたと一定の評価がある人民党を支持することになるらしい。せっかく手に入れた平和を変革によって手放すことにならないか・・そんな不安を持つカンボジア人が多いという話を聞いたことがあります。どうなるのでしょうか・・・・もう投票は終わっているのに、最終的な選挙結果はなんと今月の終わりにならないと出ないそうです・・カンボジアも来年は本格的な総選挙を控え、お玉は個人的にここの選挙から目が離せないです。
全体的にはまだまだ今から開発を進めていくのだろうと思えるシェムリアップですが、その中で、非常に立派な建物があり、朝5時に通りかかると、子連れの人が何百人も集まっていました。リーナさんに聞くと、「子ども病院」とのこと。診察代も薬代もすべて無料で受けられるそうで、遠い街からもここまで来ているらしい。朝の5時に来ようと思ったら一体何時に家を出発しているのだろうか・・・
さて、アンコールワットの話も少し書いておきましょうか・・その病院を通り過ぎ、まっすぐに進んでいくと、アンコールワットの入り口につきます。一日券だと1人20ドルというあちらの物価からするとかなりな高額を支払いますが、観光で収益を上げようとする政府の方針からすれば当然でしょう。もちろんカンボジア現地人はただです。アンコールワットはクメール・ルージュにより寺院の多くを破壊されてしまい、今もその修復活動が進んでいますが、実は日本の上智大学が修復と遺跡の発掘活動に大変力を入れています。お玉は旅行前に教育テレビの上智大、石澤教授の短期集中講座でお勉強してから行ったのですが、彼の遺跡保護活動はカンボジア国内で大きな評価を受けているそうです。
これはレストラン内で見かけた祠ですが、一般の民家のものもこのくらい立派なものがたくさんありました。各家庭必ずあるようです。
実際観光してみると、いろいろな場面で彫刻を削り取られたり、破壊された跡を見ることができますが、それでもすべてを破壊し尽くせなかった程に広大で緻密な作りの石像や建物にお玉は畏敬の念を感じずにはおれませんでした。破壊されていても尚、神々しい存在感のある場所、それがアンコールワットだと思います。
またこの国の人々の信仰心の深さも本当に素晴らしいです。どんなに貧しい家であっても玄関口には必ず「祠」が祀られてあります。花が向けられ、供え物をし、毎日神を身近に感じつつ日々の生活を送るカンボジアの人たち。あまりにも短期の滞在だったために上っ面だけを見て、観光客に一生懸命ついてきて物売りをする子供達を「可哀想」と感じる瞬間もありましたが、相反して、それは何か間違った認識のようにも思えました。タブローム寺院への道中、アメリカ人の男性が1人の男の子から土産物を買うとそのあと本当に山のように物売りの子どもや大人が彼のあとをついてきて、取り囲んでしまったのを目撃しました。さすがに十数人に取り囲まれるのは大人でも圧倒されて、なんだか怖いです。お玉の友人はそこで、「2個ワンダラ~」と日本語で言いながらず~~っとついてきたかわいらしい子どもから土産物を買ってあげられず、優しい彼女は、少し落ち込んでいるようにも見えました・・う~ん、今なら車に乗り込む瞬間まで根性でついてきた子どもの商品は買おうかなあと思えるのですが・・
こういった、観光客の心理を読んでくる子供達の姿に、お玉は生活するための「したたかさ」と生きるための「たくましさ」をとても感じました。次回訪れたときにはもう少し上手にこういった子供達とも接してみたいな。
あれま、またカンボジアだけで話がとぎれちゃった。次回はちょこっとだけベトナム・ホーチミンのお話と・・あとは何か、普段お玉のブログでは書かないような話も交えてできたらいいかな?ではでは、また。
ところ変われば選挙の風景もずいぶんと異なるものだということ、
お玉おばさんのレポートでよくわかりました。
選挙は「安全で公正である」はごくあたり前のことではなく、
実は相当に困難なことである、ということも。
お玉おばさん、ありがとうございます!次回も楽しみにしてます。
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