事故直後のヨウ素の内部被曝の評価はどうするの?
脱ってみる? 読者のみなさまは、私がしつこく! しつこく! 調べているのはご存じですよね!
今年の1月に、被災者生活支援チームの医療班長とお話しすると、「とうとう、うちが始めることにしましたよ…どこもやらないもの…」ですって。原子力規制庁に移行するまでに、どっこも手をつけないと、また、検討課題から落っこちちゃう、ということで、とにかく手をつけることにした、とのこと。
はい、この方は脱ってみる? 読者の方々ならみなさまご存じ、福島班長ですよ!
(福島班長は2月に安全委員会が「なぜ事故直後に小児の甲状腺の詳細なモニタリングの追加調査をしなかったか」についての資料が出たとき、かなーりいいコメントされてました。ちょっとまた書かなくちゃね!)
で、4月の福島県県民健康管理調査検討委員会のときに、またまた班長にお会いしましたら、…
「事故直後のヨウ素の内部被曝の評価、というより短半減期の核種の内部被曝の評価をすることにしましたよ、もう予算をつけて、エネ庁で告示して、あとは業者の選定をする段階ですよ」とのこと。
おー! それは少し進んだみたい、良かった!
次は過少評価をされないよう、目を光らせておかないとね、早くその段階に行きたかったのだけれど、今までは、まったく評価されていない状況でしたからね!
そして、今日またお伺いしてみました。
――以前お話しされていた、短半減期核種を調査する、という件で、エネ庁に告示があるということでしたので探してみましたが、どうしても見つからなくて。それは公開されているのでしょうか?
被災者生活支援チーム医療班「そうですか、それは公開してますし、もう締切ですから、広報が終わってですね、受け入れ先が決まりましたので、事業が始まってますから、もう公告はしていないと思います」
――なるほど、もう事業は始まっているということですね、その情報などはエネ庁の方では公開されてるのでしょうか、どの位の進捗状況ですとか。
被災者生活支援チーム医療班「そこはわかりませんが、具体的に申し上げるとですね、放医研が受託しましたので、今はスタートしたばかり、と言ったほうがいいと思います」
――ではこの辺りのことは放医研にお聞きしたほうが詳しい情報がわかる、ということですね。
被災者生活支援チーム医療班「それで中身の話はですね、放医研の広報担当デスクがありますから、そこにお問い合わせ頂きたいと思います」
――わかりました、ありがとう存じます。
ここで、(そうだ、ついでに、最近調べはじめた化学物質についてもお聞きしよう!)と思い、化学物質についてもお聞きするのですが、トピックがそれるので次回にまとめます。
その後すぐ、放医研にお聞きしました。全文はこちら!
な、なんといいますか、全く身の無いやりとりでございました…
以前は電話取材にも随時お答えいただいていたのですが、電話取材でも、10日前に正式に申し込んでほしい、ということで、まさかの保留! えー、いつからこんなになったの?
その後、飯舘の仲良しにすぐ電話をしました。
――事故直後の短半減期の核種の内部被曝の評価を福島班長が手をつけた、って言ってらした件、事業者が決まったよ!
飯舘村「え、ほんと!? どこ? どこに決まったの?」
――…放医研。
飯舘村「えー!! ちょっとショック!! えー!!」
なぜ、彼がこんなにショックを受けているかといいますと、脱ってみる? 読者のみなさまはご存じかと思いますが、去年、放医研にさんざんな目にあったからです! →脱ってみる? 第4回
飯舘村「んー、でもそのエネ庁の告示に、放医研のほかどんな事業者が応募していたか知りたいよね。放医研じゃなくて、どこが手をあげたか知りたいし、そこともつながりたいよ」
――オッケー、調べてみる!
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6月1日に衆議院議員会館で被災者生活支援チームと福島の方々の政府交渉があり、ちょっと伺ったついでに聞いてみました。
――エネ庁の告示に応募した事業者は放医研のほかにどのような団体がありましたか?
被災者生活支援チーム総務班「もともと頂いたご質問になかったのでお答えできません。
先生を通じて(議員の先生ね!)ご質問ください」
この日の被災者生活支援チームの方々は、なんかツンケンした方々ばかりで残念でした。検討委員会や統合会見でお会いする医療班の方々はもう少し柔軟な方なんですけどね?
政府交渉ということで、戦い態勢だったのかしらね? 戦うより、支援チームの方々には味方になってほしいよね!
この日のトピックは、福島県の県民健康管理調査に、もっと国が口出ししてよ! お金を出すだけじゃなく、指導してよ! ヒドイんだからさ! といったものでした。
そうだ、せっかく被災者生活支援チームの医療班長や、安全委員会の審議官の方もこの「脱ってみる?」を読んでくださっているのだから、どうヒドイか、書いておきましょう!
この県民健康管理調査をやっている福島県の検討委員会のやりかたがどうか、という評価ではなく、実際、どんな状況になっているかをお知りください。
この日の政府交渉で福島の方々が訴えておられたお話です。
県民健康管理調査での自分の子供の甲状腺エコーの画像が欲しいと思っても、なぜか貰えないのだそう。県は「情報公開請求をしたら渡す」とのこと。
ん? 私、自分の甲状腺のエコー画像は気軽にピリピリピリとトイレットペーパーみたいな記録紙を破って「は~い、どうぞ」と貰えましたよ? 福島の子供は情報公開請求しないと自分のエコー画像が貰えないなんて、おかしくない?
そして、甲状腺学会に所属しているお医者様たちのところに送られている「甲状腺学会 会員の皆様へ」という文書。「先生方にも(甲状腺エコーの)結果に関して保護者の皆様から問い合わせやご相談が少なからずあろうかと存じます。どうか、次回の検査を受けるまでの間に自覚症状等が出現しない限り、追加検査は必要がないことをご理解いただき、十分にご説明いただきたく存じます」
(@onodekita先生からの画像を貼らせて頂きます!)
この文書の是非はおいといて、実際、どういうことになっているかといいますと、県の検査の他に、セカンドオピニオンを取ろうと思った親子が、診療して頂けなかったりしたのです。大丈夫、と言われても、やっぱり3歳の子に数ミリの結節があると、も一度診て頂きたい、と思いますもんね。次回の甲状腺の検査は2年後になりますしね!
これは、専門医の方でも、異変が見られた子はもう少し短いスパンで、3か月後とか6か月後にもう一度エコーを診るべきではないか? 一律、2年後、というのは保護者にとっても不安があるだろうし、ましてや10歳以下の子供なのだから急変しない、と断言できないと思うが…という意見をおっしゃる方々は少なくないです。
そして、この日いらしていた福島県の秋場有里子さん。この方も代表のお一人として、被災者生活支援チームあてに要望書をお渡ししてらっしゃいました。
秋場さんは、ご自身がもともと甲状腺を患ってらして、中学生の娘さんも予防目的で、原発事故以前から、定期的に甲状腺エコーを撮ってらして。で、事故以前は普通に貰っていたエコー画像が、突然貰えなくなったんですって。
「え? うちの娘は事故に関係なく、エコーを受けていたんですよ?」と交渉しても叶わず。で、去年の10月、突然寒がった娘さん(甲状腺疾患だとそういう症状もあるそう)、心配して福島のかかりつけの病院に連れていくと。
「ごめん、県の検査が始まってるからそっちでやって、うちじゃやってあげられないわ」とのこと。だから、うちの娘は原発事故関係なく、以前から診て頂いてたでしょうよー、という反論も空しく、そのままだそうです。東京の病院に行かれたそうですけどね、変な話でしょう?
県民健康管理調査は県の主体なので、国はオブザーバー、議論には加わらないんですよ、ということは去年、再三回答されていました。
どこに書いてたかな? といろいろ探しましたが、なんか見つからず。自分の書いたものすら、見つけにくいってどういうことだい! 整理しないとね! でも去年のやりとりもいろいろ興味深いので関連もご覧ください。
・脱ってみる? 第11回 http://www.magazine9.jp/oshidori/110713/
・脱ってみる? 第13回 http://www.magazine9.jp/oshidori/110727/
5月29日に国会事故調が福島であったとき、翌日に南会津にも行ったのですが、とっても線量が低くて驚きました。東京より、ずっとずっとキレイ。
つまり、原発事故による汚染は、「福島県」で考えるのではなく、「汚染地域」で考えなければいけないと思います。放射性物質は県境を意識するわけじゃないですからね、県外にもバンバンいってるし、県内で汚染されてないとこもあるし。
ここでもう一度早川マップを見直して、汚染地域を考えなくっちゃ!
ということからも、健康調査は県が主体ではなく、国が主体となって「汚染地域」を調査するべきではないかと、思います! むーん。
【今週の針金】
放医研(NIRS放射線医学総合研究所)には原発事故以降何度も悔しい思いをしてますねん。
事故直後のヨウ素の内部被曝評価の件に、ようやく動きが。
連載当初からお読みの方にとっては「やっとか!」という感じではないでしょうか。
そしてブログ版の「脱ってみる? デイリー」、
文中で引用しているもののほかにも、取材や会見の文字おこしが次々UPされてますので、ぜひあわせてお読みください。
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