今回こそは香港の報告をしようと思ったのだが、再稼働をめぐる事態は急変し続けているので、今回もちょっと再稼働話を。

　６月８日に野田首相がとんでもない会見を行ってから、なんだか世の中がまた荒れて来た。というのも当たり前の話で、去年から今年にかけて日本中で大激論が巻き起こり、「どうやって原発に頼らなくて済むか」って話になってたところで、すべてをひっくり返して元に戻してしまったのだ！　それどころか、ドサクサにまぎれて「核を安全保障に使う」みたいなことまで言い始めたりしてる。…こらー！！　逆に前より後退してるじゃねえか！！　どうなってんだ、おい！！　

　ついでに言っておくと、そんな再稼働騒ぎの大パニックの隙をみはからって、気付いたら自民党と結託して消費税も上げることで合意！　おいおい！　いいことひとつもやってないじゃねえか！

　自民党が悪事を働く時は、「さー、これから悪いことやるよ〜。お前らガマンしろ」みたいなノリで、悪は悪なりにわかりやすい悪だったけど、野田政権はもっとヒドい。アメもムチもなく、自分を取り巻く連中の都合なのか知らないが、ポリシーもなく勝手にとんでもないことを決めまくっている。っていうか、人の話何も聞いてない！！　ほとんど自民党の手先なんじゃないかってぐらい、旧政権が出来なかったことをやりまくっている。う〜ん、鳩山首相、菅首相の時代は、パッとしなかったものの、自民党とは違ってなにかあるかなっていう気配は感じられたけど、野田になって急転落して、元の自民党、いや、それ以下になってしまった感じ！　まったく、なんなんだ、アイツは！！！　落とし穴掘るぞ！（先週の続き）

　そんなこともあり、会見を契機に、反原発デモが急速に盛り上がっている。

　２２日に行われた首相官邸前の抗議行動も、どこからともなくとんでもない人数（４万人以上とも言われている！）の人が集まって来て、再稼働反対を訴えた。この様子は報道こそ大してされなかったものの、その声は官邸内にも聞こえまくってたというから、なかなかすごいことだ。

　そしてさらに！　２日後の２４日には、例の最強の集団＝「脱原発杉並」や、「脱原発中野も」などに加え、最近結成したという「脱原発船橋」という、超ローカルな人らが謎の結託を果たし、野田首相のお膝元である船橋で再稼働反対＆野田やめろデモを行った。この時は、東京の西端である中央線一帯から大量の人が電車に乗り込み、途中、どんどん人数が膨らんで来て、最後は満員電車と化して船橋に向かい、地元の人たちと合流するという、よくわからない東西交流なども生まれてしまった。これはすごい！　さらに、集会の時には、高円寺の北中通り商店街に住む、素人の乱のルキツラ氏が「野田が再稼働すべきは、全国のシャッター商店街だ！！」と謎のアピールを叫び、同じくシャッター商店街の船橋人から驚喜の拍手喝采を浴びるという、すごい光景まで見られた。う〜ん、盛り上がってきたね！

　さて、そうこうして、また脱原発の声が大きくなって来る一方！　悪い奴らってのは本当にロクなことをしないもので、民衆の声には全く耳を傾けず、何事もなかったかのように着々と原発稼働への準備を進めてくる。で、気付いたら六ヶ所村の再処理工場もコッソリと試験運転を開始し始めたし、愛媛の伊方原発も「再稼働したい」などと言い出すし、いままさに選挙中の鹿児島県知事選でも自民・民主に後押しされた現職知事が「なんとか再稼働したい」などと言い出す始末（絶対落選してもらいたい）。おい！　野田が血迷ったこと言い始めるから、金に目がくらんだ奴らが「待ってました！」とばかりに、続々と登場してるじゃないか。どうするんだよおい、野田！　おまえのせいだからな！　弁当隠すぞテメー！（前回の続き）

　そんな感じで、金の亡者の再稼働推進勢力は着々と準備を進め、報道によると７月１日あたりには再稼働のスイッチが押されるのではないかという。早い！　いつもモタモタしてるクセに、こういう時だけ早い！　もう、福井県も首相側でも「再稼働する」と決めてしまってるので、実際に７月１日には関西電力の職員が事務的にボタンを押すだけだと思う。しかし！！！！！　いまなら、まだ思いとどまることは出来るはずだ。なんだかんだ言ってまだ原発は動いていない。現時点で日本で稼働している原発はゼロだ。首相が「いや、ちょっと待て」と言えば、その政治判断で簡単に動かすのを止めることは出来る。

　ってことで！　その７月１日（日）、巨大な新宿街頭デモが行われることになった！

　もちろんメインは「原発再稼働反対！」なんだけど、そんなメチャクチャなことを言い出す野田首相の退陣要求もしてしまう！　どう考えても野田首相に原発問題を解決する能力はない。首相がこのままの姿勢を通すのであれば、一刻も早く辞めてもらうしかない。次の首相が誰かは知ったこっちゃないが、ともかく、あんな民衆に対して挑戦的な宣言をした政権が、民衆によって倒されなかったら、それこそ日本社会の恥だ。

　そう、またちょっと余談かもしれないけど、海外ではよく「○○大統領辞任要求デモ！」なんて多発している。でも日本ではあまり聞かない。日本では悪い政治家が出て来ても野放しにされることが多いが、せいぜい国会の中の党利党略の中で引きずり降ろしたり降ろされたりという茶番劇のようなことになる。あるいは、民衆の抵抗としては、オッサンが居酒屋で「…ったく、日本の政治はよう。なあ、オマエもそう思うよな？」などと、しぶしぶ聞く部下に向かってグチを言うのが関の山だった。ところが、さすがに今回ばかりはヒドすぎるのでそんなのじゃダメだ。

　ちゃんと、悪いことを宣言した首相に対しては「オマエなんかいらねえよ。どっかいけ！」と言って、国会内じゃなく、みんなの力で引きずり下ろすということをやっておかないといけない。世の中のためにも。ちなみに、いま小沢一郎が反旗を翻して、早くも野田政権は窮地に立たされているが、そういう政治のパワーバランスで倒されてもしょうがない。再稼働したという理由で退陣させられるべきだ。ということで、キッチリと「原発をむやみに動かす野田、冗談じゃない！！」という声を上げてしまうしかない。

　最後に言っておくけど、別に何が何でも政府を潰そうなどと言ってるわけじゃない。原発を再稼働する、しかも「国民のために安全な原発を動かす」みたいなふざけたことを言い出すからみんな怒っている（ま、消費税上げようとしたり色々あるけど…）。もし仮に、いま首相が「いや、原発は危ないからやっぱりやめましょう」と言えば、世論もだいぶ変わるはずだ。あるいは、「すいません、財界の重鎮達に点数稼いどかないとヤバいから、この夏だけ１ヶ月だけ動かしてもいい？」ぐらいの感じで言い出していたとしたら、みんな怒るとは思うけど怒りもまだソフトだったかもしれない。野田首相は、それすらも言わず、「原発は安全で、これからも大いに使っていく」と、原発事故がなかったかのようなことを言い出した。こりゃ、怒るでしょ普通。原発の被害を受けた人は、間接的なものも含めたら日本中にいる。むしろ被害者じゃない人なんかほとんどいないぐらいだ。それを、何の反省もないまま再稼働して、この問題をやみに葬り去ってしまったら、福島の教訓が無に帰してしまう！

　大飯の、死への再稼働ボタンを押してしまったら、もう日本社会は「自浄能力ゼロです」って言うのを全世界に宣言するのと同じ。みっともないにもほどがあるよ、ホントに…。

　破滅へのスイッチを押させるな！　７月１日は新宿街頭での大規模デモへ駆けつけてしまおう！！！！！！！！！！！！
とうとう最大の山場がやって来る！！！！！！！！

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