小石勝朗・越膳綾子著/現代人文社
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本書は、北は市民ファンドによって風力発電所を建てている札幌市のNPO法人北海道グリーンファンドから、南は温泉の湯を活用した発電を行う長崎県雲仙市の一般社団法人小浜温泉エネルギーまで、全国11カ所で行われている地域エネルギー発電所の事業化の試みについて報告し、脱原発をめざす首長会議事務局長で元国立市長の上原公子さんと一橋大学大学院の寺西俊一教授の対談(「地域経済の自立をめざす地域エネルギーづくり」)を設け、上記会議のメンバーである茨城県東海村の村上達也村長、青森市の鹿内博市長、兵庫県宝塚市の中川智子市長の地域エネルギー政策の取り組みを紹介する3部構成だ。
なかでも地域のエネルギー発電所を採算の取れるビジネスにいくための悪戦苦闘ぶりに注目したい。小さな失敗を乗り越えつつ、事業化をめざす人々の取り組みが、現在進行形で語られる。
青森県は風力発電量が日本一であることを私は知らなかった。そして県内に設置された風車202基のほとんどが県外資本(県内は6基のみ)で、地元の利益になっていないことも。現在、同県では八戸市を拠点とするNPO法人グリーンシティが、同市の恵まれた日射量を利用した太陽光発電プロジェクトを展開している。東京都多摩市では、市民ファンドによって設立された多摩電力合同会社(通称「たまでん」)が行政と連携し、集合住宅や公共施設の屋根を借りるかたちでのソーラーパネルの設置を進めている。
地域発電所の存在は、地域独占の大手電力会社から電力を買うという、これまでのお金の流れを変えるだろう。お金の流れが変われば、地域が変わる。原子力発電に頼らない地域のあり方を模索することは、「脱原発」に留まらない、自立した経済活動を促すことなのである。
こういう活動こそ、自治体の長が濫用し、すっかり手垢のついてしまったスローガン「地方から日本を変える」を生き返らせるのではないか。
2人の著者(小石勝朗と越膳綾子)が、全国各地を歩き、地べたに近い取材を重ねていった成果である。地域経済がエネルギーの地産池消を通して持続可能なものになるためのヒントがちりばめられた本書。各地方自治体の産業振興課に一冊、置いておくことをお勧めする。
(芳地隆之)
太陽光も風力発電もお天気頼み。天気によって、発電しない。
病院も工場も家庭も電力の安定供給が必要だ。
自然エネルギーの発電量は小さく、コストは高い。
電気料金分回収前に寿命がきて、メンテ代を含めれば赤字になってしまうこともある。
低コスト・安定供給の火力発電を使うことに何の問題があるだろう?
二酸化炭素が出るからだめだという環境活動家がいるが、二酸化炭素は毒ガスではない。
普通に毎日吸っている、無害なガスだ。
地球温暖化の原因は、人が出した二酸化炭素ではなく、太陽活動の周期的変化の影響によるものという説が学者の間では主流になってきている。
参考 アフリカの電力の問題
http://www.youtube.com/watch?v=d9gUPd_On-E
花田さん、コメントありがとうございます。私は各地域の置かれた自然環境や産業構造に合ったエネルギー生産の在り方がもっとあっていいと思っています。