諸君、素人の乱ラジオで発生した、永六輔事件を知っているだろうか? ついに、素人の乱ラジオも新境地に上り詰めてしまった!! いやー、これはすごい。
今年の3月から、数年ぶりに再開した「FMラジオ・素人の乱」。最初は、どうも最近、反原発デモばっかりやったせいか、なんだかやたらとマジメな社会運動系の団体だと勘違いする人が続出して嫌になって来たので、「よし、やっぱりここは初心に返ってくだらないラジオでもやろうか」と始めてしまったのが、アナログ放送の謎のラジオ番組! で、最初はいい加減にやっていたんだが、これが徐々に謎の人気を博しつつあり、大変なことになって来ている!!
まずは、永六輔事件から。
ラジオの中に「バカコーナー」というのがあり、これは全く意味の無い大バカ集団「地獄のバカ軍団」結成を呼びかけるコーナー。応募は往復ハガキのみ受付で、特に返信はしない(←意味なし)というもの。単なる思いつきで言い出しただけで、バカ軍団が結成されたところで特に何もすることはないんだが、意外にも来るわ来るわ、ハガキの山! しかも本当に往復ハガキで送ってくる! いや、いいね~。バカかお前ら!!!! で、みんな「バカ最高!」とか、コメントを書いて送って来てくれるんだが、その中のひとつに、返信用ハガキの方にビッシリと何か書いてあるバカ応募者がいた。
なんだなんだと見てみると、ラジオネーム”ドがつく無能”という、大阪のリスナーからだ。返信しないってあれほどいったのに返信の方に書いてくるとは、どうなってんだ!? …と、思ってハガキを見てみると、なんと返信用ハガキの宛先には「永六輔の誰かとどこかで『七円の唄』係御中」とある。で、差出人のところには「松本哉」。なんだ、俺かよ!
で、内容はまさにうちの北中通り商店街の話。以前、商店街で夜市の企画をやった時の話が書いてある! 何を隠そう、数回前のラジオで話したトーク内容だ(詳細→素人の乱5号店・店主日記)。しかもこれをいかにも永六輔の番組で読んでもらえそうなテイストでリライトされてあるではないか! あんまりヒドい内容やウソが書いてあったら出せないけど、これは事実だし、いかにも『七円の唄』な感じで、かなりレベルが高い! うわ~、これはもう、出すしかないではないか!!!!
と、いう訳でポストに投函!!
そして、翌週。さあ読まれるかと思って期待したが全く読まれず、「なんだ、残念!」と、一同しょんぼり。
…と、思ってみんな忘れかけていたところ! それから数週間すると、一枚のハガキが舞い込んで来た。なんと! TBSラジオからで「おハガキを採用させてもらいました。9月28日に放送です」というもの! ギャー、これはすごい! しかも永六輔師匠とアシスタントの遠藤泰子さんの直筆サイン入り! 参りました! とは言っても、よくよく考えたら永六輔のラジオは一度も聴いたことが無かった。いったいどんな番組かよくわからないけど、とにかく渋そうな雰囲気だけは漂っている。
さあ、どうなることかと思ってネットで「これは聞くしかない!」と呼びかけてみると、当日は朝11時半ごろという早朝にもかかわらず(高円寺時間)、みんなが聞いている! そして、ついにド渋の番組は始まり、なんと3枚目のハガキで「次は、東京都杉並区の松本哉さんからのおハガキです」。ギャー、読まれた! ・・・と、高校生のように大喜び! ただ、ハガキを書いて読まれただけでは、そこまでとんでもないことではない。が、自分がやっているラジオのコーナーから生まれたハガキで、時間をかけていろんな経緯があったおかげで、なかなかの大感動! すごいすごい!
ま、もちろんここで読んだだけでは何が面白いのやら、よくわからないかもしれないので、その辺は実際のラジオを聞いてみてほしい。あまりにくだらなくて聞くのをやめる人も続出するかもしれないけど、まあ、ともあれ通勤通学時間にでも聴いてみてくれ!!
さて、毎回毎回、完全にどうでもいい話ばかりしているわけだが、内容はともかく、このラジオってのがなんだかいい。
ちなみに、これ本当にFM電波を流して放送している。ただ、強力な電波を飛ばすと違法になってしまうので、やむなく微弱電波。なんと、うちの北中通り商店街付近から周囲50mぐらいにしか飛ばない電波。おそらく、生放送ではゼロ〜数人程度しか聞いてないと思う。で、これをなんと20年以上前のラジカセ(懐かしい!)で、カセットテープに録音して保存! そして、翌日以降、そのテープ音源をMP3に変換してウェブ上で「再放送」として公開! これ、何でわざわざこんなしち面倒くさいことをやってるかと言うと、アナログの恐ろしさを知らしめること! 世の中全部デジタル化し、謎の隙間の意味不明な存在がなくなってきている。そう。インターネットを見ていたら世の中のすべてがわかってしまうと勘違いする人が増えてるので、ネットが万全ではないことを知らしめるためのアナログ放送!! つまりデジタルの方が遅れているということを思い知らせるための放送なのだ!!(←ま、大して意味はない)
で、そうはいっても、その再放送は、毎週毎週、数百〜数千人の人が聞いてくれていて、ありがたい限り。アナログの恐ろしさも知らしめたいところだけど、デジタルの恐ろしさもなかなかすごいもんで、日本中、いや世界中で聞いている人がいる。これのおかげで、各地に遊びに行ったときに、突然知らない人に「ラジオ聞いてますよ!! いやー、先週のあのハガキ最高でしたね〜!」などと声をかけられることが多い。本や雑誌を読みましたとか、前イベント見に行きましたとか、ブログ読んでますって話しかけて来る人より、明らかに距離感とテンションが違う!!!! 完全に間合いを詰めた感じ。ここがラジオのいいところで、確かに自分も昔ラジオを聞いていた頃は、なんだかごく少数の人しかその番組を聞いてないと錯覚して、ラジオパーソナリティの友達になった感じになる。さらに画像もないのでその感覚はなおさらだ。Ustream? 時代遅れ、時代遅れ! これ、いいね〜。
いまの世の中、ネットを通じた情報化が著しい。そうなってくると、情報はたくさん入って来るものの、ますます世の中を俯瞰した感覚になりがちでよくない。図々しいほど間合いを詰めた感じのメディア=ラジオの感覚は、実はかなり新しい!!
さあ、みなさん、ラジオを聞くしかない! ついにアナログラジオの時代がやってきた!!
10月21日(日)
吉祥寺町おこしイベント!
15:00スタート!
10月28日(日)
八王子で何かやるイベント!
『脱原発とデモ』出版記念トークイベント
鎌田慧×雨宮処凛×松本哉
高円寺 庚申文化会館にて 15-17時
予約→ info@dokushojin.co.jp
高円寺北中通りフリーマーケット
13:30~17:00
3・11以来、「原発いらない」デモなどの話題が多くなりがちでしたが、
そういえばこんなバカバカしさ全開! の遊び心こそ、
「のびのび大作戦」の真骨頂だったのでした。
今週の「この人に聞きたい」で映画監督の想田和弘さんが、
「お金では測れない価値」の意義について語ってくださっていますが、
これもまた一つの「お金では測れない」価値だったりする…のかも!?