愚安亭遊佐 ひとり芝居
『百年語り』のお知らせ
●新潟公演
10月
09日(金)19:00〜
10日(土)14:00〜
加茂市 シアター遊佐(旧・加藤眼科)
新潟県加茂市穀町4-8●東京公演
10月
14日(水)19:00〜
15日(木)19:00〜
16日(金)19:00〜
17日(土)15:00〜
SPACE 雑遊
東京都新宿区新宿3-8-8新宿O・TビルB1F
都営地下鉄新宿線 新宿三丁目駅C5出口・目の前
JR新宿駅 東口より徒歩10分
http://www.zatsuyu.com/※いずれも開場は開演の30分前
予約・問合せ/遊佐企画 090-2328-1175(木本)
昨年に引き続き、今年も愚安亭遊佐さんの新潟・東京公演が決まりました! 愚安亭さんの代表作“下北三部作”のうちの『百年語り』を上演します。この作品は、愚安亭さんの実父の一代記。原子力船「むつ」の母港建設問題で揺れるむつ市関根浜の歴史を、下北弁で語ります。
どうして、今この演目を選んだのでしょう? 9月某日、公演の準備で東京を訪れた愚安亭さんにお聞きすると、こう話しました。
「『むつ』の放射線漏れ事故から、40年ほどがたちます。もう忘れている人も多いかもしれませんが、語り続けなくてはならない船なのです」
1974年、青森県沖を試験航行していた「むつ」は、放射線漏れを起こしました。その危険性から、「むつ」は行き場を失い、あちこちの港から受け入れを断られていました。しかし、81年、関根浜に母港を建設することが決まりました。海が荒らされ、魚が捕れなくなりますから、多くの漁民が反対したそうです。それでも、反対運動は徐々に切り崩されて、母港はできました。その後、追い打ちをかけるように、使用済み核燃料の中間貯蔵施設が建設されます。
ここには、東京電力と日本原子力発電の原発から出た使用済み核燃料が、最大5000トンも集積される予定です。2016年10月にも、運用開始されようとしています。一応、期限は50年とされていますが、延長されないとも限りません。
原発問題に比べて、中間貯蔵施設のことはあまり取り上げられることがありませんが、東京の電気が生んだ放射性廃棄物が、遠く離れた下北半島に集められているのです。
愚安亭さんは「当時のことを知っている人は、もうだいぶ亡くなってしまいました」と言います。だから、今、『百年語り』を上演するのだそうです。
みなさんお誘い合わせのうえ、ぜひお出かけください!(A子)
〜あらすじ〜
明治38年。飢饉つづきで、四男坊の亀二は一番年上になってしまった。
親子6人、生まれ故郷の八戸を捨て命がけで北に向かった。6オの事だった。
辿り着いたのは本州の北の果て、下北半島の関根浜。
「漁師に学問はいらねえ」の一言で小学校をやめさせられ、亀二は漁師になった。
イワシの地曳き番屋で働き、イカ約りをやり、厳しい自然のもと成長した彼は、やがてブリの定置網の親方になった。
父が死に、戦争があったが亀二は関根浜の自然を愛し、海の男として誇らしく生きた。
そんな被の浜に、原子力船「むつ」が来た。
今語らねば忘れ去られてしまうだろう関根浜の歴史。愚安亭遊佐の父の人生の物語。●プロフィール
愚安亭遊佐(ぐあんてい・ゆうざ)1946年青森県むつ市関根浜に両市の網元の8人兄弟の5男として生まれる。「劇団三十人会」を経て、自ら「劇団ほかい人群」を結成。1979年、母の死をきっかけに、ひとり芝居「人生一発勝負」を作り、全国芝居行脚の旅に出る。現在6作自演。「人群れる所、常に劇場を」と全国津々浦々を公演で巡る。1995年よりホクトーヴァプロジェクト「野外音楽祭『祭』」の脚本・演出・主演もつとめている。●愚安亭さんをもっと知りたい方はこちら
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