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vol.1
ウエブ上で展開する個人日記ブログの登場により、個人からの情報や意見発信が盛んです。マガ9編集部でも、ブロガーのみなさんの活発な活動に日々注目しており、パワフルなブロガーのみなさんに、レポートをお願いすることにしました!
第1弾は、憲法や政治、平和、世の中のことをテーマにわかりやすく解説しつつ、時にソフトに、時にバッサリ意見を言う、人気ブログ「お玉おばさんでもわかる政治のお話」から。管理人のお玉おばさんに書いていただきました。
アキラ地雷博物館入り口左右の柱は撤去した不発弾
こんにちは「お玉おばさんでもわかる政治のお話」管理人のお玉です。こないだ、お玉はカンボジアとベトナムを旅行してきました。ひょんな事から「マガジン9条」編集のTさんに薦めて頂いて、ここに旅行記を書かせてもらえることになりました。
普通の観光旅行のはずが、ちょっとだけ、他の日本人観光客の人たちがしないような旅だったもので・・その部分をお話ししてみたいなあと思ってます。
お玉は、久々の飛行機にちょっとわくわくしつつ乗り込みました。で、ホーチミンでの乗り換えもいれ、7時間ほどでカンボジアへ入国!!ビザは旅行代理店だと一万円以上かかるところですが、eビザというカンボジアの役所がネットで受け付けてくれるビザを取り、三千円ですませました。代理店では2週間は猶予を見るように言われていたのに、このネットでのビザだと翌日にはメールで発行してもらえました。お玉のお薦めです。
シュリムアップ空港は小さな所でしたが、免税店の雰囲気はホーチミン空港よりも洗練された感じを受け、土産物の小物類にもアイディアと心配りがあり、免税店の売らんかな~な感じがなくて、お玉は気に入りました。
夕方空港に着いて、現地ガイドのカンボジア人「リーナ」さんと合流。本当はすぐにレストランへ直行するはずでしたが、リーナさんの「今から行きたいところありますか?」のひとことに「アキラ地雷博物館へ行きたいけれどもう閉館してるよね。(17時までだった)」と駄目もとで聞いてみると、「わかった、今から行きましょう!!」と運転手さんに話して、ちゃっちゃか~~~と車を出してくれました。
アキラ地雷博物館、ここをお玉がはじめて知ったのは地元神戸の「9条の心・ピースフェスタ」でのイラクで人質経験のあるカメラマン、郡山総一郎さんの講演会ででした。彼がカンボジアでの地雷撤去の様子をスライドで説明する中で出てきた人、それが「アキ・ラ」さんでした。彼が撤去したという山のような地雷や手榴弾の数々に驚き、遠いそんな国まで取材に行った郡山さんってすごいな~などと漠然と思っていました。まさかその一年半後に自分がその地へ来ていようとは・・・
さて、車はすぐにシュリムアップ市内へと入っていきます、アンコールワットのゲートもくぐり、遺跡を間近に見て、もうお玉の心はワクワクドキドキしてます。ところが・・たった一本、道がはずれただけなのに、車はいきなり観光客が誰も通らないようなガタガタの狭い道を進み出したのです。道の両側にはどうにか雨露がしのげる程度のぼろぼろの家が延々と続きます。その家の中には、3~5人くらいでしょうか、小さな子供達の姿も見えます。大人も子供も鶏もイヌも猫も・・みんな痩せてます。栄養失調と言うほどではないですが、すべての人が同じ体型に見えてしまうほど痩せて見えました。2才くらいでしょうか、小さな子供たちはみな素っ裸だったのも驚きました。
その道をどんどん奥へと進むのですが、途中何度か、その様子を写真に収めたいと思いつつ・・一観光客が浮ついた気持ちを引きずりつつシャッターを切る事への躊躇が大きく撮すことはできませんでした。アキラ博物館手前まで着たとき、子供達がボールで遊んでいる姿が目に映りました。その中の数人、足がない子、手のない子供が見えます。まだ、10代前半くらいでしょうか・・「彼らは地雷で手足をなくしました。アキ・ラさんは彼らを保護してここで一緒に生活しています」
見にくいですが、地中にどのように地雷が埋めてあるのかを再現しています。実際には地雷の上に土や枯れ葉がかぶせてあり、どこに埋まっているのか分かりません。
博物館というには無理はありそうな粗末な場所でしたが、何の説明を受けずとも、ここの地雷の山を目にするだけで、アキ・ラさんが取り組んでいる地雷撤去がいかに大変な作業なのか、実感できます。その博物館一体がほんの10年前まで地雷だらけの場所だったそうで・・・でもここって、観光客が沢山いる場所からそんなに離れてないじゃない・・
「日本人はたくさん来ますか?」とリーナさんに聞いてみたところ「団体はいないね。あなた達みたいに1人、とか2人とかで来ることが多いよ。」とのこと。そんな説明を受けているとき一台の大型観光バスが到着。韓国からのお客さん30名ほどいたでしょうか・・
「韓国人は沢山ここへ来るよ、バスに乗って・・」
こんなガタガタ道をバスで乗り付けてくると言うことは、観光ツアーに組み込まれているってことなのか・・その後お玉たちが行った内戦関連の場所ではことごとく、こういった韓国人ツアー客の方々とご一緒になりました。でも日本人には殆ど会えませんでした。
ベトナム戦争に参加した事なども関係あるのかもしれません。
地雷だけではなく、戦闘機から落とされた不発弾も数多く展示されてます。すべてアキ・ラーさんたちが掘り起こしたものです。彼1人で2~3万個もの地雷を処理したそうです。
なんだか、淡々と書いてしまいました。真実が見たい本物が見たいという思いで訪れた「地雷博物館」でしたが、あの場所にも地雷が沢山埋まっていたという事実が一番リアルにお玉の胸に刺さりました。地雷で手足をなくしたり、そのほかいろいろな損傷を受けた子供達・・ベタですが、戦争や内戦やテロは絶対にダメ、それは何の罪もない子どもたちが巻き沿えになるから・・・他の地雷撤去NGOと違ってほぼ1人で作業を行なっているというアキ・ラさん。カンボジア全土で地雷のために亡くなる人は2005年でも800人以上。昨年は400人・・全世界には一億個以上の地雷がまだ地中に埋まっているといいます。人間はどんどん残酷な兵器を作り出してしまうけど、その兵器を使用した先にある哀しみになぜ目をつぶり耳をふさいでしまうのでしょうか・・・今こうしている間にも誰かがどこかで地雷の犠牲となっているのです。
見てきたことを回想しつつ実感を込めて私は言いたい、「いかなる理由であろうとも、戦争は絶対に許せない」と・・
ブログのトラックバックでもお馴染みのお玉おばさん、
今回は貴重な旅の体験レポートをありがとうございました!
次回分も楽しみにしています。
みなさんからのご意見もお待ちしております。
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