今回はマガジン9のテーマが「この1年間を振り返って」ということで、何か書こうと思っていましたが、全然、手が動きませんでした。
単にグチになっちゃうからです。
ちょっとこの萎え萎え感が取れるまで、書くのやめようかしら、とも思いましたが、時間はそうはいきません。
イヤイヤ書きます。
この1年間は敗北感と空しさでいっぱいです。
何のために動いていたのでしょう?
何のために「脱ってみる?」を書き続けていたのでしょう?
脱原発の方々の中にも
「福島は今まで原発のお金で甘い汁を吸ってきたから自業自得」
「福島県人が周りを動かせないのに、都会人を動かそうなんて甘い」
「おしどりは福島のことだけ考えていたらいい」
「弱者の声を聞くのは個人の自由」
「東京に電気を送ってくれなど、福島に頼んだ覚えは無い」
などなどおっしゃる方々もいらっしゃいます。
直接にいわれます。
まぁ、脱原発をおっしゃるのは自由だけれど、それじゃあ原発は無くならないなぁ…。地方に原発を押し付けたマインドと変わらないもの。
そして、そういう方々でも「おしどりはムカつくけど、出す情報は欲しいのでマガ9は読む」と言われると、もうお願いだから読まないで欲しいよ! とも思います。
そういう方々のために睡眠時間も削って、生活費も削って、仕事も無くして動いてんじゃないものなー。
だから、みなさんメールマガジンとかにするのかしらね、有料ならまだ納得するもの。別に私は聖人君子ではないですから、心狭いよ!
おしどりは芸人になった頃、喜味こいし先生から「芸人は国のために漫才をするな、お客さまのために喋れ」と、よく言われていました。 第二次世界大戦の頃を踏まえてです。
だから、国のためでなく、お客さまのために喋らなくちゃ、でも喋るだけじゃ間に合わないな、もっと知って考えて動かなきゃ、と思ったわけです。
そしてこいし先生は
「お客さまを育てろ」
「お客さまに媚びるな」
「お客さまと通りすがりを間違うな」
とも、おっしゃっておられました。
「芸人だからと誰かれ構わず媚びるものではない、きちんと芸を磨いて、芸を売りなさい、通りすがりの人間に『ギャグやってくれ』『なんか面白い話してくれ』などと言われてもほっておきなさい、それは八百屋に野菜をタダでくれ、というのと同じだから」
そういう意味で、誰かれ構わず良い顔をするつもりは無いので、できるだけ情報を出そうと思っていましたが、正直、読んでほしく無い方がいらっしゃることにかなり萎えています。
国立演芸場の方に若手の登竜門の会に出して頂き、「おしどりは良い芸を持っているんだから、原発のことも大切だけれど、舞台もしっかり頑張りなさい」とおっしゃって頂いたとき、泣きそうになりました。
舞台だけの生活にどれだけ戻りたいか。記事より台本をどれだけ書きたいか。
でも、バランスの良い食事や運動が健康な体に必要なように、社会のことを知って考えることは、自分の人生のために必要なことと知ってしまったので、明日は新宿ルミネの舞台の前にやっぱり安全委員会の傍聴に行くでしょう。
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飯舘の仲良しと電話していたときにも、俺も仕事を無くす覚悟までしてさ、なんにも報われないのに、なんでこんなこと続けてんだろうね、以前の生活に戻りたいよ、という話になって。電話を切ったあと、なぜか号泣しました。うーん、ま、バイオリズムの関係?
しかし、彼も私も、来年も闘い続けるでしょう。
今、彼が考えていることに「ハーバード白熱教室」のような正義を考える会があります。大学で、大学生や若者を相手に、サンデル教授役を彼がやり、福島のJUSTICE(正義)を考えていく議論です。
そして私も平行して白熱教室をやります。私は大学生相手ではなく、ママさんたちや若者やサラリーマンやいろいろな方々。学者の先生がたも引っ張り出します。原子力工学だけでなく、歴史学や哲学や社会学の学者さまがたが考えるJUSTICE(正義)をお聞きして、みなさんと考えていきたいのです。
今、一番私が必要だと思うのは対話。原発推進派と反対派の議論を見たいよねぇ。被ばくについて安全派と危険派の議論もぜひぜひ見たい。汚染ガレキ受け入れ反対の方々と、福島の方々の対話も必要だし、全国のママたちのJUSTICE(正義)も知りたい。
現在の状況は、同じ考え方の方々で小さく集まって、話し合ってるという状況で、その集まりの中でも違う考えは言えなかったり。だからいいようにしてやられちゃうんだよね!
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というわけで、来年はもっと動くでしょう。
福島にも住む勢いでバリバリ行くし、環境省や文科省、厚労省などの会見や、安全委員会や保安院も要チェック。勉強もしまくって、原子力関連の資格も取りたいものですね!
そして「脱ってみる?」もリニューアル、この週一のウェブ・マガジンは「脱ってみる? ウィークリー」となり、マガ9ブログのほうに、新たに「脱ってみる? デイリー」というブログを立ち上げて頂くことにしました。そこにバンバン情報を書いていきますよ!! 泣きながらより動くほうを選択するのが私のやり方。
そして、おしどりの総合サイトもきちんと作り、もっと情報が引き出しやすいようにします。舞台の情報とかもね☆
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来年は泣く回数がもっと減りますように。泣かずに動けますように。脱・涙!!
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何のために動いてるんだろ? そう感じたときはすぐに飯舘の仲良しに電話します。そうそう、私はこの仲良しが大好きなんだった、周りにゴチャゴチャ言われても、そんなのどうでもいいんだった!
すぐに私が弱っているのを察し、慰めに入る彼。
「うーん、ま、敗北感と空しさっていえば、それはそうなんだけれどさ、俺たちが動かしたことも多いよ? 小児甲状腺サーベイの結果の説明会や、安定ヨウ素剤の投与指示について引き出したのも俺たちだと思ってるよ? プルトニウムの地図も文科省に出させるきっかけも作ったしね? 放射性プルームの中にいた、っていうことを認めさせたのもそうだし、最初は降ってきた、とか言われてたんだからさ! 敗北感っていうけど、動かせたことも他にもいろいろとあるよ? 大声で騒がないと、切捨てられるっていうのはよくわかったし」
あまりにも慰められて、少しひきました、そんなに私弱ってた? 来年からの闘いの打ち合わせをしつつ、スタンスについて、名言が出ました。
「マコさん、勝つのは本当に難しいよ、勝とうとするのではなく、引き分けに持ち込もう」
うん、それでいこう! そして、できるだけ自分のダークサイドも話し合っていこう、とも私は言いました。原子力はきっと、キレイごとではなく、それぞれの心の闇に付け込むものだから、イヤな思いも隠さず正直に口に出さないと、そこの弱さをつかれちゃう。なので、白熱教室は、JUSTICE(正義)を考えていくには、まず、自分自身のキレイごとでないダークサイドを出さなくてはね、そして、周りの方のも引き出さないとね、と考えました。
けど、まぁ、電話しながら、「うん、もう慰めはいいよ、元気になってるから」と5回は言ったね! 恥ずかしいわ! 脱・慰め!
来年はもっともっといろんなものを脱ることができますように、辰年ならぬ、脱年になりますように!
(むー、ケンパルの針金見て、お互いダジャレか! と赤面)
この1年、本当に全力で走り続けてきた(のだろう)マコさんとケンさん。
その姿を見ていると、私たちももっと頑張らなきゃ! と思うことしばしば、でした。
来年も、お2人の活動を応援しつつ、でも頼ってだけいるのでなく、
一緒にいろんなことをやっていければ、と思います。
まずは新登場ブログ「脱ってみる? デイリー」については、
近日中にツイッターやこのサイトなどでお知らせ予定。ご期待を。
おしどりさん、ほんとうにすばらしいです。!感動します。
2014年3月にドイツに来てくださるんですね。ぜひ伺います。