「脱ってみる? 第50回、8月21日発表の文科省のプルトニウム調査の件。」での地図データを全部調べました。(緯度と経度の表記しかなかったので)
文科省の元のデータはこちら。
(クリックすると拡大します。以下同)そして、その番号をマップに落とし込んだものがこちら。
緯度と経度を地名表記にしたものがこちら。
前回の記事に関して、いろいろな感想を頂きましたが、ツイッターでこういう意見も頂きました。
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塙町のプルトニウムの件について塙町役場に電話して、文科省に電話して追及してくださいと言ったら、返答がきまして、全国平均が16ベクレルだそうで塙町の数値は平均並みで、関西などでもっとプルトニウム値が高い所があると言っていました。原発由来ではないそうです。
塙町のプルトニウムの値は全国平均値で原発由来ではないということ文科省が言っているので、詳しくは文科省に聞いてみてください。
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前回の記事でも書きましたが、私自身、直接文科省の当該部署に問い合わせており、文科省からは「田村市や塙町(で検出されたプルトニウム)は原発事故由来のものでは『ない』、と断定しているのではなく、『ないんじゃないかと思う』、ということです。『ない』と断定できるほどではないです」という回答を引き出しています。
そして、「全国平均だから大丈夫」「他に高いところがあるから大丈夫」「文科省が、町役場が誰かが言っているから大丈夫」という判断ではなく、なぜ、大丈夫なのか、ご自分で調べて考えるようにして頂きたいな、と思う所存です。
たとえば、事故以前のデータは文科省の環境放射線データベースで調べることができます。こちら。
ちなみに、プルトニウムは2009年度までの調査なので年度の検索にはご注意ください。
2008年度~2009年度の福島県のプルトニウム238、239+240の土壌のデータはこちらです。
単位が今回の文科省の調査と違うのでご注意を。
Bq/kgとBq/m2の変換の仕方もいろいろありますが、その根拠を探ると、土壌の密度であったり、深さであったりで係数が変わってくることもわかります。「一律に60倍したらいいんでしょ?」という理解もちょと怖いよね。
同じように、2008~2009年度の大阪のプルトニウムの土壌のデータも出してみます。
同じように、2008~2009年度の京都のプルトニウムの土壌のデータ。
2008~2009年度の兵庫のプルトニウムの土壌のデータ。
こうして見比べていけば、「関西などもっとプルトニウム値が高いところがある」ということも、ほんとかな? と調べていけますよね。
そして、「全国平均だから大丈夫」というのは何が大丈夫なんでしょうね、「プルトニウム値が全国平均である」ということは「健康被害が全く出ない」という意味ではありません。
「全国平均値のアスベスト値」の地域でも、アスベスト由来の肺がんや中皮腫は発生します。と、アスベスト問題に取り組んでいる弁護士さんにお聞きしました…。つまり、健康被害は少ないけど出るけど、ま、それについて、補償はしないよ、ちょっとだけだし、という意味。
「平均値だから大丈夫」の根拠もきちんと考えたいよね、
ついでに、よく、「インドなど自然環境放射線がもともと高い地域でも、健康への影響は認められない」ということをおっしゃる方もいらっしゃいますね。
これは、先日、生態学の先生に伺いましたが、「もともと自然環境放射線の高い地域に代々暮らしていて、そこの環境に適応しているものと、現在のように事故によって突然、環境放射線が高くなってしまった地域では比較できない」とのことでした。
つまりね、赤道直下で暮らしている方を、突然エスキモーの村に連れていって、「ここは人間の住める環境なので、何も健康に問題が出るはずありませんよ!」と言っているのと同じようなことなのかな。
先生は、長い年月をかけて、地域に適応した体になっているものを、突然の環境の変化との比較で出してくるのはおかしい、とおっしゃっておられました。
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というわけで、前回の宿題の緯度・経度のデータの住所を出す作業でした。
めんどくさいけど、自分たちのことだから、しっかり考えていこうぜ!!
【今週の針金】
東京都民として尖閣諸島に都のお金を使うより、福島に使ってほしいですねん。
お金がなくても、遅れてでも、がんばって都民税を納めてるので、
納得のいく使い方をしてほしいですねん。
原発事故後、一見それとは無関係な問題について考えているときに、
あまりの共通性に気づいて愕然とする、ことが何度もありました。
同じようなことを、また繰り返さないために、繰り返させないために。
マコさん・ケンさんの取材報告と体験者の声をお聞きするマガ9学校、
参加者同士のグループトークの時間も設ける予定です。
聞いて、考えて、話しましょう!