(2014年英/マシュー・ウォーチャス監督)
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1980年代半ばの英国。サッチャー旋風が猛威を振るい、20カ所にも及ぶ炭鉱閉鎖案に労働者はストライキで対抗、それも4カ月目に入ろうとしていた。苦境に追い込まれる炭鉱労働者とその家族を支援しようと募金活動を始めるマークたち。しかし支援を申し出ても断られるばかりだ。なぜなら彼らがゲイだったから…。
あちこち電話をかけるなか、ウェールズの炭鉱町ディライスが勘違いから受け入れてくれた。そこからマークたちLGSM(炭鉱労働者支援レズビアン&ゲイ会)と炭鉱労働者との交流が始まる。当然さまざまなトラブルも起こる。偏見も深刻だ。それでも彼らはそれらを乗り越え、交流を深めていく。
原題は「PRIDE」。そう、まさにプライドを持って、ともに弱い者同士が互いを励ましつつ、「違い」を認めた上で連帯する大切さ。決して説教臭くなく爽やかに、高らかに謳いあげる。ラストのパレードは勇気づけられ、実に感動的だ。たとえ、現実の彼らのその後が敗北であったとしても。
LGSMの若者たちを受け入れた炭鉱のダイは言う。「巨大な敵と戦っているとき、どこかで見知らぬ友人が応援してくれていると思うと、最高の気分です」。私たちが行なう抗議行動やデモ、募金や署名の向こうにいる人々を想像せずにはいられない。
音楽がまた楽しい。冒頭はピート・シーガー「連帯は永遠に(Solidarity Forever)」。集会所で女性たちが歌う「パンとバラ」の美しさ。カルチャー・クラブ、ザ・スミス、ブロンスキ・ビートといった当時のUKロックナンバーの数々も懐かしい。
東京・シネスイッチ銀座、大阪・シネリーブル梅田での上映は終了したが、全国各地で順次公開中だ。
(仲松亨徳)
この映画2回見に行きました。もちろんDVDも買う予定です。連帯しようと思いそれを実行する行動力私に欠けているものです。気持ちだけでは伝わらない行動あるのみ。これが実際にあったことだなんてそれこそ夢のような出来事に思えました。